草彅剛と香取慎吾が考える、互いの俳優としての魅力とは? 2人芝居『burst!~危険なふたり~』リモート囲み取材で語る

 草彅剛と香取慎吾による2人芝居『burst!〜危険なふたり〜』(以下、『burst!』)が、10月1日より東京・日本青年館ホールにてスタートする(全30公演)。本作は、2015年に三谷幸喜が作・演出を手掛けたことでも注目を集めた作品だ。新しい地図を広げ、パンデミックによって世界が大きく揺らぐなど怒涛の年月を経て実現した、奇跡の再演。開幕に先駆けて、リモート囲み取材に登場した2人が思いを語ってくれた。

小さいときから一緒に遊んできた歴史が詰まってる作品

『burst!〜危険なふたり〜』草彅剛、香取慎吾、三谷幸喜

 実は4〜5年前から、じわじわと再演の話があったのだという本作。香取は「つよぽん(草彅)は本当にずっとやりたいって言い続けてたんです。でもそれだけじゃ動かないと思っていて。そしたらコロナ禍もあって、三谷さんが“これほどソーシャルディスタンスな作品はないんじゃないか”って」と再演のきっかけを説明した。

 『burst!』は、2人芝居ではあるものの顔を合わせないという一風変わった作品だ。「稽古して一緒にいるし、セリフも交わしてるけど、顔を合わせない。稽古が終わって家に帰って、セリフを思い起こすときもつよぽんの顔は見えてなくて、声だけが聞こえる……みたいな」と続ける。

 草彅も「本当に特殊な舞台。三谷さんがいつそういうことを考えたのかなって」と感心しながら「慎吾ちゃんとだからできるというか、2人だからできる設定。2人ならではの作品だなと思って」と印象を語った。

 さらに「だいたい自分が出た作品の台本って、“ありがとう”って気持ちを込めて処分するんですけど、7年前の『burst!』の台本だけは取っておいたんです。なんか捨てられなくて。だから再演になったんだと思うの。謎のジンクスができた!」と嬉しそうに笑う。

 「(香取とは)小さいときから一緒にいて、2人でカメラが回っていないところでも、妄想を働かせてコントちっくなことをやって遊んでたので。そういう2人の歴史みたいなものが詰まってる作品。特別な舞台なので、これはもう初日から大変なことになりますよ! 再々演もあるんじゃないかって!」と盛り上がる草彅に、香取が「早いよ!」とツッコミを入れるなど、2人芝居さながらの“しんつよ”らしい小気味良いやり取りが繰り広げられた。

音声以外のデータはなし、記憶を頼りに稽古を開始

草彅剛

 9月7日より舞台稽古をスタートしたという2人。香取は「びっくりしたんですけど、当時の映像とか何も残っていなくて。唯一あったのが、音声さんが記録で録ってた音だけ。それでも動きとかはわからないので、三谷さんも含めてみんなでやってみて、思い出せたことに拍手しながらやってるんです」と驚きの稽古状況を明かす。

 とはいえ、舞台経験豊富な草彅曰く「めちゃくちゃ順調!」だという。なんでも台本を1日20ページずつ稽古が進むハイペースっぷりで、香取が「僕はゆっくりやるほうなので、ついていけてないです」とこぼす場面も。一方、草彅は「ワクワクが止まらない!」「とてもいい舞台になると思います、空気感が良いから」「見ないと損する!」と熱弁。そんな温度差がまた面白い。

 早めに稽古場に来て入念にストレッチをする草彅と、全くしない香取。「アドリブが苦手」と言いながら「やっちゃえばいいんだよ」と思いきりのいい草彅と、アドリブ的な雰囲気を出すのは得意なのに実はよく考えている香取……そんな2人の個性の違いを楽しんでいるのは、三谷も同じようだ。草彅があまりに楽しそうに舞台稽古に取り組むのを見て、三谷が香取に「いかがですか?」とたずねたが、香取は「僕は楽しくないです、仕事です!」とクールに答えたというエピソードも明かされ、笑いを誘った。

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