SOMETIME’S、長く深い関係のOmoinotakeと立った渋谷クアトロのステージ ツーマンライブシリーズ『League』締めくくる

SOMETIME'S、2マンシリーズ『League』締めくくる

 SOMETIME’Sのツーマンライブシリーズ『SOMETIME’S Presents 2022 2man Live Series “League”』が8月19日の渋谷CLUB QUATTRO公演でファイナルを迎えた。

 4月のYAJICO GIRL、6月のNakamuraEmiに続き、8月のゲストはOmoinotake。同じ事務所の仲間、かつ数年前まではよく対バンをしていたという旧知の仲のバンドが『League』最終日に満を持して登場だ。Omoinotakeの冨田洋之進(Dr)とサポートのぬましょう(Per)はSOMETIME’Sのサポートメンバーも務めているため、両方のステージに出演。事前のインタビューでSOMETIME’SのSOTA(Vo)が「3本の中で一番戦いに近いライブになるかもしれない」と話していたが(※1)、蓋を開けてみれば、幸福感に満ちたライブとなったこの日。特別なツーマンでありながらも両組ともリラックスし、今の自分たちが等身大で出せるものを出すようなライブをしていたところに、互いに素を見せ合えるようなSOMETIME'SとOmoinotakeの信頼関係が表れていたように思う。

 藤井怜央(Vo/Key)、福島智朗(Ba)、冨田(Dr)、サポートのぬましょう(Per)、柳橋玲奈(Sax)が登場し、まずはOmoinotakeのライブから。1曲目「プリクエル」の歌詞の一部を“渋谷”に替えて特別感を演出すると、軽快な「Freaky Night」を続け、多彩なリズムパターンや転調とともに盛り上がる「産声」で手拍子を起こす。

 その「産声」はSOTAがよくモノマネする曲らしいが、確かに歌ってみたくなるほどメロディが気持ちよく、また、それ以上に藤井のボーカルが気持ちいい。ハイトーンの豊かな発声はもちろん、メロディの持つ曲線美を活かしたフレージングも見事だ。そういった歌心のあるボーカルに、ラテンやジャズの血を感じさせるリズム隊のグルーヴ、さらにメロディが入り組んで波を呼ぶクラシック的な構築が掛け合って生まれる、クールに燃えるアンサンブル。例えば、イントロのピアノ3連符に始まり、4拍子的なリズムと3拍子的なリズムを共存させながら滑らかかつドラマティックに展開する「彼方」はこのバンドの美味しいところが味わえる曲だ。

Omoinotake

 SOMETIME’Sとは“長く深い関係”とのことで、MCでは冨田が「心の師匠です」と語り、福島が「4年前のW杯の時期に対バンし、SOTAと朝まで飲み明かした」というエピソードを明かした。この日彼らは、Omoinotake流レゲトンというべき最新曲「空蝉」や和テイストのメロディに物悲しさが滲む「Blanco」など11曲を披露。「すごく温かい空気が流れてます。これは(SOMETIME’Sの)2人の人柄ですね」(藤井)という発言が飛び出すのも納得のムードを作り上げると、「トニカ」を華やかに鳴らし、SOMETIME'Sにバトンを渡した。

Omoinotake

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