バラエティ、俳優、音楽……池田エライザ、多種多様なシーンにフィットできる要因は?

 2022年より『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の人気コーナー「グルメチキンレース ゴチになります!」(以下「ゴチになります」)の新メンバーとなり、また現在公開中の映画『真夜中乙女戦争』など映像作品への出演も続いている池田エライザ。ELAIZA名義での音楽活動も順調で、2021年11月には1stアルバム『失楽園』をリリース。さらに2月25日公開の映画『ライフ・ウィズ・ミュージック』では日本版カバーソングも担当している。

映画『ライフ・ウィズ・ミュージック』ELAIZA Japanese cover MV【2月25日(金)公開】

 このように現在進行形で多才さを発揮している池田。そんな彼女の持ち味は、メジャーシーンでポップスターにもなれるし、アート系のクリエイターにもなれるという自在性ではないだろうか。

ポップ系からアート系まで幅広く探求

 たとえば2月3日放送の「ゴチになります」では、制服衣装を初めて披露したほか、「自分の殻を破りたい」と空手キックに挑戦した同じく新メンバーとなった高杉真宙に続いて、池田も強烈なハイキックを披露。蹴りを受けた極真空手世界一の実績を持つゲスト・横浜流星も、「形もいいし、力がすごく強い」と絶賛した。さらに高杉とボルダリング対決をおこなって勝利するなど、同回では腕っ節の強さで番組を大いに盛り上げた。ゴールデンタイムの人気バラエティで存在感をきっちりと放てるところは、池田の強みとして今後より広く認知されていくだろう。

新メンバー絶好調!?【高杉&池田のゴチ反省会#2】

 さらに、2月5日放送『千鳥かまいたちアワー』(日本テレビ系)では、千鳥、かまいたちと即席バンドを結成し、ミュージックビデオの撮影に挑んだ。バラエティの企画ではあるが、池田はディレクター的な役回りも担い、真剣な表情で照明やカメラワークを念入りに調整。さらにボーカルとして歌っている自分の背景で、千鳥やかまいたちにどんな佇まいをしてほしいかなど、歌詞に合わせて細かく世界観を作り込んでいった。同回では、彼女のポップな面と作家性の両面を感じることができた。

 一方で、2020年には映画『夏、至るころ』で監督としてもデビュー。同作は、地域の食と高校生をテーマにした“ぼくらのレシピ図鑑”シリーズの第2弾で、現代の若者像や地方の町の姿を丁寧に描き出し、新たな一面を見せた。

 池田がアート系の映画や本が好きであることはよく知られている。好きな映画監督には、レオス・カラックス、フランソワ・トリュフォー、ジョン・カサヴェテスらを挙げ、自著『@elaiza_ikd LEVEL19→20』(2016年/小学館)のなかでは好きな映画作品として、チェコスロバキア映画の『ひなぎく』(1966年)、ジャン=リュック・ゴダール監督作『気狂いピエロ』(1965年)などを紹介。特にウェス・アンダーソン監督作品がお気に入りだそうで、『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)や『ダージリン急行』(2007年)といったタイトルを挙げてている。だが、決してアート系作品だけに傾いてはおらず、各インタビューでは「ディズニー映画『カーズ』(2006年)は100回以上観ている」(※1)というコメントも残している。

 また読書量も多く、前述した自著内では赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』(1978年)、ジョルジュ・サンド『愛の妖精(プチット・ファデット)』(1849年)、ヘミングウェイ『老人と海』(1952年)からJ・K・ローリング『ハリー・ポッターと賢者の石』(1997年)まで、映画同様に色々な小説に手を伸ばしていることを明かしている。『ユリイカ』(青土社)、『現代思想』(青土社)といった文芸誌を読むようになったのも、この時期からだと記述されている。

 ポップからアート系のコンテンツまでカバーしている彼女の豊かな知識と果てなき興味こそが、多種多様なシーンにフィットできる要因なのかもしれない。

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