風男塾 神那橙摩&偉舞喜雅の“みやとま”が歩んだ青春の日々 笑顔で歌い切った卒業公演をレポート

風男塾 偉舞喜雅&神那橙摩卒業公演レポ

 長年、男装ユニットのパイオニアとしてシーンを牽引している風男塾。世代交代を繰り返しながらも、“人を元気にする”をモットーに掲げるメンバーたちの熱意は変わらず、中でも2020年1月7日に加入した神那橙摩と偉舞喜雅(通称:みやとま)は、フレッシュな魅力で次世代風男塾を盛り上げ、グループきっての愛されコンビとなった。そんな2人の卒業を見届けるため、4月8日、渋谷・duo MUSIC EXCHANGEにて開催された『神那橙摩・偉舞喜雅 卒業公演「I’m always on your side.」』には大勢の風王(ファン)が集結(ニコニコ生放送でも配信)。メンバーの柚希関汰曰く、普段はただの仲良し5人組だという風男塾は、共に歩んだ青春の日々を全16曲に詰め込んだ。

 この日の開演前の影アナは、5人体制になって以降、最年長としてグループをまとめている関汰が担当。真面目にアナウンスをする一方で、橙摩と葉崎アランにちょっかいを出される様子は、風男塾の日常風景だ。だが、ふいに客電が落ちると空気が一変。薄暗いステージにシルエットが浮かび上がると、2021年の夏ツアーの衣装を身に纏った“みやとま”によるダンスパフォーマンスが開演を告げた。ちなみに、ここで披露したのは、ダンスを得意とする2人が加入時に踊ったという思い出のオリジナルダンス。当時からさらにキレを増した動きはもちろん、自信溢れるその表情から、彼らが2年4カ月で得たものの大きさを感じる。

 そして、今年2月に開催した『風男塾 紅竜真咲卒業公演「新たなる幕開けのための幕開けによる狂詩曲~キミがいればオレの可能性は∞~」』のラストナンバーに続くように、パンキッシュな旅立ちソング「Bye-bye PAIN」に突入。同曲は関汰・アラン・英城凛空の加入後、初めてリリースしたアルバム『Funfare』の収録曲であり、“みやとま”が肩を組みながら頭サビを歌うと、関汰・アラン・凛空もステージに登場し、一丸となってパワフルに歌い上げた。雅の芯の強いボーカルや、アランの吼えるような歌声が熱く心を震わせた「Bye-bye PAIN」に対して、続く「Diamond Heart」では、橙摩の王子様スマイルと優しい歌声が風王のもとにキラキラと降り注ぐ。加入当初から歌唱力に定評のある関汰に加え、凛空やアランも確かな進化が感じられる歌声で、風男塾の未来は明るい。

「こんばん波! 俺たち、風男塾です!」

 お決まりの挨拶から始まった1度目のMCでは、夏のツアーで生まれた“みやとま”による定番の煽りで会場を1つに。「みなさん、盛り上がっていけますかー!?」と叫び、楽しそうにステージを端から端まで走り回る雅と、フロアと配信のコメント欄に充満した拍手を指揮者のように締める橙摩が愛らしい。思うように身動きがとれないコロナ禍で、彼らの天真爛漫な姿に何度救われただろうか。そんなことを考えている中で流れ始めたのは、「Your Eyes Only」だった。この曲自体はとても爽やかだが、前述した「Diamond Heart」と同じく、怒濤の2020年に愛刃健水・紅竜真咲と4人で発表した楽曲であることを思えば、メンバーにとって楽しいだけの楽曲ではないだろう。それなのに、ネガティブな想いを封印し、にこやかにピースサインを突き出す姿が頼もしい。また、“みやとま”が加入した後、最初に参加したシングル『ミュージック』のカップリング曲「ココア・パンケーキ・ベイビー」や、凛空の煽りを合図に始まったタオル回しの定番曲「ピースサインミーティング」では、長年一緒に育った兄弟のように無邪気にじゃれ合う5人。カラフルなペンライトに照らされながら、タオルを片手に駆け回るメンバーの熱気とハッピーオーラは、配信を視聴していた留守番組にもしっかり届いていたようだ。

 さて、問題はここから。メンバーが捌けた後、突如、ステージスクリーンに宇宙空間を思わせる映像が流れ始めた。映し出されたのは、力士の着ぐるみを着て瓦割りをする凛空の姿。続けて、撮影現場に自宅から持参したという竹刀で殺陣を披露する、力士・関汰。瞬間移動能力を使って海外を飛び回る、という設定の力士・アラン。今や見慣れた光景となった山盛りの白米を美味しそうに食べる橙摩(力士バージョン)が映し出されると、配信のコメント欄には困惑のツッコミコメントが並んだ。するとトドメを刺すように、ハロウィンライブにのみ現れる“スーパーミヤマン”(雅)までもが登場。自作した「スーパーミヤマンのテーマソング」のMVまで流れるという熱の入れ具合には、正直驚かされた。しかし、すかさず映像通りの格好の5人がステージに現れ、懐かしの名曲「RIKISHI-MAN」を披露すると、会場内から驚きの様子が見られた。一見ふざけているように思える衣装だが、2013年に初期メンバーが発表した同曲をその姿で届けたのは、卒業した先輩たちへのリスペクトや風男塾を背負う一員としての覚悟があってこそ(多分)。

 一足先に早着替えした“みやとま”が披露した「Fighting Man」も、コンサ・ドゥ・ワニーナワニーナ(赤園虎次郎、愛刃健水、仮屋世来音によるユニット)から受け継いだダンスチューンであり、当時のメンバー同様、ダンスに特化した2人ならではの迫力あるパフォーマンスで会場を沸かせた。さらに、5人揃っての「DDD」では、“みやとま”が考案したセクシーな振付で風王を誘惑。挑発するようなアランのシャウトや、間奏で見せた関汰のロンダートなど、こちらも見どころ満載の1曲に。昨年リリースした「WE ARE LIGHT SAVERS」も、見事なフォーメーションダンスで5人のチームワークを見せつけた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる