MY FIRST STORY、Vaundyとの運命の出会いのような一夜を振り返る 「怪獣の花唄」でのコラボも

MY FIRST STORY、Vaundyとの対バン

 実はこの日を迎えるまで顔を合わせたことがなかったというVaundyの才能に対し、畏怖にも近いようなラブコールをおどけた調子で口々に語ったMY FIRST STORY。MCではさらに、Hiroが実兄であるONE OK ROCKのTakaと行ったインスタライブをKid'zにいじられる一幕も。そんな和やかな空気も一変、「モノクロエフェクター」で幕を開けたクライマックスではHiroがオーディエンスを挑発するように「一緒に踊ろうか!」と言い放つと、「REVIVER」「不可逆リプレイス」とマスターピースが続々と畳みかけられる。真っ赤な照明の中、逆光に映し出される4人のシルエットからは、王者の風格すら感じられた。

 さらに、最後はVaundyを呼び込み2組でのパフォーマンスが実現。MY FIRST STORYの盤石の楽器隊により新たな魅力が引き出された「怪獣の花唄」を、上手のスピーカーにVaundy、下手のスピーカーにHiroが片足を乗せ歌い上げる奇跡的なワンシーンが展開された。

 パフォーマンスの終わりにHiroは、「世の中にはいろんな奴がいて、未だに戦争を止めない奴もいて、俺たちのやってるような音楽をクソみてぇだって言う奴もいて。でも俺たちの音楽を好きだって言ってくれる奴らもいて」「だから、今、ここに来てくれたみんなと会えたことが本当に嬉しい」と口早に語った。彼が「会えて嬉しい」と言った「ここに来てくれたみんな」の中には、この日初めて同じステージに立ったVaundyも含まれているに違いない。Vaundyの歌がMY FIRST STORYの激しさの内側に秘められた繊細な美しさを引き出し、そしてMY FIRST STORYの熱がVaundyが纏う飄々とした空気の奥に潜む熱さを引き出すことで、彼らは見事な調和を果たしてみせたのだ。この夜は、彼ら自身にとってもオーディエンスにとっても、きっと深く記憶に刻み込まれる“運命の夜”となったことだろう。

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