米津玄師、BE:FIRST、ももいろクローバーZ、AKB48、tofubeats……5月18日リリースの新譜5作をレビュー

AKB48『元カレです』

 今回表題曲でセンターを務めるのは、IZ*ONEの活動を経てグループに戻ってきた本田仁美。そして、前作「根も葉もRumor」の路線を踏襲する高難易度ダンスの振付を手掛けたのは、BTS「Butter」の振付制作に携わったダンスアーティストグループ・GANMIである。隙のないハードなダンスが冴え渡るミュージックビデオを観ても明らかなように、今、AKB48はダンスグループとしての先鋭性をストイックに追求するフェーズへと突入している。国内にも国外にも、彼女たちのライバルとなり得るグループは非常に多いが、そうした熾烈なシーンへと果敢に挑戦していく野心を感じる。また、曲名のインパクトも凄い。過去にも男性目線の楽曲は多かったが、〈最高の元カレです〉という強がりを表したパンチラインのインパクトは比類がない。このように、AKB48はこの先どのようなグループになるか予想できないからこそ、魅力的な存在なのだと思う。(松本)

【MV full】元カレです / AKB48 59th Single【公式】

tofubeats『REFLECTION』

 配信シングル「REFLECTION feat.中村佳穂」「PEAK TIME」「don’t like u feat. Neibiss」を含む4年ぶりのフルアルバム。街の騒音、「OKです」というアナウンスから始まるタイトル曲「REFLECTION」は、2020年夏の緊急事態宣言中の東京を歩いているときにアイデアを思い付いたという、不思議な浮遊感とドープな音像が溶け合う楽曲。また「Mirror」で歌われる〈鏡の中には/見えない心が映る/自分の知らない自分/なんていないはずだった ああ〉というフレーズには、不穏な状況のなか、内面と向き合わざるを得なかった当時の空気が凝縮されている。アタック強めのベースラインが身体を揺らす「Emotional Bias」、透明な近未来感と称すべきエレクトロチューン「Solitaire」などダンスミュージックとしてもさらなる進化を果たしている。(森)

tofubeats - REFLECTION feat. 中村佳穂
※記事初出時、一部内容に誤りがございました。訂正の上、お詫びいたします(2022年5月17日15時23分)。

誤)「ETC」
正)「ETA」

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる