『SPACE SHOWER TV×J:COM Little Glee Monster Precious Live』
Little Glee Monster、5人で届けたプレミアムライブ 視聴者とのコミュニケーションも楽しんだ一夜
Little Glee Monsterが一夜限りのプレミアムライブ『SPACE SHOWER TV×J:COM Little Glee Monster Precious Live』を、9月26日にオンライン配信した。スペースシャワーTV×J:COMの招待制ライブとして、当初は有観客&オンライン配信で行う予定だったこの公演。コロナ禍による現在の情勢を踏まえて無観客公演へと変更され、1万通を超える応募の中から選ばれた1500名のみが目にすることができる、貴重な公演となった。
6月28日から12月21日まで続く全国ツアー『Little Glee Monster Live Tour 2020→2021 >BRIGHT NEW WORLD<』の合間を縫って開催されたこの公演、休養していた芹奈を含む5人でのリトグリはまだライブ会場でしか目にすることがでないこともあり、ツアーに足を運ぶことができないガオラー(=リトグリファンの総称)にとってはなんとしてでも目にしておきたいライブだったはずだ。10月31日にはスペースシャワーTVにて、未配信分の楽曲を含む本公演の完全版をオンエア予定だが、本稿ではそれに先駆け一夜限りのスペシャルライブの模様をお伝えする。
暗闇の中に浮かび上がる、白い衣装を身に纏った5人の姿。円を作るように向かい合った彼女たちは、ピアノの音色に導かれ「足跡」からライブをスタートさせる。5人だけしか存在しないような空間の中で、自らの言葉が紡がれた「足跡」を切々と歌うその姿は、再び5人で歩み出した彼女たちの絆を再確認しているようにも映り、オープニングから早くもクライマックスと言えるような展開に。曲終盤の落ちサビになると彼女たちが背にしていた暗幕が開き、実は彼女たちが立っていたのがステージ上であり、バンドメンバーがフロアで演奏していることが明かされる。客席をつぶして会場を目一杯使用するこの演出も、無観客オンライン公演ならではと言える。5人が横並びになり「In Your Calling」へと移ると、芹奈の歌に合わせかれん、MAYUが踊り、続いてmanakaの歌にあわせ芹奈、アサヒ、かれんがダンスを披露。息の合った歌やハーモニー、パフォーマンスからはツアーの好調ぶりが伝わり、軽やかさを伴う演奏とともにグルーヴ感を強めていく。
2曲終えたところで、改めて5人が視聴者に向けて挨拶。この日はMCパートが普段よりも多めに用意され、パートごとにメンバーがひとりずつ進行役を務める。最初のパートではアサヒが中心となり、ハッシュタグ「#リトグリプレシャス」を付けて投稿されたファンからのTwitterコメントをスクリーンに映し、一つひとつにリアクションしていく。ここではアサヒが5人一緒に撮った写真をTwitterに投稿するなど、終始和やかな雰囲気で進行した。
アサヒが「客席も使える感じとか、すごく新鮮ですね」とここまでの感想を伝えると、続いてファンから寄せられた“歌ってほしい楽曲リクエスト”とそれにまつわるエピソードをMAYUが読み上げていく。そして、「今いただいた3曲を歌っちゃおうかなと思います!」と「Gift」「I BELIEVE」「Love Yourself」の3曲を立て続けに歌唱。ここからはステージを降り、バンドメンバーが演奏するフロアでパフォーマンスを重ねる。気心知れたバンドメンバーが左右に陣取る中、リトグリの5人は緩やかでグルーヴィな楽曲を気持ち良さげに歌い上げる。このパートでは特に、「I BELIEVE」終盤に飛び込んでくるmanaka、芹奈のフェイクが鳥肌もので、きっとモニターの前のガオラーたちも息を呑んで鑑賞していたのではないだろうか。また、「Love Yourself」では、5人それぞれがこのスペシャルな環境を楽しんでいることが伝わるような笑顔を見せる場面もあった。
3曲終えたところで、manakaが「皆さんのエピソードを聞いてから歌うと、いつもと違った感覚で歌えてうれしかったです」とコメント。さらに「続いては、雰囲気がガラッと変わる曲ではないかと思います」と告げると、照明でブルーに染まったステージ上で「Waves」をパフォーマンスする。全編英詞で歌われるこのダークポップ調の意欲作は、間違いなく今のリトグリだからこそ表現できる世界観であり、曲冒頭で響かせるMAYUの艶やかな歌声や、クライマックスでのかれんのエモーショナルな歌声に重なる芹奈のフェイクなど、聴きどころの多い1曲だと言える。その後もクールなダンスを交えた「SPIN」や、真っ赤な照明で情熱的な一面を強調したラテンテイストの「move on」と続き、序盤で見せた世界観とは異なるテイストを提示してくれた。
毛色の異なるパートを終えたところで、芹奈は「楽しいですね。去年の配信ライブで『move on』を歌ったときに歌詞が飛んだんですけど、今日も飛ばないかなと心配でした(笑)」と笑みを浮かべる。続いてMAYUの「次もリクエストが特に多かった曲。もうこれでピンときた方もいるのでは?」という曲紹介に続いて、切ないバラードナンバー「いつかこの涙が」へと突入。再びフロアへ降りた5人は、繊細さの中にも芯の強さを感じさせる、熱のこもった歌声を響かせる。それぞれのカラーの異なる歌声ながらも、5つの声が混ざり合ったときの美しさ、心地よさは随一であり、改めてこの5人でなければ歌えない1曲であることを実感させられた。さらに、このあとには「君といれば」の5人バージョンも披露。アカペラのみで構成された序盤パートは4人での「君といれば」とは異なるアレンジで、緊張感がありながらもどこかホッとする要素も感じられる。きっとその“ホッとする要素”こそ、5人揃って歌うことへの安心感なのかもしれない。4人でのバージョンももちろん素敵だが、今は5人で歌うことに意味があり、歌詞に込められた思いもより強まるのではないだろうか。