平井 大、ハッピーなサプライズも飛び出した特別な一夜 大きな愛に溢れたツアー最終公演レポ

平井 大、全国ツアー最終公演レポ

 昨年9月にスタートし、全20公演が開催された平井 大の全国ツアー『HIRAIDAI Concert Tour 2021-22』の最終公演が、2月23日に東京ガーデンシアターで行われた。人気曲を多数演奏したほか、アンコールではサプライズも飛び出すなど、ツアーを締めくくるステージは大きな愛に包まれた。5月には約3年ぶりとなるビーチライブ『HIRAIDAI presents THE BEACH TRIP 2022』も決まっていることから、その日の再会を誓い合う夜ともなった。

 波の音が静かに流れる会場。平井のライブは、いつもシンプルイズベスト。自然体の笑顔と心地良い音楽で、心に溜まったストレスを全部洗い流してくれる。

 ストリーミング総再生回数1.3億回を超える代表曲「Slow & Easy」で始まったライブ。ウクレレの弾き語りで楽曲が始まり、オレンジのライトがステージを照らすと、会場は一瞬で夕暮れのビーチへと早変わりした。

「お久しぶりですね、東京でライブをするのは。けど外は寒いね。この会場だけでも夏を取り戻しましょう」

 MCに続いて軽快なサーフロックチューン「Malibu Girl」を繰り出す。同曲は昨年、“Sunday Goods”をテーマに3週間に1度のペースで日曜日に連続配信したうちの1曲。歌詞にThe Beach Boysの楽曲が登場するなど遊び心溢れるナンバーに、観客は手拍子をしながら体を揺らす。間奏では平井のギターソロで会場を沸かせた。

 TikTokでも人気の楽曲「Buddy」は、カラフルな花畑の映像がバックに映し出され、観客も一緒に口ずさみたくなるような雰囲気で、思い思いの形で楽しんだ。一転、星空の映像をバックにムーディなサウンドを聴かせた「星にのせて」では、〈受話器にキスをした〉という最後の歌詞に合わせ、マイクに向けてキスをするなど会場を沸かせるお茶目さも。

 「みんなのスマイルが輝いている。世界中のどこの誰よりも」というコメントと共に聴かせた「Beautiful」では、天井から無数の電気スタンドの傘がぶら下がり、まるでベッドサイドで歌い聴かせるような演出がロマンチック。まったりとしたサウンドに乗せた〈キミはキミのままで〉という、優しくも温かいメッセージが胸の奥にまで響いた。

 「Promise」は、演奏前に「今日この会場に、最近結婚した方はいますか?」と会場に問いかけ、手を挙げた新婚のカップルに贈られた。最後、カップルに向けて平井から「おめでとう」と優しい言葉がかけられると、会場も温かい祝福の拍手で包まれた。

 昨年の連続配信第1弾の楽曲「タカラモノ」は、アコースティックとビートを融合した平井流のヒップホップナンバー。ミラーボールが回り、会場はキラキラとした光に包まれる。日常にある小さな幸せへの気づきがテーマの楽曲で、平井は大きく手を広げて歌い上げ、その姿は、自分にとっての宝物はみんなのことだと表現しているかのようであった。

 「祈り花」は、パーカッションの情熱的な演奏に続いて届けられた。切ないムード、その奥に広がる熱い思い。中には何かを思い出したかのように涙ぐむ人も。そんな「祈り花」から「THE GIFT」へと続く流れは、実に胸を熱くさせた。『映画ドラえもん のび太の月面探査記』主題歌として幅広い世代を感動させた同楽曲では、バックに美しい地球の映像が映し出される。切ないメロディ、儚いファルセット、きっと誰もが大切な人との出会いの〈キセキ〉を噛みしめたことだろう。

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