沖縄からアジアへ発信 3人組ダンスボーカルグループ BLUE BLUE BLUEが秘めた、新たな伝説を築き上げる可能性

BLUE BLUE BLUEに見出す可能性

 今年5月15日、沖縄県の本土復帰が50周年という大きな節目を迎えた。そのこともあり、この春からスタートしたNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』は沖縄を舞台に、沖縄で生まれ育ったヒロインやその兄妹たちの家族を中心に物語が展開する。同じく沖縄出身の三浦大知が、同番組の主題歌「燦燦」を手がけるなど、何かと沖縄にスポットが当たる機会が増えている。

 三浦大知のように、これまでにも日本の音楽シーンを賑わせてきた沖縄出身アーティストは多数存在する。1970年代にはフィンガー5が一世を風靡し、1990年代には安室奈美恵やSPEEDといった女性アーティストが国民的人気を獲得した。一方で、KiroroやCoccoなども高い支持を得ている。さらに、2000年代以降はORANGE RANGEやHY、MONGOL800などのロックバンドが注目を集めるほか、90年代後半から活躍するDA PUMPが再ブレイクを果たすなど、現在のJ-POPシーンには知らぬうちに沖縄の要素が随所に含まれていることに気付く。また、THE BOOMの代表曲のひとつ「島唄」や、夏川りみがカバーしヒットにつなげた森山良子&BEGINによる「涙そうそう」、森山良子が歌う「さとうきび畑」など、沖縄を題材としたヒット曲も数多く存在する。

 こういった歴史には、沖縄がかつてアメリカの統治下にあったこと、そして日本本土とは異なる独特の文化を形成してきたことが影響し、沖縄から生まれる音楽文化は最新の西洋の音楽と古来からの民族音楽の伝統とが程よくブレンドされた、非常にオリジナリティの強いものへと進化している。その結果、時代ごとにリスナーを魅了するアーティストや楽曲が誕生し続けているのではないかと想像する。

 そんな沖縄から今年、この先新たな伝説を築き上げていく可能性を秘めたアーティストがあらわれた。それが4月27日に1stデジタルシングル「Colorful Days」をリリースしたBLUE BLUE BLUEだ。

 沖縄の空/海/風を表し、万国老若男女の誰しもに一度で覚えてもらいたいとの希望が込められたグループ名を持つBLUE BLUE BLUEは、Karin、Mion、Hanaの3人からなる女性ダンスボーカルグループ。結成は2021年6月とまだ活動は始まったばかりだが、幼少期から培った高いダンススキルを武器に持つその実力には目を見張るものがあり、YouTube公式チャンネルにてコンスタントに公開されているK-POPアーティストのカバーダンス動画や、Karinが自ら振り付けを手掛けたダンスコレオグラフィ動画からも、その高度なスキルは存分に確認できる。

 中でも、BLACKPINKやBTS、2NE1の楽曲でのパフォーマンス映像は大胆でキレの良いダンスと、指先にまで神経の行き届いた表現、息の合ったユニゾンパフォーマンスを堪能することができ、その技量に舌を巻くばかりだ。また、Ado「花火」やちゃんみな「ハレンチ」などのJ-POPナンバーに独自に振り付けを施した動画も非常に見応えがあり、一人ひとりのダンスの癖や特徴も伝わってくる。プロフィールなど含め、まだ詳細な情報が少ないが、これらの動画をじっくり味わうだけでも3人の確立された個性が見えてくるはずだ。

HOW YOU LIKE THAT / BLACKPINK
花火 / Ado 【踊ってみた】 【オリジナル振付】

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