Sexy Zoneメンバー分析 第3回:菊池風磨、深い優しさを持つ兄貴 真摯にチャレンジする生粋の“負けず嫌い精神”も

 今年、デビュー10周年を迎えたSexy Zone。グループとしてはもちろん、近年は個々の活躍にも注目が集まる。彼らの経歴を振り返りながら、改めてその魅力を紹介したい。第3回は菊池風磨。

Sexy Zone
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 2008年、中学2年生のときに自ら履歴書を送り、ジャニーズ事務所に入所。何事も続かず、打ち込めるものがほしくてオーディションを受けたというが、この年齢でそうした自己分析をしていたこと、何かに没頭したいという熱を秘めていたこと、そして自ら手を伸ばしたジャニーズに今も打ち込んでいること、すべてが菊池らしい。

 2011年9月29日、Sexy Zoneの結成が発表された。少々センシティブな話題ではあるが、中島健人と菊池はSexy Zone結成前に一度、CDデビューの夢を掴みかけたことがある。同世代と切磋琢磨し、先頭に立ってきた彼ら。まだ幼いメンバーと新しいグループを組み、薔薇を携えた王子様としてデビューすることにきっと戸惑いはあっただろうし、16歳といえばまだ、それを隠せるほど大人でもない。どこか浮世離れしたメンバーが揃うなかで、菊池は唯一「現実世界」の男の子、という印象だった。現実と理想の狭間にいる不安定さ、思春期らしい少々すれたところ、尖りーーそうした、刹那な魅力を放つ少年だった。

 当時の菊池は、大学受験を控えた高校2年生。舞台本番と学校、塾の往復生活は、アイドルとはいえ常に笑顔でいられるようなスケジュールでは到底なく、とても「何事も続かないから」ジャニーズに入ろうと思った少年の生活とも思えない。表立っては見せたがらないが、真面目で根気強い性格はもはや多くの人が知るところ。そしてその原動力には「負けず嫌い」がある。仕事に対し真摯に挑む菊池の姿勢は、『DREAM BOYS』にて演出を務めた堂本光一をはじめ作品をともにした多くの人が認めている。

 とはいえ、いまだやんちゃなイメージを持たれることも多い菊池だが、実生活では歳の離れた弟と妹を持つお兄ちゃんだ。松島聡、マリウス葉に対し、カメラの前ではあえて意地悪をしたりからかったりすることもあるが、それでもなお兄のように慕われる菊池の姿に、彼の本質がうかがえる。松島やマリウスの身体がまだ小さかった頃には、2人そろって菊池の膝の上に座っていたこともあるほどだ。

 佐藤勝利との関係も面白い。音楽や表現との距離感、グループの捉え方が似ているようにも思う。菊池が佐藤を弟扱いすることはあまりないが、気にかけていることが感じられ、例えば『ザ・少年倶楽部』にて、20歳を迎えた佐藤とともに自身のソロ曲「20 -Tw/Nty-」を披露したとき、思わず涙した佐藤をサッと抱き寄せ、頭をくしゃくしゃっと撫でた菊池の優しい表情が印象深い。今では年少組もみな成人し、かつてほどスキンシップをとったり、甘えてくることもない。けれど、いざというときに弟たちをガッと抱きしめられる大きな身体、頭を撫でる優しい手、その存在は大きい。ツンとして見せていても、やはり菊池はSexy Zoneの「お兄ちゃん」だ。

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