水曜日のカンパネラ、TikTokで話題「エジソン」がバイラル上昇中 中毒性あるサウンドと語感に優れた歌詞が持つ強度

 昨年9月のコムアイ脱退により、二代目主演・歌唱担当として詩羽が加入した水曜日のカンパネラ。新体制後の第2弾配信限定シングルとして『招き猫 / エジソン』をリリースし、今年5月には「エジソン」も収録されたEP『ネオン』を発売した。引き続き、作詞作曲編曲をケンモチヒデフミが担当するだけあって、サウンドのクセになる中毒性とシュールでありながら語感に優れた歌詞が生み出す不思議と心地の良い違和感は、本作でも健在である。〈パソコン開いたならDTM / ソフトは Ableton Live / だけど今作りたいのは蓄音機〉〈インスタ映え狙った投稿 / webニュースで情報収集 / 間違いなくこれからの時代来るのは活動写真〉のようなシュールなラインや〈踊るエジソン / 自尊心 / 歌うエジソン / ジソン心〉と繰り返される、言葉を音単位に因数分解したようなアプローチなど、歌詞の個性的な世界観を4つ打ちのビートとグルーヴィなベースラインによってダンサブルに仕上げたトラックで受け止めるバランス感覚が絶妙だ。

水曜日のカンパネラ『エジソン』

 一聴しただけで耳に飛び込んでくる印象的な歌詞と、身体が自然と動き出すようなビートが特徴的な同曲。限られた時間で心を掴み、自身もその音楽に乗せて何かを発信したくなることがバズの条件となるTikTokの親和性は非常に高いように思える。そんななか、TikTokをきっかけにフル尺の音源を聴きたいというリスナーが増えたからこそSpotifyのチャートにもランクインしていると考えると、一過性のバズにとどまらない楽曲トータルとしての強度やクオリティが水曜日のカンパネラ「エジソン」にはあるはずだ。

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