22/7(ナナブンノニジュウニ)が持つライブ表現の可能性 初のキャラクター単独配信公演を観て
「僕が持ってるものなら」を経て、最新シングル曲「覚醒」までを披露して、シングル表題曲で構成されたブロックは締めくくられる。「覚醒」では、冷え冷えとした街を背景にした同曲MVとは好対照にライブパフォーマンスの力強さを感じさせ、ストレートな台詞も躍動するキャラクターの口によって発せられることで、これまでとは異なる色を見せる。22/7の楽曲は、潜在的に常にリアル/バーチャル両サイドによるライブ表現の可能性を持っている。グループの理念からすればあらためて言うまでもないことではあるが、キャラクター単独ライブによって、そんな本来の22/7の可能性が顕わになった。
また夜公演では、11人のキャラクターのうち佐藤麗華、東条悠希、河野都、戸田ジュン、柊つぼみがグループから卒業することが発表された。それぞれに担当するメンバーのグループからの旅立ちに合わせ、キャラクターたちもまた22/7から旅立っていく。今回のライブのメインビジュアルにも全11人が顔を揃えていたが、この日はグループにとって重要な“11”という数字が区切りを迎える日ともなった。
その“11”をタイトルに掲げた2021年リリースの1stアルバムリード曲であり、22/7の言葉の力を示す楽曲「ヒヤシンス」でライブはフィナーレを迎える。この日は2022年にライブツアーが開催されることも告知され、リアルメンバーとしての次のパフォーマンスを早くも見据えることになる。キャラクターが独立してライブ表現を発展させることによって、リアルメンバーのライブパフォーマンスにも重層的な意味が生まれる。22/7という特異な可能性をもつグループにとって、キャラクター単独配信ライブの実現は、2022年以降にその潜在能力を具体化させるための大きな一歩となった。