ClariS、約3年ぶりツアーに込めた心からの願い ファンとの絆の強さ確かめた『Twinkle Summer Dreams』東京公演

ClariS、約3年ぶりツアー東京公演レポ

 アンコールを求め、鳴り止まない拍手ののち、ClariSの2人とダンサーがステージに再登場。披露されたのは人気曲「ナイショの話」。キュートなダンスでファンと一体となる。

 ここで初めてのMCコーナーが設けられ、ようやく有観客ライブを開催できた喜びと感謝を告げる。カレンは「会えないことの悔しさだったり寂しさを、(ClariSもファンも)お互いが感じていたと思うんですよ。そんな中でも皆さんが温かい言葉を常に送ってくださっていて、それが私たちの励みになったり、力になって、今日まで頑張ってくることができました」と熱く語った。

 クララは「今回のコンサートはいつも以上に気合が入っていて、本当に会えない期間にためてきた想いを全力で伝えなきゃいけないと思ったので、思いの丈を、そして愛を届けられたんじゃないかなと思っているんですけど、皆さん届きましたか?」と客席に問いかけると、ファンも拍手で応える。コロナ禍に入り、ツアーができなくなって悲しく不安な思いをした中で「当たり前にあった大事なものは当たり前じゃない、一つひとつに感謝をしなくちゃいけない」と、今回のストーリーに込められた想いがあらためて語られた。

 さらに『イナズマロック フェス』への出演、フジテレビCS特番の放送、今冬のコンサート開催と嬉しい告知が続く。至福の時間を惜しみながらもライブはエンディングへ。ペンライトの色をブロックごとに指定して会場を虹色にすると、披露された最後の曲は「PRECIOUS」。〈夢の続きを 一緒に〉と、ClariSとファンの絆の強さをあらためて示すかのように、エモーショナルに歌い上げる。ピンクとグリーンにゆれるペンライトの海の中、2人は何度も「ありがとうございました!」と客席の隅々まで見渡し笑顔を見せ、ステージを後にした。

 コロナ禍で多くの制限がある中、ファンと一体になれるコンサートを作るため、創意工夫をしてきたという2人。ハイレベルなボーカルやダンス、表現力の豊かさは言うまでもないが、パフォーマンスのみならず、幕間のストーリー原案はカレン、衣装原案はクララと、それぞれがクリエイティブな才能を発揮した。

 これまで多くの物語に寄り添いながら、名曲を紡いできたClariS。その神秘性と表現力はそのままに、音楽とステージへのストイックなまでの真摯な姿勢・ファンへのあたたかな想いという素顔を直接見せることで、さらなる魅力を開花させたステージだったと言えるだろう。ClariSの描く物語と、ClariSとファンが紡ぐ物語、そのどちらも眩しく煌めいていた。この物語の続きを見たいと願わずにいられない、幸せな空気に満ちたコンサートであった。

■セットリスト
『ClariS HALL CONCERT 2022 〜Twinkle Summer Dreams〜』
8月11日(木)LINE CUBE SHIBUYA 2公演(13:00~ / 18:00~)
M1. Twinkle Twinkle
M2. アリシア
M3. CLICK
M4. Fight!!
M5. 新世界ビーナス
M6. 瞳の中のローレライ
M7. Mermaid
M8. Summer Delay
M9. オルゴール
M10. アワイ オモイ
M11. ホログラム
M12. Masquerade ※9月14日発売/25thシングル
M13. シニカルサスペンス
M14. アイデンティティ
M15. missing you
M16. ALIVE ※8月3日発売/24thシングル
M17. コネクト
M18. Starry
M19. SHIORI
M20. ケアレス
M21. reunion
<ENCORE>
EN1.ナイショの話
MC
EN2.PRECIOUS

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