ドラマ『ファイトソング』、間宮祥太朗の歌声が話題 「スタートライン」と原曲 Perfume「STAR TRAIN」の共通点も
〈気づいてくれる人がいる 誰も見向きもしなくても〉
間宮祥太朗の優しい歌声に賞賛の声が集まった。間宮が歌を披露したドラマ『ファイトソング』(TBS系)は突然夢を絶たれてしまったヒロイン・花枝(清原果耶)が、とあることをきっかけに自身の“ファイトソング”として聴いていた曲「スタートライン」の作曲家兼ボーカルの芦田春樹(間宮祥太朗)と出会うラブストーリーだ。岡田惠和オリジナル脚本で、恋と成長の物語が優しいメロディと共に紡がれる。
多くの人の心を掴んだのは、第1話での間宮の歌声だ。間宮演じる芦田はバンド・PARKSの元メンバーであり、現在は売れないミュージシャンとして冴えない日々を送っている。そんな時に、ハウスクリーニングで訪れた花枝が過去にPARKSが大ヒットするきっかけとなった楽曲「スタートライン」を大切にしているという話を聞き、花枝に「スタートライン」をピアノの弾き語りで聴かせた--このシーンで間宮は実際にピアノを弾きながら「スタートライン」を口ずさみ、花枝の心だけでなく視聴者の心にまで深く突き刺さる歌声を披露した。もともとCMや連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合)などで歌っていたこともある間宮だが、今回の芦田役では、その歌唱力がさらに多くの人に知られるきっかけに。加えてその歌声が、まさに芦田のキャラクターをよく表すような深く、優しく、思慮深いものだったことで瞬く間に注目を集めた。
TBS公式YouTubeチャンネルからは第2話放送前に「間宮祥太朗が歌う「スタートライン」未公開カット編集版『ファイトソング』【TBS】」として芦田が弾き語りをしている姿と歌声を再編集した映像が公開された。その後、同チャンネルからは「間宮祥太朗が歌う「スタートライン」PARKSバンド音源&未公開カット特別MV『ファイトソング』【TBS】」として同じ楽曲のバンドアレンジバージョンも公開され、PARKSの演奏している映像と共に、バンド結成の軌跡や芦田がまだ路上ライブをしていた頃の姿も映し出される。第2話のシーンより長尺になり楽曲をフルで聴くことができることに加え、PARKSがアーティストとして作品の中でどういったバックグラウンドを持っていたのかがわかりやすくまとまっている。
同時にこれらの楽曲のアレンジの違いも重要なポイントだろう。芦田が花枝に弾き語りをして聴かせたシーンでは、MV版で披露されている疾走感あるバンドサウンドではなく、心に語りかけるようにゆっくりと染み渡るアレンジになっている。このシーンは1話という作品の導入でありながら、花枝がこれまで涙を流せなかった心の“つかえ”をはずす重要なシーンであり、芦田の歌、「スタートライン」の歌詞、そしてPARKSという存在の全てに大きな意味が生まれる瞬間でもあるのだ。このピアノのアレンジは、花枝が“ファイトソング”として心の支えにしてきた勢いのあるバンドサウンドとは対照的に、背負ってきた苦労の全てを涙で洗い流し、包み込むような広い愛を感じさせるものとなっていた。