AKB48、次なる指原莉乃となる逸材は? 大盛真歩、山内瑞葵……新バラエティクイーンへの期待
4月7日深夜より放送がスタートしたバラエティ番組『AKB48 サヨナラ毛利さん』(日本テレビ系)。メンバーの大盛真歩は、4月3日に開催されたライブイベント『AKB48 LIVE SHOW 〜AKBINGO! THE FINAL サヨナラ毛利さん〜』のなかで他の候補メンバーを打ち破り、見事番組センターの座をつかんだ。
土田晃之の一言で開花した指原莉乃
AKB48はこれまでバラエティ番組で活躍するメンバーを次々と生み出してきた。筆頭格は指原莉乃で、グループ在籍中からさまざまなバラエティで活躍していた。だがそのきっかけとなったのは、ほかのメンバーよりアイドル的要素がすべて劣ると自覚したこと。自著『逆転力 〜ピンチを待て〜』(2014年/講談社)では正統派路線を早々に諦めたと記しており、「こうなったらもう、私は喋るしかないな、と。MC(トーク)を頑張ったほうが、ここで輝く近道だと確信しました」と方向を切り替えたという。
指原はよく「出演番組で爪痕を残し続けてバラエティクイーンの座に就いた」と思われている。しかし彼女の考え方は真逆だ。確かに爪痕を残すため、歯に衣着せぬ発言などで気張っていた時期もあったとのこと。だが『さしこのくせに〜この番組はAKBとは全く関係ありません〜』(TBS系)で共演した土田晃之から、「無礼をおもしろいと思っているのは間違いだ」と注意されるなど、たくさんの失敗を重ねながらバラエティでの対応力を磨いたという。そしてレギュラーをつとめた『笑っていいとも!』(フジテレビ系)では、タモリらとの共演を通じて、ぐいぐいと前に出るのではなく、その場を楽しむ姿勢を身につけたと語っている。
指原のバラエティ力をもっとも感じさせたのが、スキャンダルへの対応だ。指原は共演者にあえてスキャンダルのことをイジってもらい、笑いへと変えていった。自著では、悲しい感じや腫れ物にさわる感じにならないよう、自分のなかでネタ化したと明かしている。それらの経験が、指原をバラエティクイーンへと押し上げていったのだろう。
大家志津香もバラエティで大活躍した。『くりぃむクイズ ミラクル9』(テレビ朝日系)で珍回答を連発して笑いをあつめ、脚光を浴びるようになった彼女。グループ卒業を控えた2021年12月22日放送回でも、卒業理由について「腰が痛くなってきちゃって」と発言。MCの上田晋也(くりぃむしちゅー)から「どんな理由だ」とツッコまれていた。峯岸みなみも自分をネタにして笑わせるのが上手かった。その武器はグループ卒業後も、『トークサバイバー!』(2022年/Netflix)などで生かされている。いずれも、自虐性をまじえながら観るものを引きつけていった。
大盛真歩の持ち味は“ツッコまれ力”
今回、番組センターに抜てきされた大盛は、そういった先輩たちとは少し印象が違う。彼女のおもしろさは“ツッコまれ力”であると考える。
たとえば4月5日放送『AKB48、最近聞いた?〜一緒になんかやってみませんか?〜』(テレビ東京系)で、地元・茨城のラジオ番組に出演したときのこと。故郷凱旋とあって「今日、私はずっと茨城弁で喋っかんね」と意気揚々と宣言しながら、次の瞬間には標準語に逆戻り。舌の根も乾かぬうちの出来事に、共演の服部有菜、久保怜音、そして番組スタッフも思わず「全然喋ってない」と総ツッコミをいれていた。
大盛はトークをリードするタイプというより、真面目に進行していながらも少しだけズレていて、そのスキを周りに突かれる様子がおもしろい。『AKB48 サヨナラ毛利さん』でも、番組の中心でありながらどんどんツッコミをいれられるのではないだろうか。