大原櫻子、26歳の今だから表現できる“様々な愛” オーケストラとの共演や姉妹での制作エピソードも振り返る

大原櫻子、26歳ならではの“愛の表現”

 大原櫻子が、約1年10カ月ぶりとなるフルアルバム『FANFARE』を12月7日にリリースした。3カ月連続での配信シングルリリースを経て、まもなく27歳を迎える彼女が“愛”をテーマに音楽と向き合ったという今作には、大人っぽいサウンドで豊かな詩情を味わえる楽曲が多く収録され、新しい表情を味わうことができる。さらに、10月にはフルオーケストラを迎えたコンサートを行ったが、12月15日からはライブハウスを廻る東名阪ツアーもスタート。デビュー10周年を目前に、原点を見つめながらも新しい挑戦を惜しまない大原櫻子に、じっくり話を聞いた。(編集部)

恋愛だけに限らない多彩な愛の歌

ーー10月に東京と兵庫で開催されたフルオーケストラコンサート『billboard classics 大原櫻子 Premium Symphonic Concert 2022』はいかがでしたか?

大原櫻子(以下、大原):本当にいい経験をさせていただけました! オーケストラアレンジされたことで、今まで自分が出してきたオリジナル楽曲がこんなにも変化するんだなっていう驚きがありましたね。「のり巻きおにぎり」というおふざけソングもやったんですけど、オーケストラの美しい音色で演奏していただくとまた違った楽しさが出たりもして(笑)。歌っている私自身もそうでしたけど、きっと会場に来てくださった方々も新鮮な気持ちで楽しんでいただけるライブになったんじゃないかなって思います。

ーーオーケストラを背負うことで歌声も自然と変化しそうですね。

大原:そうですね。オーケストラの方々がサウンドを引っ張ってくださるので、私はずっと気持ちよく伸び伸びと、大草原で歌っているような感覚でした。

ーー指揮を務められた山脇幸人さんは、大原さんと同年代ですよね。

大原:山脇さんのほうがちょっと上なんですけど、年代が近いのでコミュニケーションもすごくスムーズで。リハーサルの段階から上手く進んでいて、本番を重ねるうちに息の合い方がどんどん濃密になっていったというか。最後の方は目を合わせなくてもお互いの呼吸を感じられるくらいになっていたので、すごくいいコンビネーションが生まれていたなって思いましたね。

ーーコンサートは2部構成で、後半は大原さんの愛するディズニー楽曲をはじめ、カバー曲もたくさん披露されていました。

大原:オーケストラコンサートをやると決まった瞬間、「絶対ディズニーの曲がやりたい!」と思ってましたからね(笑)。他にもオーケストラアレンジがあまり想像できない歌謡曲とか、ただただ自分の好きな曲をひたすら歌わせていただいたような感じでした。楽しかったな。

ーーオーケストラコンサートが定番になっていくといいですよね。

大原:私もそう思いました。今回、いつものライブとは違った層の方がけっこう観に来てくださっていたんですよ。それがすごくうれしかったので、またぜひやってみたいですね。純粋にオーケストラファンの方々にも、私の曲を聴いていただきたい気持ちも強いので。

ーーそしてニューアルバム『FANFARE』が到着しました。9月から3カ月連続で配信リリースされていた「Door」「愛のせい」「初恋」では“恋心”がひとつのテーマになっていましたが、アルバムは“愛”をテーマとして制作されていったそうですね。

大原:はい。今年に入ってからプロデューサーとしてついていただいている小名川高弘さんとお話しする中で、「26歳になった今の大原櫻子が愛をテーマにした曲を歌うとたくさんの人に響くんじゃない?」っていう案が出て。なので、恋心をテーマにした3連続配信曲を含め、もっと幅広くいろんな愛の形をアルバム1枚としてまとめようということになったんですよね。

ーー思えば今作に収録されている既発曲「笑顔の種」や「ポッピンラブ!」、「Greatest Gift」、「それだけでいい」も、いろんなタイプの愛を歌ったものでしたし。

大原:そうなんですよ。結果、恋愛だけに限らない多彩な愛の歌を詰め込むことができました。

大原櫻子 - Fanfare(Official Music Video)

ーー『FANFARE』というアルバムタイトルにはどんな意味を込めたんですか?

大原:これは1曲目に入っている同タイトルのリード曲から持ってきたんですよ。「Fanfare」という曲のメロディを聴いた瞬間、「あ、これはアルバムを引っ張ってくれる楽曲になるな」ってビビっと来て。振り返ると、今年に入ってからいろんなお芝居で強さを持った女性を演じる機会が多かったし、「Door」や「愛のせい」では地に足のついた女性の思いを歌うことができていたので、今回のアルバムでもそういった女性像を感じてもらいたい気持ちがあったんですよね。なので、「みんなと一緒に歩んでいくよ!」という思いを持って先頭切って旗を振っている女の子の姿が見える「Fanfare」を1曲目に持ってきて、それをアルバム全体のタイトルにするのがいいのかなと思ったんです。

ーー壮大さのある「Fanfare」はアルバムの幕開けにふさわしい曲だと思います。言ったら人類愛みたいなものを歌っている曲でもあるので、今作が単なる恋愛ソングを詰め込んだアルバムではないことも冒頭からしっかり表明していますしね。

大原:コロナ禍でソーシャルディスタンスとか叫ばれている今の時代にこういった曲を歌えること自体、私はすごくうれしくて。人間は決して1人ではなく、みんな一緒に歩んでいるんだよっていうことを改めて感じることが今は大事なことのような気がするんです。それを象徴するように、この曲ではディレクターさんやライブでお世話になっているダンサーさんなど、たくさんの方に来ていただいてコーラスを録ったんですよ。ここまでいろんな方の声が入っている曲は初めてかな。みんなの声が入ることで生まれる力強さは、聴き手の方をアルバムの世界にグッと引き込んでくれるものになったと思います。みんなの愛が詰まっている、ものすごく頼もしい1曲。情勢が落ち着いたら、ライブではみんなで手を上げて一緒に歌いたいですね。

ーー包み込んでくれるような大原さんの歌声も素敵ですよね。

大原:ありがとうございます。歌詞は前向きで力強いんですけど、歌い方は優しさを大事にしたんですよ。全体的にほぼ地声を使わずに歌いましたね。

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