『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』オープニングアクトで注目　Drive Boyが目指す、“気持ちよさ”を追求した音楽体験

「人生がガラッと変わったメンバーもいる」

ーーなるほど。それがDrive Boyのオリジナリティにつながっているのかもしれないですね。「Time Flies」も、80年代のディスコやファンクのエッセンスは入っているんだけど、そのモノマネにはなっていない。絶妙な調整やデザインがされている感じがする。

Otake：そうですね。この曲のギターのカッティングのパターン、歌のキーとか、全部試した上でこれにしたので。自分はどっちかというとひらめき型かなと思っていたんですけど、そのひらめきって抽象的なものでしかないので。それを1つずつ突き詰めていかないと良いものはできないよな、みたいな感覚です。ずっと磨き続けるみたいな。

ーーOgawaさんは今回の制作はどうでしたか？

Ogawa：僕はなんとなく大枠ができている中で「ベースどうしようかな」と考えて。何パターンか弾いてみて、「じゃあこれでいこう」と終えたんですけど、曲が上がってみたらそれじゃなかった（笑）。まあ、最終的に決めるのはOtakeなので。「何かない？」って言われたらいくつか出してみて、最終的にはこうなったんだって最後に知るんです。

Otake：細かく穴を埋めていく中で、結局その都度取捨選択をしなきゃいけないんで。そこは感覚で選んでるかもしれないです。

ーーIshibashiさんはどうですか？

Ishibashi：僕は基本的にファンから入っているので、今回のレコーディングも「できたから聴く？」みたいに言われて、「行く行く！」って（笑）。やることないのにレコーディングについていって、最初に聴いたときは若干のっぺりしているかなと思ったんですよ。

Otake：ああ、ラフミックスの状態で聴いたからね。

Ishibashi：そうそう。でもできあがったものを聴いたら、そう思ったところを的確に潰していて。むしろ広がって立体感がある仕上がりになっていたので、「さすがですな、ライブできるように頑張ります」みたいな。僕はライブ部隊に近いので、もうあとは再現できるように頑張るっていう方向にシフトしていますね。

ーーこの曲の歌詞はどういうふうに書いていったんですか？

Otake：歌詞の着想源はいろいろあって、映画監督の名前、映画のタイトル、自分が影響を受けた人物とか、何かをもじったようなのが多いんですけど、「Time Flies」はそういう引用はなしで考えました。単純に「時間が過ぎたね、でも俺たちここまで来たね」って、今の自分が思ったことを書いたというか。でも、ただ思いをぶちまけるだけではなくて、歌詞も楽器の1つまではいかないですけど音の1つではあるので、韻を踏んでみたり、語感が良いものを探しながら作詞していきました。

ーー確かに、今までの曲の歌詞とはちょっと感触が違いますよね。すごく自分のこと、バンドのことを歌ってるっていうか。〈Time flies so fast／We’ve come so far〉、つまり「時間はすごく早く過ぎる、いつの間にかこんなに遠くまで来た」って書いていますけど、そういう感覚があるんですか？

Otake：そう……これを作ったのは『ロッキン』にもエントリーしていない時期だったんですけど、なんかふと振り返ったときに、いろいろなことを見てきたなと思って。バンドが別に売れた売れないじゃなくて、いろんなーー。

Ishibashi：あまり他がやらないことやってきた。

Otake：うん、やらないことやってきたし、お金にはならないけど、これだけやれてるっていう自信は大事にしないといけないなっていう。そういう感覚はちょっとあったかもしれないですね。とりあえず一つマーカーを置くわけじゃないですけど、そういうものとして曲を作ろうかなみたいな感じでした。

ーー歌詞はメンバーのみなさんもちゃんと読み込むんですか？

Ogawa：僕は読んでますけどね。一度和訳してから読みますけど、別に何も言わないです。恥ずかしいから。

Otake：そうだよね。でもIshibashiからは急に「『MEME』の歌詞めっちゃええやん」みたいにLINEが来るんですよ（笑）。既読スルーなんですけど。

Ogawa：でも、今の話を聞いていてもめっちゃ新鮮ですね。やっぱりメンバー間では深く話さないし、聞いたこともないので。

Otake：あとは極論、聴き手、読み手に解釈は委ねているところもあるので。「You」という言葉が出てきても、その「You」は恋人でもいいし家族でもいい、もちろん自分自身でも。そのへんは自由に解釈してもらいたいなって思います。

Ogawa：でも「Time Flies」は少し丸くなった感じもした。人生がガラッと変わったメンバーもいるので、いろいろ思うことはあるよなって。

Otake：丸くなった？　これで？

Ogawa：丸くなったというか。嫌な尖り方じゃなくて、ちゃんといい尖り方になってきているんじゃないかな。

■リリース情報
Drive Boy
2022年9月21日（水）
New Digital Single
「Time Flies」
Music Link: https://big-up.style/8Os6Qy2oRb

【Artist Information】
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