石田ゆり子=lilyに癒されるリスナー続出? 大橋トリオプロデュース曲に滲み出る独自の感性
「大橋トリオさんがプロデュースして下さり、長年のファンだった私としてはこの上ない幸せです」という石田。大橋トリオは、すべての楽器を一人でこなすマルチプレーヤー/音楽プロデューサーで、自身のリリースの他、映画やドラマ、CMなどの楽曲も手がける。楽曲提供やプロデュースも行い、2020年には上白石萌音のアルバム『note』に収録の「Little Birds」で作曲・編曲を担当している。
lilyの2ndシングル「うたかた」は、ゆったりとした穏やかなリズム、クラリネットなど木管楽器のやさしい音色、郷愁を誘うオルガンによる、ジャズやアコースティックを基調とした、大橋らしい自然味に溢れた楽曲だと言える。
歌詞は、石田自身が手がけた。休日の昼下がり、温かな日差しを浴びながら、愛犬の散歩がてら街を散策。大好きな人とお気に入りのものに囲まれて、自分のペースでゆったりと暮らす彼女のライフスタイルが、そのまま反映されたような歌詞だ。石田は大切な家族(ペット)との暮らしを記した『ハニオ日記』を始め、様々なエッセイを手がけており、そのライフスタイルや言葉の感受性の豊かさは、ファンの間では知られている。「うたかた」では、シンプルで飾らないがちょうど良い塩梅でツボを付いた、感性溢れる彼女の言葉が、優しく包み込むような歌声と共に耳に届く。
「うたかた」とは、泡のように儚く消えゆくもの。住み慣れた街でも、ふと視点を変えればこれまで見えなかったものが見えて、当たり前だったものが当たり前ではなかったことに気づく。しかしそんな当たり前は「うたかた」で、気づいた時には過ぎ去っていることが多いもの。どこか後ろ髪を引かれながら、新しい明日が始まる。石田ゆり子のライフスタイルや感性を通して、今という時代を見つめ、新たな気づきを与えてくれるような楽曲だ。
※1 https://www.instagram.com/p/CaXwQFPhfh1/