BiSH、ももいろクローバーZ、Negicco……アイドルのソロ活動がもたらすグループの新たな可能性

 昨年に続き、新型コロナウイルスが猛威を振るった2021年。コロナの存在によりエンターテインメントの世界において、それまでの様式やセオリーを改めなければならない事態となり、複数人で活動するアーティストなどは難しい対応を求められた。メンバー間でのソーシャルディスタンス、ライブ会場や控え室での人数制限、何よりスタッフの人数の多さなど、これまで当然だったことに“NO”を突きつけられた現実。そんな集まることが難しい世界で、グループに属する女性アイドルたちは集まらない形で可能性を広げ、それをグループへと還元していく自然と生まれていった。

 ここ数年、特にソロで目覚ましい活躍を見せたのがBiSHのアイナ・ジ・エンドだ。2018年頃から各自のソロワークが活発となったBiSHだが、なかでもアユニ・D(ソロプロジェクトとしてPEDRO、青虫を展開)、そしてアイナ・ジ・エンドのアクションはロックシーンや広く大衆に向けたものとして注目を集めた。

 コロナの感染が徐々に拡大していった2020年2月、爪切男のエッセイを原作としたドラマ『死にたい夜にかぎって』(TBS系)のエンディング主題歌を担当したアイナ・ジ・エンド。ドラマと同名の楽曲を自らで書き下ろしたことを機に、以降シンガー、ソングライターとしての才能を急速に開花させていく。「THE FIRST TAKE」への出演、2枚のソロアルバムのリリースとそれに伴うツアー、今夏にはROTH BART BARONとのユニット“A_o”のメンバーとしてポカリスエットの新CMソングを歌うなど、BiSHの名前と共にアイナ・ジ・エンドの存在はお茶の間へと浸透していった。

アイナ・ジ・エンド – オーケストラ / THE FIRST TAK

 並行してBiSHの活動も行っていたためか、グループそのものの動きが止まっていた印象はない。だが、2020年〜2021年にかけてのアイナ・ジ・エンドの活躍は、間違いなくこれまでBiSHに触れる機会がなかったリスナーにその存在を届ける一つのきっかけになったのは間違いない。そして初出場となる今年の『第72回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の舞台を経て、BiSHとアイナ・ジ・エンドはさらに大きなステージへと歩みを進めていくはずだ。

アイナ・ジ・エンド – 神様 [Official Music Video]

 ももいろクローバーZもまた、4人それぞれがソロ活動を充実させていたグループだ。ソロでの活動自体は以前から活発だったが、コロナ禍ではそれまで蓄積してきた個人個人のスキルや思いをグループの新たな強みとして発揮していった。

 百田夏菜子は、近年俳優や声優として活躍の場を広げている。2020年には映画『魔女見習いをさがして』に声優として、今年もミュージカル映画『すくってごらん』にてヒロインに抜擢されるなど、演技面で確かな実績を積み上げてきた。音楽面でも2021年10月に初のソロコンサートを成功させており、ももいろクローバーZの名を掲げての活動が自然とグループを明るい未来へ導いていったように思う。

【MV】「赤い幻夜」生駒吉乃(Vo.百田夏菜子)MUSIC VIDEO-Short Edit-

 百田と同様、高城れにもまた個人活動で新境地を開拓していったメンバーだ。2020年に放送された『彼女が成仏できない理由』(NHK総合)にてメンバー初の連続ドラマ主演(森崎ウィンとのW主演)を務めたほか、以前から活動している芸人・永野とのユニット“永野と高城。”では地上波バラエティなどでコントを披露。これまでの高城の総決算とも言える1stソロアルバム『れにちゃんWORLD』を今年8月にリリースした際には、「全てのソロ活動はももクロに返ってくるって思ってるんです」(※1)とその思いをストレートに述べていた。玉井詩織、佐々木彩夏も俳優やモデルとして新たな一歩を踏み出し、今後これまで以上に多彩な色を持ったももいろクローバーZの活動に期待したい。

高城れに1stソロアルバム『れにちゃんWORLD』 -全曲視聴TRAILER-



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