大原櫻子、26歳の今だから表現できる“様々な愛” オーケストラとの共演や姉妹での制作エピソードも振り返る
姉からもらった意外な提案
ーー今回のアルバムでは、これまで以上に多彩なボーカルが響いている印象があります。客観的に聴いてみて、ご自身のボーカルについて何か感じることはあります?
大原:今回は1曲ごとの歌い方が本当に違っているなって思います。主人公の描かれ方が明確に分かれていたので、それぞれで役作りをしたというか。例えば「ふわふわ」であれば包み込むようなあたたかい声で歌うことを意識しましたし、「初恋」では恋をしているときのウキウキした気持ちをキラッとした声色で表現してみました。今までにないチャレンジもいろいろできたんじゃないかな。「Door」のときにもお話しましたけど、今回は自分自身が感じている大原櫻子節をちょっと封印して、曲にどっぷり染まることを大事にしながら歌うことができていると思います。いつも以上に歌詞の届け方を大事にした部分もあったので、そこがみなさんにもしっかり伝わってくれたら嬉しいですね。
ーーあとは落ち着いたミディアムテンポやバラードの曲が多い印象もあって。そこが26歳の、今の大原さんのムードなのかなと。
大原:あぁ、そうですね。ちょっと大人なラブソングが多かったりもするので、ハジけたアップテンポな曲っていうと「ポッピンラブ!」くらいかもしれない。
ーー今作ではシングル曲だった「ポッピンラブ!」とコミカルな新曲「ふわふわ」の2曲がポップで元気でキャッチーという大原さんのパブリックイメージを担っているわけですけど、どちらもご自身で詞曲を手がけた楽曲なのがすごくおもしろくて。新しい表情がたっぷり見えているアルバムの中で、デビュー以来築いてきた“らしさ”を自ら引き受けたのかと。大原:確かにそうですね(笑)。曲を並べたときに自分でもちょっと落ち着いている印象があったので、「ふわふわ」のような曲が入るとバランスがよくなるのかなって思ったんですよ。けっこう前に作っていたデモを今回のタイミングで完成させてみました。
ーー「ふわふわ」は、過去に発表された「のり巻きおにぎり」や「いとしのギーモ」の系譜ですよね。
大原:はい。ここ最近、コロナ禍での規制が徐々に緩和されてることで、今まで以上に働きすぎている人が多い印象があったんですよ。働きすぎてみんな疲れてないかなって。そういう人たちが少しでも楽しい気持ちになってもらえたらと思い、私自身が楽しい気持ちになれて、心が癒されることを思い浮かべて作った曲なんです。
ーー大原さんを癒してくれるものがつまり……。
大原:焼肉とビールだったっていう(笑)。その2つへの愛を歌った曲ですね。パッと聴き、子供でも楽しめる“みんなのうた”のような雰囲気ですけど、歌詞はガッツリ成人向けっていう。レコーディングはめちゃくちゃ楽しかったですよ。「ここに“カンパーイ!”って言葉を入れたいです」とか、若干の自己プロデュースをさせていただいたりもしたんですよ。そうしたらスタッフさんも「じゃあここにグラスがぶつかる“カチン”って音もほしいよね」とか盛り上がってくれて(笑)。聴いてるだけで楽しい仕上がりになったので、みなさんもこの曲でぜひ笑顔になってください。
ーーもう1曲、「寄り道」という新曲も収録されていますね。作詞は大原さんのお姉さんである林田こずえさんが手がけられています。
大原:「今回のアルバムではいろんな愛を歌っていくんだよ」っていう話を姉にしたら、「だったら犬が飼い主に対して抱いてる愛を歌うのはどう?」って提案してくれて。犬目線の曲は歌ったことはなかったので、「それ新しいね!」っていうことで作詞をお願いしました。私も姉も犬は飼ったことないんですけどね(笑)。
ーーあ、そうなんですか(笑)。でもすごくリアルな歌詞ですよね。
大原:そうそう。すごくリアルだなって思いました。自分が犬だったら絶対こうやって思うよなぁって。歌うのもすごく新鮮でしたよ。アルバムの中でもいいスパイスになっていると思います。
ーーボーカルに関して、お姉さんは何かおっしゃっていましたか?
大原:レコーディングの日に、「こんな柴ちゃんのイメージで書きました」って言って、かわいい柴犬の写真が送られてきて(笑)。歌い方に関してもイメージを伝えてくれましたね。「お母さんが落ち込んでるときとかに、サクは“大丈夫だよぉ”って穏やかに言うじゃん? この曲はその感じで歌ってほしいんだよね」って。
ーーそのディレクションは近くにいてくれる姉妹ならではですね。
大原:よくわかってくれてるなって私も思いました。そういう具体的なエピソードを言ってくれたので、すごく歌いやすかったですね。犬目線ではあるけど、気持ちをすごく乗せやすかったです。ーーペットと生活している人はグッとくること間違いなしだと思います。
大原:一応犬の設定ですけど、歌詞に“犬”という言葉は使われていないので、それ以外のペットにも当てはまると思うんですよ。いつも寄り添ってくれる大切なペットのことを思い浮かべると、聴いてくださる方々にとってすごく親しみやすい1曲になるんじゃないかな。
ーー今作を作り上げてみて、“愛”というものに対して何か見えてきたものはありましたか?
大原:26歳にもなると周りにも結婚する人が増えたりとか、いろんなタイミングで愛について考えるようにはなりましたよね。今の年齢だからこそ恋愛はもちろん、友人やお仕事関係の人への愛情という部分で壁にぶつかることも多いと思うんです。だからこそ“愛”をテーマにしたアルバムを作ってみたわけですけど、わかったのは「愛とは深いものだ」っていうことで、まだまだわからないことばかり(笑)。ただ、わからないなりにそこへしっかり向き合えたことに意味はあったと思います。
ーー大原さんのように、すべての人が愛を意識し、そこにしっかり目を向ければ、もっといい世の中になっていく気がしますよね。
大原:うん。生きていると、泣けてきちゃうくらいに他人の愛情を感じられるときもあるけど、ともすれば「どうしてそんな薄情になれるの!?」って思ってしまうこともありますからね。ここ2、3年、そういう愛が足りない状況が露見する瞬間が増えたような気もするし。もちろん人間は複雑な生き物だから、そういった二面性があるのは当然なのかもしれないけど、でもやっぱり愛を大事に生きていきたいなって私はすごく思います。昔から好きな日本のロックミュージシャンの楽曲に、“自分の幸せより他人の幸せを思えたらどれだけ素敵なんだろう”といった内容の歌詞があるんですけど、本当にその通りだなって。
ーー大原さんが心を込めて作り上げた本作が、多くの人たちにとって愛について考えるきっかけになるといいですよね。
大原:そうなってくれたら嬉しいです。本当にいろんなタイプの曲が詰まっているので、聴く人によってもそうだし、聴くタイミングによっても心に響く曲はきっと変わってくると思います。いろんな瞬間に聴いていただけたら。
ーー12月15日からは東名阪を巡るツアー『大原櫻子 LIVE HOUSE TOUR2022「ライブハウスでFANFARE!!」』が開催されます。会場の規模的にかなりレアなライブになりそうですね。
大原:ライブハウスは1stツアー以来なんですよ。なので、近い距離でギュッと濃密な時間をみんなと過ごすのが本当に楽しみ。今年はバイオリンとピアノの方と3人で廻ったツアーやオーケストラコンサートでじっくり聴いてもらう機会が多かったので、今回のツアーはとにかくハジけたいですね。アルバムの曲たちもバンバンやろうと思ってますので、一緒に年末をガツンと盛り上げましょう!
■リリース情報
New Album『FANFARE』
2022年12月7日(水)リリース
●初回限定盤A:¥4,950(税別)(CD+DVD ※MV「FANFARE」+メイキング映像)
●初回限定盤B:¥4,950(税別)(CD+DVD ※特典企画映像『ご褒美企画!? 櫻子のソロデイキャンプ』)
●通常盤(CD):¥4,950(税別)
●数量限定ビクターオンラインストア限定商品スぺシャルクッション付き仕様
詳細はこちら
<CD収録曲>
1 Fanfare
2 笑顔の種
3 ポッピンラブ!
4 Greatest Gift
5 愛のせい
6 寄り道
7 ふわふわ
8 それだけでいい
9 Door
10 初恋
■ライブ情報
『大原櫻子LIVE HOUSE TOURライブハウスでFANFARE!!』
●2022年12月15日(木) open 18:00 / start 19:00
UMEDA CLUB QUATTRO (大阪市北区太融寺町8-17 プラザ梅田10F)
Info.SOUND CREATOR 06‐6357‐4400
●2022年12月16日(金) open 18:00 / start 19:00
NAGOYA CLUB QUATTRO(愛知県名古屋市中区栄3-29-1 名古屋パルコ東館8F)
Info.SUNDAY FOLK PROMOTION 052-320-9100
●2022年12月30日(金) open 17:00 / start 18:00
新宿BLAZE(東京都新宿区歌舞伎町1-21-7 ヒューマックスパビリオン新宿アネックスB2F)
Info.DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~15:00)
オールスタンディング:¥6,600(税込)電子チケットのみ
※ドリンク代別途¥600
※未就学児入場不可 小学生以上有料)
※購入枚数制限有り:【FC先行】2枚(申込者のみ会員)、【プレイガイド】4枚