田中将大、佐藤輝明、柳田悠岐ら侍ジャパンの中心はモノノフ? ももいろクローバーZ、スポーツ界隈で巻き起こす旋風

 2021年のプロ野球界で注目をあつめているのが、阪神タイガースに所属するルーキー・佐藤輝明選手。筆者は長年、プロ野球を観続けている大の野球ファンであり、贔屓は読売ジャイアンツなのだが「佐藤選手の打席は観たい」とそのタイミングだけはチャンネルをかえるほどだ。こんなにワクワクできる新人のスター野手はなかなか登場しない。

ももいろクローバーZ『田中将大』
ももいろクローバーZ『田中将大』

 そんな佐藤選手がホームランを打ったとき、ベンチ前でチームメイトとともに手で形づくるのが「Z」のマークだ。さらに佐藤選手は、カメラに向かっても指先でも「Z」の文字を書く。この「Zポーズ」は、野球ゲームのなかでも再現されるなど、今や佐藤選手の代名詞的なパフォーマンスとなっている。

 「Zポーズ」の由来は、佐藤選手がアイドルグループ・ももいろクローバーZ(以下、ももクロ)の大ファンであること。本拠地・甲子園で打席に立つ際の登場曲には、ももクロの「吼えろ」をチョイスするほどで、推しメンは高城れにだという。そのことを知った高城も5月28日、YouTubeチャンネル『Momoiro Clover Z Channel』の配信のなかで「虎に魂を売った」と虎党宣言。翌29日には玉井詩織とともに、ニッポン放送での試合中継でリポーターをつとめた。

マー君、ギータなどモノノフが侍ジャパンの中心に

 ももクロはプロ野球選手からの支持率が高いグループとして知られている。球界で「モノノフ(ファン)」を公言している選手としてもっとも有名なのが、2021年に東北楽天ゴールデンイーグルスへ復帰した田中将大選手である。

 田中選手がモノノフであると知られ始めたのは2012年頃。2013年11月29日にオンエアされた『僕らの音楽』(フジテレビ系)では、ももクロと田中選手が共演し、「ココ☆ナツ」(2010年)を一緒に歌い踊る一幕もあった。田中選手がメジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースに在籍していた期間は、応援歌としてオリジナル曲を毎年提供。2014年、ヤンキー・スタジアムでの初登板時には「My Dear Fellow」が世界初披露された。2015年には、メンバーによる田中選手へのメッセージを歌詞にした楽曲「勝手に君に」が、「ヤンキー・スタジアムでしか聴くことができない」と球場限定で公開された(のちに音源として正式リリース)。

 2021年2月には、歴代応援歌をあつめたニューアルバム『田中将大』をリリース。ジャケットには、田中選手とメンバーがマウンドに立つ写真が使用された。ももクロと田中選手の交流は親密で、2月22日オンエアの『ノンストップ!』(フジテレビ系)で、百田夏菜子が「年始には田中選手とメンバーらであつまって、食事やカラオケをするのが恒例」と明かしたほど。ちなみに6月13日、楽天生命パーク宮城で開催された東北楽天ゴールデンイーグルスと阪神タイガースの一戦では、そんな田中選手のボールから佐藤選手が豪快な一発を放ち、チームも試合に勝利。「モノノフ対決」は佐藤選手に軍配が上がった。

 福岡ソフトバンクホークスには特にモノノフが多く、そのなかのひとりが球界を代表するスラッガー・柳田悠岐選手。2015年に「3割・30本・30盗塁」以上を記録するトリプルスリーの偉業を達成し、初の首位打者も獲得。柳田選手はその活躍について、当時メンバーだった有安杏果との対談映像で「シーズン前にももクロから『トリプルスリーを達成してください』とコメントをいただいて、そのおかげでがんばれた」と声援が後押しになったと明かしている。

 2桁勝利を2度記録するなど投手として活躍する福岡ソフトバンクホークス・石川柊太選手はTwitterのプロフィール欄に「#ももいろクローバーZ」「#あーりん推し」「#momoclo」と明記し、「モノノフフォロー待ってます」とももクロファンを大歓迎。6月21には「れにちゃん誕生日おめでとうございます 笑顔が1番れにちゃん!」と祝福投稿をするほどの熱烈ぶり。ほかにも、田中選手、柳田選手とともに侍ジャパンに選出された福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大選手らがファンとして知られている。

ももクロとスポーツの親和性、過去にはライブでハーフマラソンも

 ももクロとスポーツの関わり合いは以前からとても深い。2010年11月には、格闘技『K-1』のアリスター・オーフレイム選手がライブゲストで参戦。その翌月には、ももクロが『K-1 WORLD GP 2010 FINAL』のハーフタイムショーでリングにあがり、ライブパフォーマンスを披露した。2011年には全日本プロレスに殴り込み。グレートクローバーZの名義で『2011 プロレスLOVE in 両国 vol.13』に参戦し、人気レスラーのグレート・ムタ選手の弟子を名乗って毒霧噴射もやってみせた。

 2017年8月、スポーツとの融合をテーマにしたライブイベント『ももクロ夏のバカ騒ぎ2017 -FIVE THE COLOR Road to 2020- 味の素スタジアム大会』を味の素スタジアムで開催。ライブ中にはハーフマラソンもおこなわれ、ロンドンオリンピックのマラソン日本代表・藤原新選手らが参加。そのほかにもゲスト選手を招いて100メートル走、空手の型、スポーツクライミングなどがおこなわれた。

 2021年には、東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーにメンバーが参加。百田夏菜子は静岡県、玉井詩織、佐々木彩夏、高城れには神奈川県の聖火ランナーをつとめた。YouTubeチャンネル「かなちゃんTV(神奈川県公式)」のなかでは、玉井、佐々木、高城の3人は自転車競技(BMXレーシング)を実体験。同競技の日本代表・畠山紗英選手と対談もおこない、競技中に負った壮絶なケガのことなどを話し込んでいた。

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