木梨憲武、音楽の“何でも屋”が現代に繋ぐ昭和歌謡の魅力 ミッツ&マツコ、中井貴一らとのコラボを語る

木梨憲武、現代に繋ぐ昭和歌謡の魅力

 とんねるずメンバーであり、アートや役者業など多彩な分野で活躍する木梨憲武の音楽活動が面白い。木梨の幅広い交友関係から生まれた『木梨ミュージック コネクション』シリーズも今回で3作目。マツコ・デラックス&ミッツ・マングローブのコンビや中井貴一、ももいろクローバーZ、さらに堀内健や遠藤章造、狩野英孝といった後輩芸人に至るまで、前作から引き続き予想を超えてくる豪華なメンツが揃っている。

 とんねるずで80年代に音楽デビューしてから、野猿や矢島美容室など、時代と共に様々な音楽活動を展開してきた木梨憲武。そんな木梨にとって、ソロでの音楽活動はどんな意味を持つのだろうか。木梨の人柄があるからこそ成立する『木梨ミュージック コネクション』の制作エピソードと共に、宇崎竜童×阿木燿子のゴールデンコンビの魅力、活動における音楽の役割について話を聞いた。(編集部)

ミッツとマツコと俺の3人で歌っている絵が浮かんできた

木梨憲武 「答え探しの毎日を! feat. ももいろクローバーZ & のりクロ」 Music Video

ーー『木梨ミュージック コネクション』シリーズも、今回で第3弾となりました。木梨さんのラジオ(『土曜朝6時 木梨の会。』/TBSラジオ)や動画配信(『木梨の貝。』/GYAO!)をチェックしている方々は、その制作過程や進捗について、逐一把握しているように思いますが、改めて今回収録された5曲が生まれた経緯について、お話いただけますか?

木梨憲武(以下、木梨):まあ、「3」とかついていますけど、やっていることは、ここ最近ずっと変わっていなくて。毎日の生活の流れの中で、「次はどんな曲を歌おうかな?」っていうのを、ずっと考えているという。音楽的には「何でも屋」なので、そのへんの縛りもなく。で、あるとき、たまたまミッツ(・マングローブ)と話していたら、ミッツとマツコ(・デラックス)は、その昔、2人で全国のライブハウスやお店を回っていたことがあったらしくて……その頃の話が、めちゃめちゃ面白かったんだよね。で、「今度やるときは、そこに私も混ぜてよ!」って言って(笑)。

ーー今回のジャケット写真にもなっている「ノリ子ママ」の発言でしょうか?

木梨:そうそう(笑)。「いつか、この3人で、私たちのショータイムをやりたいわ!」っていう。というか、その話は、もう何年も前からしていたんだけど、そうしたらそこに、ちょうど宇崎(竜童)さんの「命綱」っていう曲があって……その曲を聴いたときに、俺の中ではもう、ミッツとマツコと俺の3人で歌っている絵が浮かんできたんですよね。で、その曲をミッツとマツコに聴かせたら、2人ともすごい盛り上がってくれて。

ーーその宇崎さんの曲というのは、どこから出てきたのでしょう?

木梨:あ、それはね、宇崎さんとは、ここ最近仲良くさせていただいて、以前から曲を何曲か頼んでいて……というか、去年出した『木梨ミュージック コネクション2』に、「不機嫌なモナリザ」(作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童)と「生きてるうちが花なんだぜ feat. 宇崎竜童 & 佐藤浩市」(作詞作曲:宇崎竜童)という2曲は、ちゃんと形にして収録させてもらったんだけど、その流れで他にも何曲かいただいていたんですよね。で、「さあ、この曲は、どういうふうに仕上げようかな?」って思っていた一曲だったんです。

ーーなるほど。この曲は、誰とどんなふうに歌おうかと。

木梨:まあ、宇崎さん的には、誰と歌おうとかじゃなくて、俺がひとりで歌うことを想定して書いてくれたんだと思うけど、もうこっちで勝手に、ミッツとマツコとノリ子っていう座組を組んじゃって。だから、宇崎さんには、完全に事後報告だったんだけど(笑)。

ーーそれが最終的に、今回のEPの2曲目に収録されている「命綱feat. マツコ・デラックス、ミッツ・マングローブ & ピンドン・ノリ子」(作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童)になったと。

木梨:そういうことです。ミッツもマツコも歌謡曲の世代だから、すごくこの曲を気に入ってくれて、もうノリノリでレコーディングして……それどころか、この曲を3人で歌うときの衣装だったり、振り付け、さらにはステージ演出とかまで、ミッツがいろいろ考え始めちゃって。結局まだ、3人並んで歌ったことは、一回も無いんだけど(笑)。

ーー(笑)。この「命綱」という曲が、結構早い段階から形になったと。

木梨:そうですね。まあ実は、その他にも秋元(康)さんにお願いして作ってもらった、さっしー(指原莉乃)と俺がデュエットした「スキャンダルナイト」っていう曲があって、これも一応録っておこうって言って、すでにその音源を自分のラジオで流しちゃっていたり、氣志團の(綾小路)翔やんに頼んだ曲も、すでにデモテープは上がっていて、それもラジオで流しちゃったりしているんだけど(笑)。あと、ナオト(・インティライミ)に発注したアフリカンな曲も、すでにデモが上がってきているのかな?

ーーあちこちに曲を発注しているんですね。

木梨:おかげさまで(笑)。というか、ミュージシャンに会う機会があると、「今だ、声を掛けろ!」「曲をお願いしよう!」って思っちゃうというか、そういうタイミングだって勝手に思っちゃうんだよね。そこでお願いしても、明日、明後日で上がってくる話じゃないから。だったら、早いうちから、先に言っておいたほうがいいじゃないですか。そう、AIと一緒にゴスペルっぽい曲もやりたいなって思って、そのメンバー構成とかもいろいろ考えているんだけど、AIはAIで、ずっと動き続けているので……。

ーーそれこそ、次の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)の主題歌は、AIさんが担当されるとか。

木梨:そうなんだよ。こないだ<ユニバーサル(・ミュージック)>で、たまたま取材部屋がとなりだったから、「おー!」なんて言って、その場でその曲を初めて聴かせてもらって、「うわっ、いいね!」とか言っていたんだけど、資料を見たら「作詞作曲:森山直太朗」ってなっていて……俺も直太朗に曲を頼んでいるんだけど、そっちはどうなっているんだろうっていう(笑)。だから、そのへんの曲たちは、もうちょっと時間が掛かりそうというか、アルバムまでには、何とか形にしたいと思っているんだよね。

ーーいつの間にか今後予定している音源の話になってしまいましたが、ミッツさんとマツコさんと3人で歌った「命綱」が、まず形になったと。

木梨:そう、その曲があって、あとは、中井(貴一)さんと俺が、デュエットした曲ですよね。一応、ゆずを目指して一生懸命ハモったりしたんだけど、世代的なところで、やっぱり狩人の「あずさ2号」みたいな感じになっちゃったっていう(笑)。

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