『BATTLE OF TOKYO』を総復習! Jr.EXILE勢揃いの祭典、コラボ満載なライブの見どころを徹底解説

『BATTLE OF TOKYO』見どころ徹底解説

『BATTLE OF TOKYO』初ライブで白熱した4グループのバトル

 時は戻って2019年7月3日。コンピレーションアルバム『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』がリリースされた。同作には『BATTLE OF TOKYO』のコンセプトを象徴する楽曲「SHOOT IT OUT / GENERATIONS vs THE RAMPAGE」を始めとする、総当たりのコラボバトル形式で制作された6曲と、EXILE TRIBE名義のアルバム収録曲「24WORLD」のカバーを収録。各コラボ曲のMVには、実写でのパフォーマンスや演技シーンの他、“砂漠”や“バット”といった、その後のストーリーに関連するアイテムも散りばめられており、今見直すとまた違った面白さがある。なおかつ、Jr.EXILE世代を率いる者としての決意と余裕を纏ったGENERATIONSや、大所帯ならではの圧倒的な存在感を放ちながら闘争心を剥き出しにして他グループを威圧するTHE RAMPAGE、エンターテイナーとしての爽やかな笑顔と大切なもののために戦う真剣な表情のギャップが魅力的なFANTASTICSなど、あの頃彼らが抱えていた現実も投影。BALLISTIK BOYZに関しては2019年5月22日にデビューしたばかりだったため、当時行われたJr.EXILEの合同インタビューでは先輩を立てる姿も見受けられたが、MVでは他グループをおちょくるように自由自在に動き回る、良い意味で生意気な姿勢が“大型新人 BALLISTIK BOYZ”の華々しいデビューを印象づけていた。

GENERATIONS from EXILE TRIBE vs THE RAMPAGE from EXILE TRIBE / SHOOT IT OUT

 アルバムのリリース直後には、7月4日から7月7日の四夜連続で、新プロジェクトのお披露目ライブとも言える『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』が幕張メッセにて開催された。そう、幕張メッセに伝説のバトルアリーナ“バビロニウム”(『BATTLE OF TOKYO』の世界に登場する、超東京/今より少し未来の新東京/我々が生きる現在の東京、という普段は交わることのない多重郷次元を結びつける存在)が召喚されたのだ。バビロニウムのMC“EC-E”こと俳優・勝矢の進行で、Jr.EXILEの4グループがステージに現れると、すぐさま会場は熱狂に包まれる。オープニングを飾ったのは、やはり「SHOOT IT OUT / GENERATIONS vs THE RAMPAGE」。イントロで互いに睨みを利かせる様は、怪盗団 MAD JESTERSと用心棒集団 ROWDY SHOGUNの戦闘シーンを思わせるが、各グループのカラーを打ち出しながらも、肩を並べ、背中を預け合って勇ましくパフォーマンスする姿には“共闘”の二文字がよく似合う。

【BATTLE OF TOKYO @幕張4DAYS】 LIVE Digest Movie(2021.6.23発売 New Album 全編完全収録)

 THE RAMPAGEのインタビューでも、山本彰吾が「共通点といえば、最近(関口)メンディーさんと話していたんですけど、Jr.EXILEってラップ好きなメンバーが多いんですよ。(中略)例えば『BATTLE OF TOKYO』のステージで、10人くらいのマイクリレーをしたら面白いんじゃないかな?」(※1)と話していたが、『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』では関口メンディー(GENERATIONS)とTHE RAMPAGEのラップチーム(後にヒップホップユニット・MA55IVE THE RAMPAGEを始動するメンバー)によるラップバトルが勃発。パフォーマー全員によるダンスショーケースも、各自が得意なダンスジャンルやメンバー同士の共通点が垣間見える内容となっており、『BATTLE OF TOKYO』の世界観というよりは生身のメンバーの魅力を伝えていた。

 白熱したバトルが観客を煽る一方で、デビューから1年未満という短さで大舞台に立ったFANTASTICSとBALLISTIK BOYZのコラボブロックは、変幻自在なフォーメーションやアクロバットといった遊び心満載の演出で、バトルでありながら、いたずらっ子たちが戯れているような雰囲気に。徹底的にグループのカラーを貫くTHE RAMPAGEとBALLISTIK BOYZの存在感もさることながら、バトル相手によってこんなにも表情が変わるのか! と強く惹きつけられたのがFANTASTICSであった。後輩グループの出方を見て、どんなバトルも受け入れる器の大きさを示したGENERATIONSに対して、巧みに表情を操りながらステージを翔け回り、ドラマティックな空間を作り上げていくFANTASTICS。現在も演技派グループという印象が強いが、すでにこの時から片鱗が見えている。と同時に、4デイズ公演期間中の7月6日、大切なメンバーの命日であるこの日に“翔”の文字を背負った彼らの心中には、さまざまな想いが渦巻いていたことだろう。初日にはリーダーの世界が骨折するハプニングにも見舞われ、7人で残りのステージをやり遂げたメンバーにとっては“自分とのバトル”という意味合いが強かったのかもしれない。それでもJr.EXILE全体で支え合い、少年のような笑顔で寄り添っているメンバーたちを見ると「Jr.EXILE最高!」と思える、夢のようなライブだった。その余韻に浸りながら、以降2年間、我々は『BATTLE OF TOKYO』の幻影を追って彷徨うことになる。

FANTASTICS from EXILE TRIBE vs BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE / SHOCK THE WORLD

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