ClariS、約3年ぶりツアーに込めた心からの願い ファンとの絆の強さ確かめた『Twinkle Summer Dreams』東京公演

ClariS、約3年ぶりツアー東京公演レポ

 2人組音楽ユニット・ClariSが、約2年10カ月ぶりのコンサートツアー『ClariS HALL CONCERT 2022 ~Twinkle Summer Dreams~』を開催した。本稿では8月11日にLINE CUBE SHIBUYAで行われた東京公演夜の部の模様をレポートする。

 今回のコンサートは、カレンが原案を手掛けたストーリーと連動した構成となっている。天空の世界と地球を舞台に、星座の魂を宿したクララとカレンが海と空を翔ける冒険譚だ。スクリーンに映し出される美しい映像と、物語の案内人である声優・櫻井孝宏の語りによって紡がれていく。

 物語のプロローグが流れると、シャンパンゴールドのシフォンドレスに身を包んだクララとカレンがステージに登場。「Twinkle Twinkle」でコンサートがスタートした。2人のエレガントさとかっこよさが見事にマッチしたポップチューンだ。次の「アリシア」で、「会いに来てくれてありがとう!」と笑顔で歌う姿は、しなやかでありながら力強い。続く「CLICK」では、「ペンライトをブルーにしてください!」「みんなで会場を一つにしましょう!」と呼びかけ、客席もそれに応えて会場が一つとなって青い光に包まれた。レインボーカラーの照明のもと歌われた「Fight!!」は、はじけるようなダンスでファンの心を明るく照らす。スカのリズムが心地良い「新世界ビーナス」では、細かいステップで息の合ったコンビネーションを見せて会場を魅了していく。

 次のパートでは、曲間のストーリーの中でクララとカレンが海に飛び込んだシーンとリンクし、GLAYのTAKUROによる楽曲提供で話題となった「瞳の中のローレライ」、切なくも強さを感じさせる「Mermaid」、ノスタルジックな風景を疾走感あるボーカルで歌い上げる「Summer Delay」と、海や夏をモチーフにした楽曲を続けて披露。ひらひらとしたシルエットときらめくブルーの衣装が、海や人魚を思わせて美しい。「オルゴール」はその曲名の通り、ぜんまいじかけのオルゴール人形のような振り付けでしっとりと歌い上げ、聴く者の心を掴んでゆく。さらに「アワイ オモイ」「ホログラム」では、ファンとこの夏の思い出を共有するように、客席を見つめていた姿が印象的だ。

 続いてTVアニメ『シャドーハウス 2nd Season』のED曲「Masquerade」。MVでも着用していた赤と黒のゴシックドレスと、おなじみの仮面姿で登場。「シニカルサスペンス」と2曲続けて、ダンサーを交えつつ、ClariSらしい麗しさでダークな楽曲を表現した。「アイデンティティ」「missing you」は、仮面を外し、等身大の2人を感じさせるあたたかく優しい雰囲気で披露。お互いや、ファン、周囲の人への気持ちが込められたような2曲に涙を浮かべるファンの姿も見られた。

 物語パートを挟んで、リリースされたばかりのTVアニメ『リコリス・リコイル』OP曲「ALIVE」へ。MVで着用した黒とブルーのワンピース、レザーのグローブにブーツで、楽曲の持つパワーをそのままにタフなパフォーマンスを見せる。さらに名曲「コネクト」が始まると、大きな手拍子が起こり会場の温度が上昇していった。

 曲間のストーリーも佳境を迎え、登場人物たちの優しい願いが叶えられようとするところで、物語の真髄を示すように歌われた「Starry」「SHIORI」と、コンサートもクライマックスへ向かう。盛り上がりが最高潮に達した「ケアレス」。ここまでノンストップでタフなパフォーマンスを見せてきた2人だが、ダンスのキレもそのままに、さらに声量を上げ伸びやかな歌声を天高く響かせてゆく。

 ラストナンバーは「reunion」。「最高な時間になりました!」「今日は本当にありがとうございました!」と感謝を告げる。息ぴったりのダンスと、ユニゾンで2人の絆の強さを示し、〈二人でまた夢を見よう 二人でまた笑い合おう〉と新しいスタートと再会を約束した。ここまで紡がれてきたストーリーも「みんなの幸せに寄り添っていけますように」というClariSの願いとともにエンディングを迎え、本編は終了した。

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