ゆいにしお、ワンマンツアー最終公演で作り上げた“tasty”な空間 「みんなの生活に寄り添った音楽を」

ゆいにしお『tasty sound』東京公演レポ

 ここからは弾き語りパート。メンバーが捌けて、一人でピアノの弾き語りの特別バージョンで「パレード」と「小夜なら花折り」を披露した。静寂に包まれた会場に、透き通るような歌声が真っ直ぐに響き渡った。次の「チートデイ」はギターの弾き語りへと変わり、しっとりと聴かせた。曲前には、ライブに向けてダイエットしたことを報告して笑いを誘うなど、茶目っ気も覗かせる。

 バンドメンバーを再び迎え、次に披露したのは、本人曰く「大事に歌ってきた曲」だという「マスカラ」。優しくじっくりと歌い上げた。そこから立て続けに「sun shade」「suitcase」「ウェイトレス」と徐々に曲調を加速させ、会場を温めていく。その後のメンバー紹介では、一人ひとりとしっかりとコミュニケーションをしてるのが印象的だった。

 ライブも終盤。ここで披露したのは「CITY LIFE」。この曲について彼女は「デビュー(曲)で〈今日は早く帰ろう〉と歌うサビなんて、とっても呑気だなと思って。でもそんな“ゆるさ”がゆいにしおなのかなって」と話す。その言葉の通り、この曲はメロディやサウンドから滲み出るゆったりとした雰囲気が魅力的。

 その後、「スポットライト」「ワンダーランドはすぐそばに」「mid-20s」とラストスパートを駆け抜けた。曲間では「1曲としてゆいにしおだけで作った曲はありません」とスタッフやアレンジャー、エンジニアの存在を明かし、それぞれに感謝を伝えた。ついにメジャーデビューを果たした彼女。これからの活動について「みんなの生活に寄り添った音楽を作っていきたい」と語った。歌いながら「これからも応援よろしくお願いします!」と強く叫ぶと、会場から大きな拍手が送られた。

 アンコールは「息を吸う ここで吸う 生きてく」と「タッチミー」を披露。歌い終えると「改めて今日のライブを支えてくれた方々に拍手をお願いします」と言い、ライブに関わったすべての人を労った。

 演奏陣含め、多くの人々に支えられた今回のライブ。ゆいにしおは今後も、様々な人々とともに“tasty”な音楽を鳴らし続けるだろう。

ゆいにしおの音楽を「女食住」から紐解く メジャーファーストアルバムにも根ざした“生活感”

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