ヒグチアイ、『進撃の巨人』EDテーマがバイラルチャート急上昇 アニメ映像と見事にマッチする力強く開放的な歌声
「悪魔の子」は1月31日付のバイラルデイリーチャートで3位に初登場。以降、チャート10位内をキープし、今週のウィークリーチャートで4位を記録した。Spotifyでの同曲の再生回数は、間もなく1000万回に届く勢いだ。さらに「悪魔の子 (アニメスペシャルVer.)」のMVは約480万回再生を記録し(2月7日現在)、アニメ放送のクライマックスに向け、視聴回数が伸び続けることが想像できる。
「悪魔の子」はストーリー性のあるミディアムバラードだ。ピアノの静かな調べから始まるイントロと、ヒグチのアルトボイスを生かした前半は、中低音を中心にした憂いあるメロディで進む。ケルティックな趣のある音を入れたアレンジも、北欧神話と親和性の高い『進撃の巨人』の世界観をよく表している。一転して、サビはダイナミックで開放的。ヒグチもファルセットなどを使い開放感を表現し、力強く上昇するような高音を響かせる。ミディアムバラードであることを忘れさせるようなスピード感も、特筆すべき魅力であろう。また、この曲のヒットには、『進撃の巨人 The Final Season Part 2』のエンディング動画と、楽曲が見事にシンクロしていることも大きく関係している。特にサビの歌詞をそのまま映像にしたような演出は、「悪魔の子」を印象づけるには十分だ。また、このエンディング映像には最初の方から中盤にかけ、少年時代の主人公・エレンが登場するが、このシチュエーションにヒグチアイの中性的な声質がとてもマッチしている。まるで少年・エレンの心の声のように、映像と歌声がシンクロしているのだ。
映像と楽曲のマッチングによるシンクロ効果は、これまでもこれからも、多彩なアプローチで私たちを楽しませてくれると思う。しかし、“歌声と映像”のシンクロは、なかなかお目にかかれないだろう。今週もいろいろ考えさせられる、刺激的な楽曲と出会うことができた。