稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が5年間で新たに切り拓いてきた“5本”の道 新しい地図設立5周年に寄せて

3人だからこそ見えるコンビの絆&個性

 新しい地図を立ち上げる前後から3人で食事に行ったり、お互いの舞台を観劇したりと、カメラが回っていない間のやりとりが増えたのも新しい動きだった。3人というのは絶妙な数字で、2人対1人という構図になりやすい。この5年はプライベートでのやりとりが増えたことも受けて、その楽しみがより広がってきたように思う。

 かねてより、親友でありラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)を続けてきた香取と草彅の“しんつよ”コンビの仲の良さに、稲垣がちょっぴり嫉妬するようなくだりは鉄板の流れだが、健康志向やカメラの趣味などで盛り上がる稲垣と草彅の“ごろつよ”コンビに、香取が思わず苦笑い……という図も増えた。

 さらに先述した『JUNON』の特集内鼎談では、香取と稲垣がスタッフと共にごはんへ行き、その流れでカラオケに行ったというエピソードも飛び出した。そして、香取が稲垣にソロ曲「SUZUNARI」をリクエストするも、稲垣が歌わずに帰ってしまい、結局は香取が自分で歌うという展開になったのも、“しんごろ”らしいイジりイジられの関係性が見えて微笑ましかった。ちなみに、草彅はそもそも行かなかったというから、そのマイペースっぷりが想像できて頬が緩む。

 知れば知るほど興味をそそられる稲垣のプライベート情報に翻弄されるしんつよ、しっかり者な香取からツッコまれるまで話に熱中するごろつよ、草彅の俳優としての才能に刺激を受けるしんごろ……と、2人対1人になることで、2人の絆が見えてくるのはもちろんだが、1人になったほうの個性も際立つ。十分に彼らの個性が浸透しているにも関わらず、間接的に映ることで新鮮に感じられるのも、彼らならではの面白いところといえそうだ。

若手アイドルが背中を追い続けるレジェンドへ

 今月4日にオンエアされた『ななにー』では、CUBERS、BMK、SUPER★DRAGON、IVVYら若手ボーイズグループ4組がゲスト出演し、長きに渡って活躍し続ける極意を聞かれる場面があった。また、先述した香取が出演したラジオ『JUMP UP MELODIES』ではTHE RAMPAGEのリーダー・陣からアドバイスを求められるシーンも。

 事務所を越えて様々な若手アイドルたちとの交流も、新しい地図を広げてからグッと増えた。歌って、踊って、仕切って、演じて、笑わせて……「マルチに活躍するアイドル」という概念を作り出した彼らが大切にしていることとして語ったのは、「当たり前のことを大切に、日々を積み重ねていく」というシンプルなものだった。

 そんな3人がレジェンドとしてリスペクトをしているのが、郷ひろみだという。草彅と香取は最近、郷と共演を果たしたことで、さらにその思いが強くなったようだ。いつまでもスマートにパフォーマンスを披露することができるのは、日々の鍛錬の賜物。会うたびにオーラを感じられるのは、謙虚で明るくみんなにパワーを与える存在でいようという気概の表れ。何よりエンタメの世界でずっと求められ続けるのは、積み重ねてきたものが縁となってつながっているから。

 若きアイドルたちとふれあう彼らを見れば、もうすでにアイドル界のレジェンド的存在と言いたいところだが、3人は決して「まだまだ」という姿勢を崩すことがない。一度まっさらな状態になり、新しい地図を広げたことで若手さながらのひたむきさに磨きがかかったようにも感じられる。この5年で想像すらできなかった活躍ぶりを見せてくれた3人。果たして次の節目となるタイミングにはどこまで地図を広げているのだろうか。何歳になっても、何年続けていっても、いつだって開拓者。これから3人が積み重ねられていく日々も、これからのアイドルたちが尊敬してやまない新たな伝説となるに違いない。 

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※記事初出時、一部情報に誤りがございました。訂正の上、お詫びいたします。

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