19歳になったSASUKEが語る、これまでの自分とこれからへの意欲 「音楽をやりたいだけではなく音楽でやりたいことが出てきた」

19歳になったSASUKEが語る、これまでとこれから

 シンガーソングライター/トラックメイカー/DJ/フィンガードラム奏者・SASUKE。2018年、15歳にして新しい地図 join ミュージックへ「#SINGING」を楽曲提供。翌年には「平成終わるってよ」「J-POPは終わらない」という時代を象徴するテーマ性の楽曲を立て続けにリリースし、若き才能として多くの注目を集める。

 現在19歳となり昨年からフリーランスとして活動するSASUKEは、変わらず意欲的に音楽を発信し続けながら、『ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン』(NHK Eテレ)の音楽や、『彼とオオカミちゃんには騙されない』(ABEMA)への出演など、より自由に活躍の場を広げている。

 リアルサウンドでは、「来年20歳という節目を迎えるので、自分自身を振り返りたいタイミングだった」と明かすSASUKEにインタビュー。若き才能が大人になる過程で考えていたことや内なる葛藤、さらにこれからの活動への思いを語ってもらった。(編集部)【インタビュー最後に読者プレゼントあり】

物心つく前から気づいたら踊っていた

ーー先日19歳になられたばかりですね。

SASUKE:はい。来年でちょうど20歳になるので、ちょうど総括的なことを話したいと思っていたタイミングでした。

ーータイミングが合ってよかったです。SASUKEさんといえば幼少期からご両親の影響でさまざまな音楽に触れていたそうですが、最初に好きになった曲を覚えていますか?

SASUKE:幼少期はTOWA TEI(テイ・トウワ)さんが特に好きだった記憶があります。ダンスをやっていたので、クラブミュージック寄りの音楽を好んで聴いていたと思います。あと、坂本龍一さん。坂本さんが参加しているグループや関連する楽曲はたくさん聴いていました。

ーーそのダンスでは、10歳でニューヨークの『APOLLO THEATER [Amateur Night] Show Off』に出演し、優勝されています。プロレベルまで磨いたダンスですが、デビュー以降、そこまで推していなかったように見えます。

SASUKE:それは、もしかすると僕がストリートダンス出身だからかもしれません。基本的にフリースタイルで踊るジャンルで、人とセッションをしながら踊ったり、大会でも即興で踊り合う、ということが主だったので。そういうストリートダンスのカルチャーに親しんでいたこともあって、振り付けを固めてダンスを撮ってもらう気持ちにあまりならなかったのかもしれないです。ライブで間奏に合わせて即興で踊ることはありましたけど。

ーーなるほど。ダンスのカルチャーの違いもあったと。

SASUKE:そうですね。僕にとってダンスは自然なもので、物心つく前から気づいたら踊っていたので、そこまで特別に推そうと思ってはいなかったです。

ーーそして、11歳の頃にYouTubeチャンネル(『SASUKE TV』)を開設しています。年齢からするととても早いですよね。

SASUKE:これも僕にとっては自然なことだったんですけど、今考えると早いですね(笑)。まだYouTuberという名前が出てくる前から、ビデオブロガーの人たちをよく見ていて。当時は音楽機材やガジェット紹介の動画が多かったので、僕にとってはすごく興味のあるものでした。それで、自分もやりたいなと思ったんですよね。

ーーこれも好きなことをやりたいという延長線上にあったんですね。

SASUKE:そうですね。撮影などは親に頼んでいましたが、内容は自分で考えていましたし、編集も一緒にしていました。

ーー15歳でメジャーデビューされた頃のお話についても聞かせてください。当時は複数のレコード会社からオファーがあったのでしょうか。

SASUKE:はい。当時SNSにアップされた路上ライブの動画を見ていただいたのか、声をかけていただきましたね。

ーー昨年1月からはフリーとしての活動をスタートしていますが、それまでの音楽活動との違いは感じていますか?

SASUKE:うーん……あまりないかもしれません。もともと音楽活動をやっていたところを見つけていただいたので、そこに戻るだけというか。気がついたら個人でも曲をリリースできる仕組みができていたので。メジャーとフリー、どちらにも苦労もいいこともあると思うので、その時の自分にとってやりやすい方を選んだという感じですね。

「J-POPは終わらない」リリース時に感じていたこと

ーー2018年に発表した新しい地図 join ミュージックへの提供曲「#SINGING」を皮切りに、「平成終わるってよ」「J-POPは終わらない」と、インパクトあるリリースが続きました。当時の注目に対して、ご自身としてはどういう気持ちでしたか?

SASUKE:「J-POPは終わらない」は、当時、聴いてくれる人の反応を予想していたようなところがあって。意外と、大体は予想通りでした。ただ、予想しつつも、そこから先に自分が思いもよらないような広がり方もありました。とてもありがたかったし嬉しかったんですけど、曲の内容的には、思ったより自分の伝えたいことが直接伝わっていないなという感覚がありました。というのも、僕も悪いところなんですけど、当時は言いたいことの逆を皮肉っぽく書いてしまうというところがあって。

ーー「J-POPは終わらない」は、現代のJ-POPを鼓舞するようなムードも含んでいますよね?

SASUKE:大枠はそうですね。イントロで80年代の雰囲気をオマージュとして入れているんですけど、それと歌っている内容とのチグハグさといったものも感じていただきたくて。歌詞の内容はJ-POPを応援するようなものになっていますが、音楽的にそこまで“今風”にしなかったのは、80年代の方が勢いがあったんじゃないか? と、個人的に思っていて。当時は実際に最新のJ-POPよりも、80年代のJ-POPやシティポップの方が海外を中心にYouTubeで再生数が伸びていたり、SNSですごく広がっている時期でもあったので。今を否定するわけではなく、当時のクリエイティブさをもう一度やってみないか、という提案のような意味合いもありました。ちなみに、僕が今推しているJ-POPは渡辺満里奈さんの『MARINA』(1987年)。ジャケットデザインもすごくカッコいいです。

ーーなるほど。「J-POPは終わらない」はそれこそ聴く人の年代によっても感じ方がさまざまありそうですね。

SASUKE:当時は「平成終わるってよ」の方が再生回数は伸びていたんですけど、今となっては「J-POPは終わらない」で僕を知ったと言ってくださる方が多いですね。イントロが音質の悪いところからスタートするので、制作段階では周りから色々と心配されましたけど(笑)。

SASUKE J-POPは終わらない

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