モーニング娘。'22 森戸知沙希、日本武道館で飾った7年半の集大成 「どんなときもファンの皆さんは私の味方でした」

モー娘。'22 森戸知沙希、卒コンレポ

 本編終盤のMCでは、メンバー1人ずつがこの日の感想と森戸へのメッセージを述べていく。山﨑は「森戸さんがご卒業されても、野菜はしっかり食べるので!」と満面の笑みで宣言し、岡村は初めこそほがらかに話し始めたものの次第に感情が込み上げ、涙で声を詰まらせてしまう。北川は「『邪魔しないで Here We Go!』で目を合わせるとき、『これが最後になっちゃうんだ』と思うと悲しくなっちゃって、ちょっと泣きました」と明かした。

 横山はこれまでに森戸と撮ってきたという無数の写真について触れ、「毎日1枚“よこちぃ”を送りつけるので、寂しくなったらそれを見て……」と言いかけるも、森戸から「見たくなったら、べつに自分のフォルダ見るし……」とあえなく拒否されてしまう。それでもめげない横山は「さかのぼるの大変だと思うんで、毎日送りつけます!」とにこやかに言い放った。加賀は「森戸さんはこれまで卒業された方の中でダントツに“卒業する感”がなかった。『ホントに卒業するのかな?』とさっきまで思ってた」と喪失感を主張し、羽賀は「留学先で人見知りを発揮してしまわないか、私はとても心配です」と温かな眼差しを向けた。

 続く牧野は、マンガ『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空が強敵・セルを倒した際の名ゼリフ「バイバイ、みんな」を引用する小芝居を唐突に開始。さらにセル役もこなす芸達者ぶりを遺憾なく発揮すると、「ここまでよくやったな、ちぃちゃん」と元ネタをアレンジしたセリフで決めてみせた。あまりにも予想外の展開に、森戸をはじめ残り12人のメンバーはその場にへたり込んで笑い転げてしまう。森戸からは「別の意味で泣いた」と最大級の賛辞が送られた。

 次の野中は、軌道修正すべく「仲良くしてくれて、そばにいてくれてありがとう。モーニング娘。に入ってくれてありがとう」と感動的な言葉を涙ながらに告げると、小田は今ツアーの広島公演で飛び出した森戸の珍MCに触れて笑いを誘い、石田は「加入当初のちぃは私に対して『申し訳ない思いがある』と言っていた。私もちぃに対してそう思わせてしまったことが申し訳ない。でも、その気持ちは今日でおさらばです!」と明るく口にした。

 生田からは新幹線移動の際に大阪までの2時間半を一睡もせずに森戸と語り明かしたというエピソードが語られ、最後に譜久村が「私にとってちぃは、かわいいし、カッコいいし、尊敬するし、特別だし……いろんな感情にさせてくれた子です。私たち、そしてモーニング娘。と出会ってくれてありがとう!」と頭を下げ、トークを締めくくった。そして本編ラストには最新シングル曲「大・人生 Never Been Better!」がさわやかに歌唱され、ステージは一旦幕を下ろした。

 白一色のペンライトで埋め尽くされた客席からのアンコールに応えてステージに姿を現したのは、アシンメトリーな純白のドレスに身を包み、頭上にティアラを戴いた森戸だった。センターステージにぽつりと置かれたマイクスタンドに歩み寄ると、したためてきた手紙を読み上げるセレモニーへと突入する。

 手紙では、まずメンバー13人が1人も欠けることなく今日のステージに立てた喜びが「それが当たり前じゃないと経験したからこそ、本当にうれしいです」と語られる。続いてモーニング娘。への加入当時を振り返り、「たくさんの楽曲を覚えることについていけなくて、メンバーの皆さんにはたくさん迷惑をかけてしまいました。『すみません』と謝る私に『そんなことないよ』と言ってくれたり、『モーニング娘。に入ってくれてありがとう』と言ってくれる人がいたり……。こんな私を受け入れてくれたメンバーみんなに感謝しています。私もモーニング娘。が大好きです!」と気持ちをあふれさせた。

 さらにファンへ向けても「どんなときもファンの皆さんは私の味方でしたね。支えてくれて本当にありがとうございます」と謝意を伝え、「カントリー・ガールズとして過ごした時間も、モーニング娘。として過ごした時間も、愛おしくて忘れられない私の宝物です。まだまだ未完成な私ですが、明日からは新しい道に進みます。約7年半、夢のような素敵な時間を本当に本当にありがとうございました!」と結んだ。

 そして「私が大好きなこちらの曲を聴いてください!」と森戸が最後のソロ歌唱曲に選んだのは、2007年にリリースされたモーニング娘。の35thシングル表題曲「みかん」。このハッピーなムードのアッパーチューンで、森戸は涙で声を詰まらせながら歌を絞り出していく。楽曲終盤では12人も合流し、間髪入れずにハードなダンスナンバー「わがまま 気のまま 愛のジョーク」、清涼感あふれるミディアムチューン「ENDLESS SKY」をパフォーマンス。涙よりも笑顔と希望に満ちたムードのまま、公演は幕を閉じた。

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