KinKi Kids、King Gnu、東方神起、TWICE、JUJU……3月16日リリースの新譜より5作品をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は3月16日リリースのKinKi Kids『高純度romance』、King Gnu『カメレオン』、東方神起『Epitaph』、TWICE『#TWICE4』、JUJU『ユーミンをめぐる物語』の5作品をピックアップした。(編集部)

KinKi Kids『高純度romance』

 デビュー25周年イヤー第1弾シングルの表題曲「高純度romance」は、作詞を松本隆(「硝子の少年」「スワンソング」など)、作曲をマシコタツロウ(「Harmony of December」「変わったかたちの石」など)が担当。アレンジは冨田恵一が手がけ、ソウル、R&Bのテイストを取り入れたミディアムチューンに仕上がっている。豊かなストーリー性と心地よい叙情感が一つになったメロディとともに描かれるのは、大切な人とのかけがえのない結びつき、そして、こんな時代だからこそ希望を持って進んでいきたいという願い。堂本光一、堂本剛の四半世紀以上続く関係性と、リスナーの日々に彩りを与えるポップソングの役割が同時に伝わってくる、新たな名曲の誕生である。濃密なグルーヴで楽曲に深みを与える剛の歌声、正確なリズムとピッチによって楽曲の軸を担う光一のボーカルも素晴らしい。(森)

KinKi Kids - 高純度romance【Official Music Video】(short ver.)

King Gnu『カメレオン』

 “エキゾチックな印象派”と呼びたくなるピアノ、心地よくレイドバックしたビート、独特なファルセットを活かしたメロディが合わさり、快楽的な音像を生み出す。菅田将暉主演のドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)の主題歌として話題を集めた「カメレオン」は、現代的なブラックミュージック、現代音楽などを有機的に結びつけた、King Gnuの独創性を前面に押し出したミディアムチューン。高度な音楽理論、そして、脱構築と称すべきアバンギャルドなアイデアをぶつけ合いながら、誰もが楽しめるポップスに結実させる離れ業は、ここにきてさらに飛躍を遂げている。オートチューンの使い方やオルガンの音色がもたらす幸福感など、細部にまでこだわり抜いたプロダクションにも注目してほしい。(森)

King Gnu - カメレオン

東方神起『Epitaph』

 日本デビューからまもなく18年目を迎える東方神起によるミニアルバム『Epitaph』が到着。重々しいドラムとギターが印象的なグラムロック調のタイトル曲「Epitaph -for the future-」のほか、恋へ落ちていく様を最小限のサウンドで表現したダンスチューン「Like Snow-White」、竜巻を追跡する観測者・専門家を指すタイトルを掲げながら愛を歌うアンセム「Storm chaser」など、東方神起としての新章を刻みつける作品だ。各楽曲の濃厚さとクオリティは、ミニアルバムとコンパクトに集約されたからこそ伝わるものであり、ユンホとチャンミンのボーカルがこれまで以上に洗練されていることも実感できる。

東方神起 / 「Epitaph -for the future-」Music Video Teaser

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