米津玄師、BE:FIRST、ももいろクローバーZ、AKB48、tofubeats……5月18日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は5月18日リリースの米津玄師『M八七』、BE:FIRST『Bye-Good-Bye』、ももいろクローバーZ『祝典』、AKB48『元カレです』、tofubeats『REFLECTION』の5作品をピックアップした。(編集部)

米津玄師『M八七』

 『Pale Blue』(2021年6月)以来となるニューシングルのタイトル曲は、映画『シン・ウルトラマン』の主題歌。主題歌を手がけることが発表された際に米津は「青天の霹靂の一言に尽きます。超然としたウルトラマンの姿を眺めながら曲を作りました」とコメントしていたが、ややレイドバックしたリズムを軸にしたトラック、クラシカルな弦やピアノを織り交ぜたアレンジ、力強さと郷愁を兼ね備えたメロディを含め、すべてに隙がなく、しっかりと手間をかけられた楽曲に仕上がっている。〈今は全てに恐れるな 痛みを知る ただ一人であれ〉から伝わる、使命を負っているからこその孤独を描いた歌詞も素晴らしい。カップリングにはシリアスな世情を享楽的に描き出したノスタルジックかつ斬新なポップチューン「POP SONG」、新曲「ETA」を収録。(森)

米津玄師 - M八七  Kenshi Yonezu - M87

BE:FIRST『Bye-Good-Bye』

 昨年、初めて彼らのデビュー曲「Gifted.」を聴いた時、そのエッジーなサウンドに圧倒された。そして、今作に収められた3曲を通して「Gifted.」の路線、つまり、近年のグローバルポップシーンの最前線に接近していく路線を貫く彼らの気概に触れて、その高い志に強く心を動かされた。爽やかでポップな魅力を放つ「Bye-Good-Bye」、妖しく艶やかな魅力が光る「Betrayal Game」、ロックテイスト全開の「Brave Generation」と、それぞれ音楽性は大きく異なるが、3曲とも一つひとつの音色やリズムが美しく洗練されている。そして今回も7人それぞれの個性が際立つボーカルアンサンブルの鮮やかさは圧巻だ。先日開催された『VIVA LA ROCK 2022』への出演も記憶に新しいが、夏には『SUMMER SONIC 2022』への出演も控えている。フェスの場は、グループの実力を未来のファンに向けて訴求する絶好の機会だ。今作は、そうした人々に対する名刺代わりの一作となるだろう。(松本)

BE:FIRST / Bye-Good-Bye -Music Video-

ももいろクローバーZ『祝典』

 4人体制となって最初のアルバム『MOMOIRO CLOVER Z』以来、約3年ぶりに届けられた6thアルバム『祝典』。「stay gold」「PLAY!」「月色Chainon ももいろクローバーZ ver.」のほか、ももクロの盟友・前山田健一によるディスコファンクチューン「BUTTOBI!」、オーガニックかつソウルフルなトラックと〈人は強くないけど/でも一人じゃないから〉というラインが絡む「HAND」、〈誰かが作った自由じゃつまらない〉と宣言する「MYSTERION」、の子(神聖かまってちゃん)が提供した「孤独の中で鳴るBeatっ!」、眉村ちあきが手がけた「手紙」、昭和の名曲「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)のカバーなどを収録。全体を通してシックかつ洗練された大人のポップスを体現することで、ももクロのエンタメをしっかりと更新している。(森)

ももクロ【MV】HAND -MUSIC VIDEO-

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