Little Glee Monster かれん&MAYU&アサヒが語る、『Journey』に込めたポジティブな思い 3人体制でのツアーへの決意も

リトグリ、3人体制ツアーへの決意

 Little Glee Monsterが、6枚目のオリジナルアルバム『Journey』をリリースした。本作には、シングルとしてリリースした「透明な世界」「Your Name」などのほか、シンガーソングライター 優里が提供したリード曲「心に空を」、現在休養中の芹奈・manakaを含む5人でレコーディングした「SING」、全編英語詞の「Come Alive」、高島屋「デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展」インスパイアソングに決定した「WONDERLAND」といった新曲を収録。4月28日からは3人体制でまわるツアー『Little Glee Monster Live Tour 2022 Journey』の開催が控えている中、かれん・MAYU・アサヒにアルバムの制作にまつわるエピソード、そして現在の率直な思いを聞いた。(編集部)【記事最後にプレゼント情報あり】

Little Glee Monster「Your Name」Music Video

これまでのアルバムと“チャレンジする姿勢”は変わっていない

ーーLittle Glee Monster(以下、リトグリ)のオリジナルアルバムは『BRIGHT NEW WORLD』(2020年)以来2年2カ月ぶり。今作を制作するにあたり、テーマなどをどのように決めていきましたか?

かれん:今回はまったく内容が決まっていない段階から、スタッフさんとも一緒に話し合いをしながら決めていったんですけど、コロナ禍ということもありますし、世の中が暗かったり、皆さんも気持ち的に落ち込むことも多かったと思うんです。リトグリにとってもこの1、2年は芹奈がお休みしたりだとか、本当にいろんなことがありました。そんな中、最近は「透明な世界」や「Your Name」などアンニュイな世界観の曲が続いたので、今度のアルバムはハッピーな雰囲気で、聴いてくださる皆さんにも明るい気持ちになってほしいという、全員の共通認識があったんです。なので、アートワークもピンクを基調にした、ポップな感じにしたくて。飛行機やスーツケースのほか、私たちがベルトコンベアの上に乗ったりだとか、旅の要素が散りばめられていて、すごく気に入っています。そして、『Journey』というタイトルも「人生って旅だよね」というところから、リトグリという人生も良いこと、悪いこといろいろあるよねって意味を込めて、決めていきました。

かれん
かれん

ーーなるほど。あと、単純にここ2年は旅をしたくてもなかなかできなかったですし、音楽を通して旅を疑似体験できるアルバムでもあるのかなと。

かれん:本当にそのとおりだと思います。

ーー実際、完成したアルバムは想像していた以上にポジティブな仕上がりだと思いました。

アサヒ:やっぱりリトグリの軸にあるのは応援歌だと思っていて。そういう応援ソングに励まされてきた方もたくさんいらっしゃると思いますし、このご時世もあって求められているのかなと思うので、アルバムに詰め込まれたいろんなジャンルの曲を通して励まされつつ、ポジティブに旅気分を味わってほしいです。

アサヒ
アサヒ

MAYU:最近はシングルでも新たな音楽的挑戦が続きましたが、アルバムでは新しさもありつつ従来のリトグリらしさが帰ってきたことを表現したくて。例えば、「SING」や「WONDERLAND」は新しさもありつつ、明るくて楽しいリトグリが表れているんじゃないかと思います。特に「SING」は、過去の「Love Yourself」「VIVA」に続いて『WOWOW LPGA女子ゴルフツアー2022シーズン』のテーマソングにも起用していただいて、また新しい応援ソングが生まれたと思うと同時に、自分たち自身も応援されているような感覚もあって。この3人で活動を続けると決めたのは、今も変わらず歌が好きでリトグリが好きだからであって、その決意と重なったことはレコーディングしたときには想像もしていなかったエピソードだけど、それも含めてリトグリらしさにつながったと思います。

MAYU
MAYU

ーー『BRIGHT NEW WORLD』までのリトグリは、どちらかというとシングルで王道感の強い楽曲を提示して、アルバムの中で新しいことにどんどん挑戦していく形が続いていました。しかし、最近はシングルを通じて新しいチャレンジを続けてきたこともあり、このアルバムではバランスを取るように王道感の強い楽曲を用意した。しかも、そこにも新しい挑戦がたくさん散りばめられているわけですよね。

MAYU:そうなんです。新曲4曲はどれもジャンルが違っていて、私たちのまた新たな一面が見せられる曲たちだと思うので、そういう意味ではこれまでのアルバムと同じようにチャレンジする姿勢は変わっていないのかなと思います。

ーー今回のインタビューでは新録曲を中心にお話を聞いていきたいと思います。まずは、1曲目に収録されたリードトラック「心に空を」から。この曲はシンガーソングライターの優里さんが作詞・作曲を手掛けていますが、最初に受け取ったときは皆さんどう感じましたか?

Little Glee Monster「心に空を」

かれん:まず最初に、優里さんが歌ってくださったデモ音源を聴いてレコーディングに臨んだんですけど、デモではアコースティック色が強くてシンプルな、温かい曲だなと感じました。そこに松浦晃久さんによるコーラスやストリングスのアレンジが加わったことで、原曲の良さを残しつつ、さらに私たちらしさもプラスされて豪華になった印象があります。

アサヒ:優里さんにはまだ直接お会いしたことがないんですけど、曲を書いていただけたことがすごくうれしくて。一聴するとラブソングのイメージが強いですけど、聴く人によって家族や友人など、思う相手が変わるという、誰にでも当てはまる素敵な曲だと思います。あと、個人的にはコーラスがめちゃめちゃ大変な曲という印象も強くて。最後にサビが繰り返しになるパートには、コーラスがたくさん詰め込まれているんですよ。

かれん:サビの繰り返しの裏にずっとコーラスが入っていて、そのラインがすごく独特で。「So Long Good Bye」も「愛しさにリボンをかけて」もそうなんですけど、松浦さんのコーラスって複雑で、いつも難しいんですよ。それはすごく大変な作業ではあるんですけど、松浦さんのアレンジしてくださったコーラスがあることで、1曲の中での抑揚がはっきりするし、難しいからこそより聴きごたえがあるのかなと思います。

MAYU:「心に空を」のようにコーラスが多い曲って、レコーディングだとメインはメイン、コーラスはコーラスと分けて録れるけど、いざライブで歌うとなると、例えばメインを歌ってからそのままコーラスに行こうとすると難しかったりして。特に今は、3人でツアーをまわることになったのでコーラスアレンジを変えないといけないんですけど、一度覚えたものを新たに覚え直す作業は大変です。今もツアーに向けて練習をしているんですけど、この曲は何回やってもまだ苦戦していて。でも、歌えたらすごく気持ちいい曲ですし、温かさや癒やしをくれる曲でもあると思うので、ライブでは絶対に歌いたいなと思って日々戦っているところです。

ーーまた、この曲は5月20日に放送される、北海道の天売島を舞台にしたNHK北海道発地域ドラマ『春の翼』の主題歌にも起用されました。アサヒさんはご自身の故郷・北海道にちなんだドラマの主題歌を担当することについて、どう思いましたか?

アサヒ:地域限定ドラマの主題歌を歌うことが初めてで、しかもそれが北海道というのもうれしくて。予告編を見させていただいたんですけど、すごく温かい内容になっていたので、ぴったりの曲なんじゃないかなと思っています。

ーーこの曲が映像とリンクすることで、どう響くのかも楽しみですね。続いて、芹奈さん含む5人で歌った「SING」について。アルバムの流れだと「透明な世界」「Your Name」に続く構成なので、ここで空気がガラッと変わる印象もあります。

かれん:この曲は、最初にいただいたデモと完成版とでAメロBメロがガラッと変わったことが印象的で。もともとはキーがもうちょっと低かったんです。個人的には、冒頭は儚げに入っていくけど、サビでは力強く歌い上げる高低差が気に入っています。

MAYU:リハをしているときに歌いながら響く部分が多い曲だなと思っていて。やっぱり、リトグリの応援ソングが好きですと言っていただくことも多いので、またこうやって新たな応援ソングが生まれたことがうれしいです。スポーツや何かに対して頑張っている皆さんにとっての頑張れる曲、好きな曲がまたひとつ増えたと思ってもらえるような1曲になったのかなと思いますし、なれたらいいなとも思います。

アサヒ:リトグリの応援ソングには人気の楽曲もたくさんあって、それを励みに頑張っている方もたくさんいらっしゃると思うので、そんな皆さんへの応援の思いを込めてレコーディングでは歌いました。最近は3人でツアーの練習をしていると、この歌詞が自分にも沁みて、歌いながら私自身も応援されることも多いんです。

ーーさっきおっしゃったように、「SING」というタイトルはシンプルだけど、昨年までと現時点とで言葉の響き方や意味合いも皆さんにとって変わってきたと思うんです。

MAYU:そうですね。レコーディングをしていたときも素敵な曲だなと思っていたんですけど、思いもしなかった出来事が起きて。だからこそ、この曲がより大切な曲になったというか、より響くもの、より歌詞が入ってくる曲になったと思うので、ライブで歌ったらより気持ちが入るんじゃないかな。

ーーアルバムはその後、アップテンポの「Hurry up!!」で熱量が一気に高まります。そして、本作唯一の英詞曲「Come Alive」で折り返しに突入。これまでの英詞曲とはまたちょっと雰囲気が異なります。

かれん:今までの英詞曲はアップテンポだったり、ダンスで見せるようなライブ映えする楽曲が多かったので、こういうバラードはすごく新鮮でした。「Come Alive」は“よみがえる”という意味なんですけど、歌詞もここからまた這い上がって前へ進んでいくという内容なので、今の自分たちの状況にもリンクするなと思いますし。まだまだコロナの影響は続くけど、それでも制限された中で前へ踏み出そうとして頑張ってらっしゃる方もたくさんいると思うので、そんな方たちに寄り添える1曲になればいいなと思います。

アサヒ:英詞曲は今回はピアノと歌のみで、より表現力が求められる難易度の高い楽曲で。発音も気をつけなくちゃいけないし、レコーディングはかなり大変でしたが、最終的にはみんなの声が引き立つ良い形に仕上がったんじゃないかと思います。

ーーMAYUさんはこれまでも、英詞曲で苦戦してきたとおっしゃっていましたが。

MAYU:はい(苦笑)。今回も時間をかけながらレコーディングした思い出があります。でも、音数やメロディがシンプルなぶん、メンバー一人ひとりの声質や歌い方、個性の違いをより楽しんでもらえる1曲になったと思うんです。この曲もライブで歌いたいなと思っていて、もちろん音源でもすごく素敵なんですけど、ライブではより響くものがあるんじゃないかと、楽しみにしていてほしい1曲です。

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