嵐、聖地ハワイに刻まれた記録と記憶　ライブフィルム上映で再び凱旋果たす意義

15周年ライブ『ARASHI BLAST in Hawaii』の軌跡

　2014年、デビュー15周年を迎えた嵐は9月20日、21日に『ARASHI BLAST in Hawaii』を開催した。現地には嵐ファンが集結し、その経済効果は20億円以上ともいわれ、その影響力の大きさを見せつけた。また同公演は日本国内の映画館209館でライブビューイングが行われ、日本からもファンがうちわやペンライトで声援を送った。同公演でハワイに降り立った5人に、当時『嵐 LIVE & DOCUMENT～15年目の告白〜』（NHK総合）をはじめ、冠番組の『VS嵐』（フジテレビ系）、『嵐にしやがれ』（日本テレビ系）、『櫻井有吉アブナイ夜会』（TBS系、現『櫻井・有吉THE夜会』）がそれぞれ密着。『VS嵐』では慰労会として5人だけで買い出しを行い、コテージで過ごす様子が放送された。豪華なコテージに相葉の運転する車を番長停めにして到着した5人。コテージ内のプールではしゃぐ相葉や二宮和也の姿に「くだらねぇ」とコメントする櫻井翔が誰よりも楽しそうな表情だったことも印象的だった。番組内で感極まった大野智が涙したことから、“ハワイで大野が泣いちゃった”が放送回のサブタイトルになるなど大きな反響を呼んだ。海を望む場所に置かれた5つの椅子に座るメンバーの後ろ姿から強い絆を感じ取ったことを鮮明に思い出した。

　また『櫻井有吉アブナイ夜会』では櫻井が宿泊しているホテルの部屋の様子や買い物に密着したが、部屋に松本と大野が突如現れた場面も。その際、酔った松本が発した「グーテンモルゲン」（ドイツ語で「おはよう」）という一言も、普段はクールなイメージの松本が見せたおちゃめな姿としてファンの間で大きな話題となった。

　『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』は、『ARASHI Anniversary Tour 5×20』における2019年12月23日の東京ドーム公演で行われたシューティングライブを収録した作品で、嵐と5万2000人のファンの姿を125台のカメラで捉えている。嵐5人と会場が一体となった圧巻のライブパフォーマンスはファンだけでなく、これまでTVでしか嵐を見たことがなかったという人たちにも大きな感動をもたらした。1999年に「世界中に嵐を巻き起こす」と誓った嵐は、実際にトップアイドルとなり、23年の時を経て聖地ともいえるハワイに再び凱旋するのだ。

　嵐が活動を休止して1年と4カ月が過ぎようとしているが「嵐の代わりは嵐しかいない」という思いは日を追うごとに増すばかりだ。イベント当日は1人でも多くの嵐ファンが映画館へ足を運び、再び感動のひとときを過ごしてもらえることを願う。