Little Glee Monster かれん&MAYU&アサヒに聞く、両A面シングルで示すグループのカラー 活動に対する手応えも

リトグリ、活動に対する手応え

 Little Glee Monsterから、アルバム『Journey』に続いて新シングル『magic!/生きなくちゃ』が届けられた。両A面シングルとなる本作表題曲は、長谷川博己と綾瀬はるか出演の映画『はい、泳げません』(6月10日より全国ロードショー)主題歌。アップテンポでリトグリらしい「magic!」と、作詞を御徒町凧、作曲を森山直太朗が手がけたバラード「生きなくちゃ」で、グループのカラーを示したシングルだ。今作の制作や、現在開催中のツアー『Little Glee Monster Live Tour 2022 Journey』に向けた思いなどを、かれん、MAYU、アサヒの3人に話を聞いた。(編集部)【記事最後にプレゼント情報あり】

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ちょっとやそっとじゃ潰れないという逞しさも身に付いた

──前回お話を聞いたとき(※1)、3人でツアーに向かう不安や心細さを口にしていましたが、アルバム『Journey』発売前後から『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)などをはじめ、3人での音楽番組出演も増え、4月28日のツアー初日も無事終えることができました。この数カ月を経験したことで、3人での活動に対する手応えも得られたのではないでしょうか?

MAYU:ツアー初日はもちろんライブに対するワクワクもあったんですけど、本番が始まるギリギリまで「みんなどんなリアクションをしてくれるのかな?」とか今までのライブとはまた違うドキドキも正直ありました。でも、舞台に出ていったときに、皆さんまだ声は出せないけど手拍子やツアーグッズのコーレスバルーンで、そのときに出せる全力のリアクションをぶつけてきてくれて。安心したと同時に、ライブに向けてリハーサルをほぼ毎日3人で頑張ってきたことなどいろいろ重なって、本当に胸がいっぱいになってしまって。いつも以上に緊張したツアー初日ではあったんですけど、特にこの1、2年はたくさん乗り越えてきたものがあったので、ちょっとやそっとじゃ潰れないという逞しさも身に付いて……ツアータイトルの『Journey』のように本当に良い旅のスタートが切れたんじゃないかと思います。

アサヒ: 3人で歌うことで歌割りやコーラスのアレンジも全部一新したので、すべてが新曲みたいで、今までよりもやることが増えたりと、いろんな思いがあった中で初日を迎えたんです。でも、私たちがみんなに届けたものが、思いの込められた鳴り止まない拍手などで倍になって戻ってきたことが本当にありがたくて。私たちの思いがちゃんと伝わっているんだなということもわかったし、みんなが私たちの味方でいてくれて、一緒に楽しみに来てくれたんだなというのも伝わってきて、すごくうれしかったです。

かれん
かれん

かれん:アサヒが言ってくれたとおり、1曲の中での仕事量が以前よりも増えて、休むところもなくなったりして大変ではあるんですけど、初日を終えてファンの皆さんがSNSに感想を書いてくださっているのを読むと、「すごく楽しかった」「行ってよかった」「みんなも絶対に行ったほうがいいよ」とか本当に良いことをたくさん書いてくださっていて。それに、『CDTVライブ!ライブ!』で「Your Name」を披露させていただく機会に恵まれた際にも、ファンの皆さんが「やっと世の中に“踊るリトグリ”を見てもらえた!」みたいな感じで誇らしげにしてくださっていたことがすごくうれしかったです。

──アルバム発売直前のタイミングに、「心に空を」のスタジオライブ映像がYouTubeで公開されました。そこで3人のパフォーマンスを初めて目にした方も多かったでしょうし、バンドの皆さんと一緒にパフォーマンスする様子を観て、ツアーへの期待値もより高まったんじゃないかと思うんです。

Little Glee Monster「心に空を」

かれん:そうですね。アルバムの特典会でも「あの映像がすごく好きで、毎日観てます!」という言葉がすごく多かったですし。ファンの皆さんの存在って本当にありがたいなと、改めてライブをして、そして皆さんの言葉に触れて感じています。

「magic!」で歌うのは、自分らしい生き方や自分を肯定してあげること

──そして、アルバムから間髪入れずにリリースされる今回の両A面シングル『magic! / 生きなくちゃ』。20枚目という節目の1枚なんですよね。

MAYU:びっくりしますよね。

アサヒ:もう20枚なんだ。早いなあ。

かれん:毎回大切に作ってきた作品がこんなにたくさん増えていたのかと、驚きますよね。その年その年を頑張ってきたら、知らず知らずのうちに20枚目まで到達していたような感覚ですし、20枚もシングルをリリースさせてもらえていることにも感謝です。

アサヒ:一つひとつの作品にめちゃめちゃ思い出があるし、その思い出が重なった上での20枚目なので、改めてその重みを感じます。

──その20枚目のシングルから「magic!」と「生きなくちゃ」の2曲が、映画『はい、泳げません』の主題歌に採用。同じ映画の主題歌に2曲選ばれることってかなり異例ですよね。

かれん:なかなか珍しいというか、あまりないことですよね。もともとThe Supremesの「恋はあせらず」みたいな雰囲気のアップテンポな楽曲とスローバラードという、テイストが違う候補曲がそれぞれ何曲かあって。それに私たちが仮歌を入れて映画制作サイドに提出したら、この2曲が選ばれたんです。

──リトグリらしさが強く表せている楽曲が選ばれましたね。「magic!」はこれまでもたくさんのリトグリナンバーを制作してきた丸谷マナブさんの楽曲ですが、最初に聴いたときの印象はいかがでしたか?

Little Glee Monster「magic!」Music Video

MAYU:この曲は最初が裏拍で始まって、Aメロはわりと軽快なのにBメロで一回スローになって、またサビでリズムが強調されていくので、そのリズムに乗って歌っていく難しさと、コーラスやメロディが特徴的という難しさがすごくあって。大体の曲は歌っていくにつれて「次はこの音かな?」って先が読めるんですけど、丸谷さんの場合は全然違う変化球がいつもくるんです(笑)。それと同時に、メロディは軽快な感じだけど、歌詞では自分らしい生き方や自分を肯定してあげることについて歌っているので、「リトグリといえば」という従来の明るさと同じくらい新しさも感じていて。自分たち自身に対してもそうですし、聴いてくださる皆さんが生きていく上でのストーリーをまた彩れるような1曲になったと思います。

MAYU
MAYU

──それこそ、Aメロ歌い出しの〈人は十人十色〉というフレーズも、今ならではの多様性が反映されているようにも感じますし、時代に沿った歌詞になっているのかなと思います。

MAYU:まさにそうですね。

──アサヒさん、かれんさんはいかがですか?

アサヒ:いくつかあった候補曲の中でも、この「magic!」が一番耳に残って気に入っていたんですが、MAYUが言ったように、いざ歌ってみるとやっぱり難しくて。レコーディングはかなり苦戦しました。でも、リトグリらしくアカペラがあったり、途中でハーモニーが挟まったりと、聴き応えのある素敵な曲に仕上がったと思います。

かれん:みんなが言うように、この曲は本当に歌うのが難しくて。私は最初の英詞のパートを何回も録り直しましたし、丸谷さんからの「メロディがない部分のリズム、グルーヴを出してほしい」というアドバイスの実践も大変でした。でも、いろいろ試行錯誤しながら作り上げていったので、最終的には満足度の高い、大事な1曲になりました。

アサヒ
アサヒ

──この2曲は3人で制作したものなんですか?

かれん:(manakaを含む)4人で制作しています。

──となると、ライブで披露する際には歌割りやコーラスを新たに作り直すわけですね。

アサヒ:そうですね。かなり覚え直しました。

かれん:メインのあとすぐにハモリに移ったりと、その切り替えが難しいんですけど、必死に練習しています。

──かなり難易度の高い楽曲であることは皆さんの発言から伝わりますが、歌う際に特にここが大変だったというポイントはどういったところでしょう?

MAYU:私は2番Aメロの2行を歌っているんですけど、メロディは1番と一緒のはずなのに、2番の〈ほら動き出そうとしてるんだ 走り出さなきゃ勿体ない〉は早口でいつも噛みそうになるし、噛まなかったとしても歌詞が濁ってしまうことが多くて。早口は得意なほうなんですけど、ちょっと言葉が濁ったなとか満足しないことが結構ありますね。なので、ここはリズムの取り方が個人的に難しかったです。

──特に日本語はのっぺりするイメージがあるから、跳ねた感じを気持ちよく聴かせるには相当な技術が求められるのかなと。

MAYU:そうなんです。ハマってくるまでは試行錯誤というか、何回も積み重ねが必要になりますね。

かれん:でも、このパートは1番に比べて2番のほうが歌いにくいと思います。1番は〈それぞれに浮き沈みあって それぞれに美しくて〉と「て」で韻を踏んでいるけど、2番は〈ほら動き出そうとしてるんだ 走り出さなきゃ勿体ない〉で語尾が「だ」と「い」だし。

MAYU:そうか、語尾が違うんだ。しかも、〈勿体ない〉でメロディが上がっていくし。そうそう、語尾の歌い方も綺麗にハマらなくて、かなり苦戦するんです。

かれん:同じメロディでも言葉の数とか語尾の違いによって、かなり変わってくるんです。だから、MAYUが2番のAメロはちょっと歌いにくいというのはすごく理解できます。

アサヒ:あと、サビの〈I Can Do It Everything You Can Do It Everything〉も音の階段みたいなメロディが、絶妙で難しかったです。

かれん:アサヒ、そこすごく苦戦してた記憶がある。

アサヒ:そうなんです。でも、ハモリも難しいよね。

かれん:そう!

MAYU:主メロもハモリも、両方難しい! なのに、聴いているぶんには難しく聞こえないんですよね。

かれん:丸谷さんの曲は本当に難しいので、これは“丸谷さんあるある”ですね(笑)。

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