ももいろクローバーZが14年もの間、愛され続ける理由とは? 結成日を目前に辿る、“終わりなき革命”の数々
ももいろクローバーZ(以下、ももクロ)が、グループ結成記念日の5月17日に3年ぶりとなるオリジナルアルバム『祝典』をリリースする。
2008年に活動をスタートし、14年もの間、たくさんのファンに愛されてきたももクロ。活動初期はメンバーの入れ替わりが激しかったが、インディーズ2ndシングル『未来へススメ!』(2009年)以降は2011年に早見あかり、2018年に有安杏果が抜けてもメンバーの補充をおこなわずに活動を続けている。
ももクロはなぜ新メンバーを入れないのか
女性アイドルグループは、脱退・卒業があれば新メンバーを迎え入れるのが定番である。グループに新しい風を吹かせることでワクワク感を煽ったり、新規ファンをあつめるきっかけを作ったりし、活動にさらなる弾みをつけていくのだ。その点、ももクロのやり方はやや異例でどこか愚直さすら感じさせる。
マネージャーの川上アキラは自著『ももクロ改 4人と新たに目指す未来』(2018年/日経BP社)のなかで、有安卒業後の新体制について「体に染みついていたものを変えなくてはいけないということ。これまで歌わなかったパートを歌ったり、いつもと違う場所に立ったりしなくてはならない。メンバーに聞くとこれが大変だったそうです」と振り返っている。
また、気持ちの面でもこの時期はさまざまな迷いが生じていたそうだ。百田夏菜子は雑誌『BUBKA』(2019年4月号/白夜書房)のインタビューで、5人から4人になったとき「大きく言ったら『このままグループを続けていっていいのか?』って」と自問自答し、「もちろん『続けるぞ!』って気持ちなんですけど、いままでのような感じで決めちゃダメなんだろうなって」と自分たちの活動を見つめ直したという。
4人体制で最初に挑んだのが2018年2月10日、11日のバレンタインイベント。わずか4日間で、ソロ曲をのぞいて計15曲の歌割りやダンスが作り直された。ただでさえハードな状況のなか、メンバーは「本当にこの振りでいいのかな? これが本当に4人で見せたいものなの?」と、一切妥協をしなかったことが『ももクロ改』内で明かされている。
そして川上は、『ももクロ改』の中で「足りなかったらまた足していけばいい。足すといっても『人を足す』のではありませんよ。自分たちの表現力であり、スキルであり、そういったものを足していけばいい」とメンバーを増やさない理由を口にしている。その言葉からうかがえるのは、4人への絶対的な信頼。それはきっと、早見が脱退したときも同じ気持ちだったのではないか。