楠木ともり、鈴木みのり、東山奈央……梅雨時にこそ聴いてほしい女性声優の歌声
歌手活動5周年イヤーを迎えている東山奈央は、ダブルタイアップシングル『あの日のことば / Growing』を6月8日にリリース。
『本好きの下剋上』(読売テレビほか)の第3期オープニングテーマ「あの日のことば」は東山の澄んだ声が生かされた、まっすぐな明るさのある楽曲。可愛らしいシンセの音使いがポップな「Growing」も同様に、梅雨時の翳った気持ちも晴れやかにする清々しさを感じさせてくれる。〈一人で抱え込み過ぎないで たまには背中を預けてみよう〉と明るく歌う様子は包容力があり、「歌手業に限らず声優業も含めて、エンタメは『心の福祉』なんだと感じる場面が多くて」と語っていた思いを歌詞でも歌声でも体現している(※4)。一方で曲後半は〈振り返る暇も無かった それでもいいと思えた軌跡だ〉など、彼女自身にもリンクするような歌詞に。歌手活動5周年イヤーとして道のりを振り返る、メモリアルなリリックだ。
『勇者、辞めます』の後半エンディング曲「de messiah」は別人の楽曲かと耳を疑ってしまうようなクールなナンバー。幼少期から英語に親しんできたことを生かした全編英語詞で、慟哭を思わせる、悲しさややるせなさの漂う楽曲だ。同アニメの前半でエンディングとして流れる「Growing」と対照的であることで、急展開するアニメの内容や、同一人物の表の顔、裏の顔の違いを見事に描き出す。ポジティブで優しさのある楽曲が彼女の強みだと再確認できる2曲に次いで、その考えを覆すような「de messiah」で彼女の新境地を描き出した。
(※1,2)https://natalie.mu/music/pp/kusunokitomori02
(※3)https://okmusic.jp/news/474911
(※4)https://ddnavi.com/interview/998536/a/