ALI、壮絶な1年から生み出した見事な復帰作 Leoが明かす、絶望の果てで音楽に刻んだ希望と生き様

ALI、壮絶な1年から生み出した復帰作

木村昴や黒田卓也をゲストに迎えた理由

ーー今回のシングルでは4曲中3曲でゲストがフィーチャーされていて。R-指定含め、これもALIらしい人選になっていますね。

Leo:俺らにしかできない、わかる人はちょっとニヤニヤする組み合わせにできたかなと。

ーー「Whole Lotta Love」で客演している木村昴さんはもともと知り合いなんですか?

Leo:昴は23〜24歳のころ、渋谷のバーで働いているときに出会って。あいつもラップがずっと好きで、The John's Guerrillaのときも一緒にイベントやったりしていたんですよ。それでいつか一緒に曲をやったり、大きいところでライブやろうなとか言ってたら、あいつはどんどん売れていって。俺はいろいろ道草を食って、10年ぐらい待たせた形で、ようやく今回叶ったんです。だから去年1回出せなくなったときは、もうダメかもなと思ったんだけど、昴はあんなにスーパースターなのに「全然待つし、ブルーノートも喜んで一緒にやるから」と言ってくれて。支えられてばっかりですね。

ーーこの曲に〈Hero〉という言葉が出てくるじゃないですか。それがキーワードになっている曲なんですけど、これは誰に向けて書かれた言葉だと思いますか?

Leo:振り返ると、昴はアニメの声優としてやっているから、「いつか一緒の作品でやれたらいいね」と言っていたんですけど、『BEASTARS』(フジテレビ系)のときはタイミングがすれ違いだったんですよ。そしたら『呪術廻戦』でバチっとハマって、「やった! じゃあ次は曲で一緒にやろう」と話していたことが、これに繋がった。ただその前に、去年オープニングテーマをやるはずだった『すばらしきこのせかい The Animation』(TBS系)にも彼は声優として出演していて、一緒にやることが叶わなかったんですよ。そうやって、いろんな気持ちを込めた俺ら2人に対してのメッセージだったのかなと思いますね。だからブルーノートで初披露したときは、2人で涙して「情けねえな」みたいな(笑)。

ーーなるほど。一方、「FOUND BLUE」の黒田卓也さんは?

Leo:黒田さんは俺が大好きで。俺は「グラミー賞を獲りてえんだ」とずっと言ってるから、やっぱり世界を知っている人とやりたいじゃないですか。2〜3年前かな、LAにレコーディングしに行ったときに、現地のカメラマンが偶然、黒田さんのアー写を撮っている人で、そこから伝手をたどって黒田さんのチームに近い人たちと会うことができたんです。それで、どうしてもこの曲には黒田さんのトランペットが必要だと思って、「なんとか本人に当たれないかな?」という話をしたら、黒田さんが近々忘年会でバスケをやるらしいと聞いて。そこにいきなり、メンバーとスーツを着て出かけて行って、バスケに参加したんです(笑)。「あいつ何だ?」って言われるわけですよ。でも黒田さんも面白がってくれて、そこからの繋がりですね。

ーーその甲斐あって、本当にすごく新鮮なALIのサウンドになっていますよね。

Leo:そうそう。しかも、もっと上手にこなせるだろうところを、めちゃくちゃ土着的な音でやってくれて。俺的にはリトル・ウォルターのブルースみたいにやりたかったんですけど、それを一発録りでやれたんですよ。何十年選手と一緒にやるとやっぱり目が死んでいないし、優しくて、音楽に対してすごくピュアで、自分もこうなりたいなって思うんです。音楽って引き継げるものじゃないですか。俺もいつか若い子たちとやるときは、そういうふうに音で遊んで、先人のやり方を引き継いでいきたいなって思いました。

ーー僕は個人的に「Dance You, Matilda」がすごく好きなんですよ。

Leo:わかってくれますか! 今、これをメジャーレーベルで出せる人、そうそういないと思いますよ。だから俺は嬉しいんです。ニック・ケイヴ、トム・ウェイツ直系で、スーツと男の汗! みたいな。これをやりたかった。

ーーまさにロック史の演歌ですよね。やさぐれて、孤独で、男くさい主人公というのは、Leoくん自身が投影されているんですか?

Leo:これは俺がなりたい男ですね。他の3曲のほうが、直球で俺そのものを表現しているんですけど、「Dance You, Matilda」は映画の世界というか、演じているなりたい理想像を描いていて。ライブの1曲目でやるので、「仁義なき戦いのテーマ」を弾いてから、この曲に繋げているんです。大事な、末永くやっていく曲だと思う。

ーーなるほど、直球だね(笑)。

Leo:そうなんですよ。俺、例えばコーチェラ(『Coachella Valley Music and Arts Festival』)に出るとなったら、何をやるかっていうところまで考えて、もうイメージができてるんです。映像を使わずになるべくフィジカルで表現しつつ、海外ではやっぱり“メイド・イン・ジャパン”でありたいから、ステージ上に襖と畳を準備して「仁義なき戦いのテーマ」とともにガッと開くと、刺青だらけの女性がいるみたいな(笑)。

ーー(笑)。そして、その4曲を集めたシングルに『INGLOURIOUS EASTERN COWBOY』というタイトルがついたわけですが、これは?

Leo:やっぱり(クエンティン・)タランティーノの映画から来ていますね。タランティーノの、いろんなものを使って最高の天国を作っている作風が好きで。ALIもいろんなカバーとかミックステープから出てきたバンドだし、いいものはいいし、時代関係なく遊んで行こうぜっていう表現をしたいなと。あとは「恥ずべき東のカウボーイ」というのは俺の生き様そのものですね。映画のような体裁を取ってるけど、実はノンフィクションだし、今も上映中だよっていう。

ーー自分の人生を「イングロリアス(恥ずかしい)」と思ってるんだ。

Leo:それはもう、恥ずべき人生、不名誉な人生ですよ。だけど、この映画の中ではみんなをぶちのめしていくんで。俺が死ぬまでーー死んだ後も続くかわからないですけど、そんな映画がスタートしたぞっていう。乞うご期待ですよ。

※1:https://www.instagram.com/p/CWafLNsPLDj/

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<締切:2022年3月19日(土)>

ALI『INGLOURIOUS EASTERN COWBOY』ジャケット
ALI『INGLOURIOUS EASTERN COWBOY』

■リリース情報
2022年2月23日(水)リリース 
ALI 復帰第1弾デジタルEP『INGLOURIOUS EASTERN COWBOY』
M1. TEENAGE CITY RIOT feat. R-指定
M2. Whole Lotta Love feat.木村昴
M3. FOUND BLUE feat.黒田卓也
M4. Dance You, Matilda

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