『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』オープニングアクトで注目 Drive Boyが目指す、“気持ちよさ”を追求した音楽体験
2017年6月の結成以来、自主的に海外ツアーを行なったり、オーディションやコンテストで注目を集めるなど、独自のやり方で着実に認知度を高めてきたDrive Boy。これまでもさまざまなフェスやイベントへの出演チャンスを手にしながらもコロナ禍によってなかなかステージに立つところまでは至っていなかったが、今年の夏には日本最大級の音楽フェス『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』への出演も果たし、いよいよここからが勝負のフェーズだ。
バンド名の由来でもあるUnderworldのDNAを感じさせるダンスチューンからゆったりとしたグルーヴが気持ちいいオーガニックなサーフミュージックにネオソウルなど、コンスタントにリリースされる楽曲の振れ幅は大きいが、その根底にあるのは「いかに気持ちいいか」という基準。ジャンルやカテゴリにとらわれることなく音楽とライブの快感を追求するその先にどんな未来が待っているのか、今からとても楽しみだ。
今回はデジタルシングル「Time Flies」のリリースを機にRyutaro Otake(Gt&Vo)、Junichi Ishibashi(DJ&Sampler)、Syunpei Ogawa(Ba)の3名にインタビュー。知られざるバンドの実像に迫った。(小川智宏)
『ROCK IN JAPAN FESTIVAL2022』出演の感動
ーーDriver Boyはどういうふうにできたバンドなんですか?
Ryutaro Otake(以下、Otake):2017年の6月に結成したんですけど、元々Ogawaとは高校から一緒で、軽音楽部で出会ったんです。2人とも軽音楽部自体は半年くらいでやめちゃうんですけど、そこから悪い先輩の影響でライブハウスに出るようになって。当時はBlink-182、Fall Out Boy、Yellowcardとか、最初はメロディックパンクのコピーバンドから始めて、途中でOgawaが静岡の大学に行くことになったんですけど、その間も週1ぐらいではスタジオに入っていたんです。お金がないので鈍行で東京と静岡を往復したりして。
Syunpei Ogawa(以下、Ogawa):地獄だったな……。
Otake:そんな感じだったんですけど、ふとしたときに「ちゃんと音楽やろうよ」と俺が言って、その時にできたのがDrive Boyでした。
ーー「ちゃんと音楽やろう」というのは、具体的にはどういうところを目指したいということだったんですか?
Otake:でかいフェスに出たいということと、海外でライブをやりたいということの2つでした。そこに向けて、どうせやるなら一生懸命、音もそれ以外のことも全部考えて、自分らなりにマネジメントしてしっかりやろうよっていう。組んだときからそれは動き出していて、UKツアーをやったり、韓国にライブをしに行ったりしていたんです。でもコロナになって、海外には行けなくなってしまって。でもその間、自分たちとしてももっと楽しいこと、かっこいいこと、みんなが盛り上がれることができるんじゃないかっていうことで曲を作りつつ、メンバーにVJを入れてみたりして今の形になりました。
ーー『SUPERSONIC 2020』のオーディションで選ばれながらコロナで中止になってしまったり、いろいろと残念なこともありましたよね。でも今年の夏にはオーディション『ROAD TO ROCK IN JAPAN FES. CHIBA 2022』を勝ち抜いて、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL2022』にオープニングアクトとして出演しました。実際にフェスのステージに立って、どんなことを感じましたか?Otake:ひたすら気持ち良かったですね。
Ogawa:単純にすごかった。
Otake:映像を見たらやっぱりガチガチなんですけど、もうその時間のステージには俺らしかいないわけで、開き直ってやるしかないなっていうか。ただ、単純に楽しんで終わるっていうよりは「どう見られるんだろう」「どんなふうに感じてくれるんだろう」とか、そういうことは考えてやっていました。
Ogawa:オープニングアクトという大事なところを任せてもらったので、やってやるぞって。その気持ちが多少でも伝わってくれたらよかったかなと思います。
Junichi Ishibashi(以下、Ishibashi):僕はコロナになってからバンドに入ったので、2人とはちょっと見方が違って。僕はずっと外から「運ないな、こいつら」と思っていたんですよ。
Otake:彼はもともとファンだったんです。
Ishibashi:そう。まだアルバムを出す前にネットで音源を聴いて、めっちゃカッコいいじゃんと思って、茨城で自分がやっているDJイベントに呼んだのが出会いだったんです。でもその日のライブは、自分がベロベロに酔っちゃって観れなかったんですよ(笑)。自分で呼んだのにまったく記憶がなくて。で、「記憶を取り戻したいから、もう1回ライブに行くね」と言って、そこから仲良くなったんです。そういう流れがあったから、『ロッキン』のときも「ライブをちゃんとやるぞ」という意識もありつつ、スピーカーから音が出たときに「やっぱりいいっしょ?」みたいな、息子のライブを観るみたいな気持ちでした。
Otake:泣いた話、したら?
ーー泣いたの?
Ishibashi:少し省いたんですけど、サウンドチェックで声が出た時点でもう泣けてきましたね(笑)。
Ogawa:ずっとお客さん目線なんですよ。
Ishibashi:めちゃくちゃ嬉しかったですね、その目線でも。