原由子、芳醇なボーカルで肯定する多様な愛 桑田佳祐との抜群のケミストリー発揮した「ヤバいね愛てえ奴は」を聴いて
ドラマの放送がはじまると同時に、「ヤバいね愛てえ奴は」の感想がSNSでも数多く寄せられている。「(『プリズム』は)原由子の『ヤバいね愛てえ奴は』を聴くためのドラマでもある」「原由子さんの『ヤバいね愛てえ奴は』優しい声に癒されます」といったコメントからは、この曲に対する注目度の高さが伝わってくる。
桑田佳祐が全面バックアップした、原由子の約31年ぶりのソロオリジナルアルバム『婦人の肖像(Portrait of a Lady)』は「ヤバいね愛てえ奴は」「スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)」のほか、新曲10曲を収録予定。10年前から温めていた楽曲、新たに制作された楽曲などを交えて昨年の夏から本格的に制作が進められた本作のメインテーマは、新たな“ミュージシャン・原由子像”を作ることだったという。海外のポップミュージックから刺激を受けた実験的なアプローチ、そして、変わり続け、不安が増大し続ける今の時代と向き合い、リアルな思いを反映した歌詞。それらの要素がふんだんに取り入れたニューアルバムは、これまでの彼女のイメージを刷新する作品になるだろう。
「ヤバいね愛てえ奴は」「スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)」の2曲を聴けば、本作に対する期待はさらに膨らむはず。『婦人の肖像(Portrait of a Lady)』はまちがいなく、2022年後半の音楽シーンにおける最重要作品の一つになる。そう思うのは筆者だけではないはずだ。