Sexy Zoneメンバー分析 第4回:松島聡、堂々と振る舞うムードメーカー ありのままの素直さでグループの推進力に

 昨年、デビュー10周年を迎えたSexy Zone。グループとしてはもちろん、近年は個々の活躍にも注目が集まる。彼らの経歴を振り返りながら、改めてその魅力を紹介したい。第4回は松島聡。

Sexy Zone
Sexy Zone

 2011年、ジャニーズ事務所に入所。そこからCDデビューまでの期間は約9カ月と、Sexy Zoneメンバーのなかでも最短である。出身は静岡県で、ジャニーズJr.時代のレッスンも、デビュー後しばらくの仕事も、新幹線で東京まで通っていた。

 当時中学2年生だった松島は、大きな瞳が印象的な、実年齢よりもずっと幼く見える少年。Sexy Zoneのデビューが世間に衝撃を与えた要因の一つはそのあどけなさだが、なかでも佐藤勝利、松島、マリウス葉が放つ初々しさは、そうしたグループのパブリックイメージを強めていたように思う。

 松島の魅力のなかで、とりわけ光ったのは度胸の良さ。トークにおいても臆せず発言し、結成当初からムードメーカーだった。パフォーマンスでは、その堂々としたふるまいが視聴者の目を引いた。松島の弾けるようなダンスとハイトーンボイスこそ、グループ名の由来である「マイケル・ジャクソンのようなセクシーさ」に説得力を与えたといっても過言ではない。数々の楽曲でキーとなるパートやハモりを任され、初期のSexy Zoneサウンドに瑞々しさや彩りを加えている。

〈大人の決めたやり方/それが正解なの?〉

 これは、デビュー曲「Sexy Zone」で松島がソロを担当したパート。王子様然としたビジュアルコンセプトを掲げ、ジャニーズの王道アイドルであることを示しながら、どこか「一筋縄ではいかない」存在であることをデビュー曲に託したSexy Zone。前回までに述べてきた佐藤の強い眼差しや、中島健人のギラギラとした熱量、菊池風磨の刹那的な魅力にも重なるのだが、Sexy Zoneはただ眩いだけではなく、月と太陽のように相反する輝きを持ち合わせた存在だ。そうした「グループ性」を象徴するに相応しいデビュー曲において、フックともいえるこのフレーズは、松島のまっすぐな歌声により、一層メッセージ性が加わった。

Sexy Zone 「Sexy Zone」 (short ver.)

 こうした歌詞を歌いこなせるほど、まるで怖いものなしのようにも見えたデビュー当時。本当に何も怖くないほど、幼くはなかったはずだ。それでも、松島が見せてくれる思いきりのよいパフォーマンス、屈託のない明るい笑顔や元気は間違いなくグループの強みであり、松島の強みだった。

 まもなく変声期を迎え、日々成長し変化していくなかで、自身の魅力や見せ方に迷っているように思えた時期、松島が松島らしく、無邪気ではいられなくなった時期もあったように思う。これはあくまで筆者の憶測だが、「ファンを笑顔にしたい」といつも頑張る松島だからこそ、「ファンが見たい自分」であろうとしすぎていたのかもしれない。とはいえ、そうした努力が実を結び、バック転の習得にも繋がっている。

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