BLUE BLUE BLUE、2ndシングル「Favor」で見せる新たな表情 緩急に富んだ表現が際立つR&B作品に
今年4月に1st Digital Single「Colorful Days」をリリースした、沖縄出身の女性ダンスボーカルグループ・BLUE BLUE BLUE。彼女たちの2ndデジタルシングル「Favor」が8月3日にリリースされた。
Karin、Mion、Hanaの3人からなるBLUE BLUE BLUEは2021年6月結成という活動歴の短いグループだが、幼少期から今日まで培ってきた高いダンススキルを武器に、ライブ活動に加えYouTube公式チャンネルでのK-POPアーティストのカバーダンス動画、Karinが振り付けを手掛けたダンスコレオグラフィ動画などでその個性を発揮。今年5月に本土復帰50周年を迎えたことで注目が集まる沖縄から、日本はもちろんのことアジアを視野に、グローバルな活躍が期待されている。
彼女たちは今年6月5日に『GROOVE FES OKINAWA in TOKYO ~BLUE BLUE BLUE “Colorful Days” デジタルシングル・リリースパーティー~』を渋谷CYCLONEで開催したほか、7月19日には下北沢SHELTERで『BLUE BLUE BLUE ワンマンライブ “Colorful Days”』も実現。地元・沖縄を拠点にしつつ、東京でも積極的なライブ活動を行なっている。筆者はこのうち6月のリリースパーティーに足を運んだが(※1)、3人のパフォーマンス力や表現力の高さに驚かされただけでなく、未発表の新曲やカバー曲などを交えたセットリストから、このグループの未知なる可能性を大いに感じ取ることができた。この時点では世の中に流通している楽曲は「Colorful Days」のみだが、それだけではない彼女たちの魅力が耳の早いリスナーたちのもとにもっと届いてほしい……そう願わずにはいられなかった。
新曲「Favor」、ボーカルワークにおける表現の幅広さ
そんな中、ついに届けられたBLUE BLUE BLUEの新曲「Favor」は、先のリリースパーティーでも序盤に披露されていた1曲。「K-POPを感じるダンスとサウンド、そこに琉球のエッセンスをプラスした沖縄からアジアへと発信していくグローバルグループ」というグループテーマにもマッチしたデビュー曲「Colorful Days」とは異なる個性が発揮された、落ち着いたトーンで仕上げられたミディアムテンポのモダンなR&Bナンバーだ。「Colorful Days」が等身大の彼女たちを表した“はじまりの一歩”だとしたら、この「Favor」では大人びたクールなサウンドに乗せて“変化”や“進化”が表現されているのではないかと解釈することもできる。
3人の歌声からは初々しさの中に艶やかさも感じられ、ボーカルワークにおける表現の幅広さはライブ以上に変幻自在なのではと思わせてくれる。特にBメロで耳にすることができる、Hanaによる主旋律に1オクターブ上のハモリが加わったパートは、楽曲の持つクールさを強調する結果に。また、ライブではその技量を存分に発揮していたMionのラップが本作にもフィーチャーされており、落ち着いたトーンによるフロウは楽曲の持つ世界観と見事にフィットしている。
そして、Bメロ後半でハイトーンによる盛り上がりに加速がかかるも、サビでは再びAメロのようにクールなメロディラインで進行。J-POPに多く見られるサビで山場を作るという構成とは異なるアレンジも、グローバルなものではないだろうか。サブスク主流のこの時代だからこそ、「Favor」のような楽曲が当たり前のものとして受け入れられることを、心の底から願っている。