木梨憲武が語る、“最終章”の先に見据える未来 指原莉乃&秋元康との制作秘話やとんねるずの今後も

木梨憲武、最終章の先に見据える未来

(とんねるずとしての活動は)今のところ何もないけど、いつでもいい

ーーちなみに、とんねるずとしての、今後の予定っていうのは……。

木梨:いやいや、今のところ何もないけど、いつでもいいんですよ。タイミング次第というか。別に60だろうが65だろうが70だろうが、そういうときが自然にきたら、いつでもGOなわけで。秋元さんも「タイミングさえ言ってくれたら、いつでも大丈夫だよ」と言ってくれているし(笑)。

ーーなるほど。ここでちょっと、アルバムのほうの話に戻しますと、最初に言っていたように、今回収録された楽曲は、すべてがコロナ禍の時期に作られたものであって……。

木梨:それも含めて「日記」みたいな感じがしているんですよね。この2年半ぐらい、ずっとそういう時間の使い方をしているから。スタジオで何か作業しているか、あるいはアトリエで絵を描いているか、そのどっちかなので。それをベースにしつつ、毎週ラジオだけは生でやっているから、その経過報告だけはやっていて。だからホント、一週間が早いんですよ(笑)。

ーー逆に、そういう時期だったからこそあえて精力的に動いたみたいなところもあったんですか?

木梨:うーん、どうだろう。俺自身はそんなつもりはなかったけど、コロナ禍の最初の頃はミュージシャンたちも、全部止まっちゃったじゃないですか。だから、いろいろ頼みやすいっていうのは、あったかもしれない(笑)。

ーーなるほど(笑)。

木梨:まあ、以前のように一緒に飲みに行ったりするのは、なかなか難しかったりするけど、俺は普通にマスクして、どこへでもズンズン行っちゃうから(笑)。うちのバンドのミュージシャンも、呼んだらすぐにスタジオにきてくれるし。「鼻歌でいい曲が思い浮かんだんだけど、コードだけ拾ってくれない?」って呼び出して、ついに自分の曲ができるかもしれないって思うんだけど、待っているあいだに、どんな曲だったか忘れちゃったりして(笑)。

ーー(笑)。

木梨:で、忘れちゃったからいいや、とりあえず飯食おうとか言ってワイワイやりながら、そのスタジオから1分のところに所さんの家があったりするから、「所さん、今、大丈夫?」、「じゃあ、行くわ」って押し掛けたり。逆に、所さんが自分の曲を仕上げるために、うちのスタジオにきてくれたり。

ーーもう本当に自由というか、いついつまでこの曲を仕上げなきゃいけないとか、そういうものは関係なく、作業をし続けていたんですね。

木梨:うん、全然関係ない(笑)。そういう大人の事情はあとからやってきて、「いいねえ」って言ってくれたり、「すいません」ってあやまったり、まあ、いろんなことがあったりするんだけど(笑)。そういうことが今もまだ、エンドレスで続いていっている感じなんですよね。

時間の許す限りは、何でもやっていくし、どこへでも行きたい

ーー還暦を迎えても、何も変わることなく……。

木梨:何ひとつ変わらないです(笑)。60になってから……むしろ逆に今、戻っていっていますから。体力的にはお爺ちゃんに向かっているんだろうけど、動きとしては今、小学三年生に向かっていて。

ーーどういうことでしょう(笑)。

木梨:小学三年生が、いちばん楽しいらしいんですよ。今、仕事で子どもたちの絵をいっぱい見ているんだけど、小学校も高学年ぐらいになると、みんな上手いんですよね。でも、いちばんパワーがあるのは、小学三年生ぐらいだっていう。それぐらいの子どもたちの絵が、いちばん威力があるんです。だから、なんとか今、自分も小学三年生まで戻っていこうとしているんですけど(笑)。

ーー面白いですね。実はそれぐらいの時期が、子どもが無邪気に子どもでいられるピークだったというか……。

木梨:そうなんですよ。そのぐらいの子どもたちは、ホント心から楽しそうだから。なので今、自分もなんとかそこに戻っていきたいと思っていて……それは絵だけではなく、音楽も一緒で。大人の小細工みたいなものは、もういらないというか、いい曲をもらったら、それを純粋に楽しみたいっていう。歌が上手いとか下手とか、そういうところとはまったく関係ないところで、音楽を楽しみたいなって思っているんですよね。

ーーアートと言えば、アルバム発売日の3日後の6月4日から、これまで全国を回ってきた『木梨憲武展 Timing -瞬間の光り-』が、いよいよ東京・上野の森美術館で開催されます。

木梨:そうそう。アルバムと同じタイミングでくるから。だからホントは、美術館の横でフェスをやりたいぐらいなんだけど(笑)。音楽のほうも、いよいよアルバムが発売されることになりましたって、美術館の横で何曲か歌ったり……で、こっちでは展覧会をやって、その横で自転車を売って。本業は自転車屋ですから(笑)。

ーー上野の森で(笑)。

木梨:この間、オーケストラと一緒にやらせてもらったのも上野だったし、もう上野にずっといたいぐらいなんだけど(笑)。でもまあ今、すべてがうまく、いい感じの流れになっているというか、音楽とアートが同じタイミングで祭りになりましたよね。

ーーと言っても、ここでひと区切りというわけではなく、これを契機に、ますます精力的に活動していく感じですか?

木梨:そうですね。まだまだやったことないことが、いっぱいあるんでね。あと、今回一緒にやってくれた人たちも……氣志團の翔やん(綾小路翔)の対バンライブに声を掛けてもらって、ふたりで一緒に歌ったりして。翔やんだけじゃなくて、宇崎さんにも、「今度、宇崎さんのほうのステージで何かあったら、いつでもいきます!」って言っていたりとかするので。

ーー今回のアルバムに参加したり、先日の国技館ライブに出演してくれた人たちから何か話がきたら、断れないですよね(笑)。

木梨:もちろん。そこは、もう全力でいきますから。それで断ったら、あいつ何なんだっていう話じゃないですか(笑)。今回のアルバムに名前が並んでいる方のためだったら、ほぼほぼ全部動きますから。

ーーそういう意味でも、どうやら休んでいる暇はなさそうですね。

木梨:まあ、休んで何しようと言っても、結局スタジオに行って音楽を作るか、アトリエに行って絵を描くしかないというか……これはもう、趣味みたいなものですから(笑)。なので引き続き、時間の許す限りは、何でもやっていくし、どこへでも行きたいなって思っています。

■リリース情報
『木梨ミュージック コネクション最終章 ~御年60周年記念盤~』
発売中

【初回限定盤(CD+DVD)】
¥5,280(税込)

<CD収録曲>
M1サンシャイン ラブ ~差し替え ザッキー~
M2命綱 feat. マツコデラックス, ミッツ・マングローブ & ピンドン・ノリ子
M3スキャンダルナイト feat. 指原莉乃
M4まにまに
M5最高な毎日にするために自分からグイッと動き言葉に気をつけ相手の顔色見て全て面白がり答えは追い追いやってくるにちがいない。・・・つまり、しかけ早めに動いていこう! feat. 遠藤章造, 狩野英孝, 堀内健 & 60才なのに40ぐらいの気持ちNORIー!!
M6友よ feat. 藤井尚之, ヒロミ & 堀内健
M7私は神様を知っている feat. 所ジョージ
M8不機嫌なモナリザ
M9生きてるうちが花なんだぜ feat. 宇崎竜童 & 佐藤浩市
M10サクセス
M11いま子供達に問う feat. ねお
M12 One Night Carnival
M13 WON'T BE LONG
M14最高な毎日にするために自分からアタックして言葉に気をつけムードよく進めるようしかけは早め全て面白がり答えは追い追いやってくるくるくーるZ!!・・・つまり、答え探しの毎日を! feat. ももいろクローバーZ & のりクロ
M15ジグソーパズル feat. 中井さんと木梨くん。
M16ホネまでヨロシク feat. DOBERMAN (2022 ver.)

<DVD収録内容>※初回限定盤のみ
Music Videoと制作現場に密着した「GYAO! 木梨の貝。」特別編集版を収録。

【Music Video】
*サンシャイン ラブ ~差し替え ザッキー~
*最高な毎日にするために自分からアタックして言葉に気をつけムードよく進めるようしかけは早め全て面白がり答えは追い追いやってくるくるくーるZ!!・・・つまり、答え探しの毎日を! feat. ももいろクローバーZ & のりクロ
*不機嫌なモナリザ
*私は神様を知っている feat. 所ジョージ
*最高な毎日にするために自分からグイッと動き言葉に気をつけ相手の顔色見て全て面白がり答えは追い追いやってくるにちがいない。・・・つまり、しかけ早めに動いていこう! feat. 遠藤章造, 狩野英孝, 堀内健 & 60才なのに40ぐらいの気持ちNORIー!!
*不機嫌なモナリザ (日の出ver.)

【思い出映像 ギャオスがらみ!】

【通常盤(CDのみ)】¥3,630(税込)

■個展情報
『木梨憲武展 Timing -瞬間の光り-』
会 期:2022年6月4日(土)~6月26日(日)
9:30~17:30/金土日は19:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:会期中無休
会 場:上野の森美術館
東京都台東区上野公園1-2
主 催 :産経新聞社、フジテレビジョン、イムラアートギャラリー、上野の森美術館

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