『覚醒』インタビュー
22/7 天城サリー&海乃るり&河瀬詩&倉岡水巴&白沢かなえ&涼花萌が振り返る、激動の2021年 『覚醒』への手応えも語る
デジタル声優アイドルグループ・22/7(ナナブンノニジュウニ)が8thシングル『覚醒』を11月24日にリリースした。7月の1stアルバム『11という名の永遠の素数』で大きな区切りを迎えた22/7にとって、同シングルはグループの“第二章”幕開けを告げる作品となる。
同時に、今作リリース後にはメンバーの海乃るり、倉岡水巴、武田愛奈がグループを卒業、さらにはオーディションを経て新メンバー加入と、まさに変革期を迎えている22/7。今回はメンバーの天城サリー、海乃るり、河瀬詩と、倉岡水巴、白沢かなえ、涼花萌にインタビュー。彼女たちの背中を押す力強い新作の手応え、さらには転機を迎えるそれぞれの心境を聞いた。(香月孝史)【記事最後にプレゼント情報あり】
【オリジナル動画】メンバーが最近“覚醒”したことは?
天城サリー&海乃るり&涼花萌
――8thシングル表題曲「覚醒」は、これまでの22/7の表題曲にない力強さや意志を感じます。この曲を受け取ったとき、どのような印象を持ちましたか?
天城サリー(以下、天城):今言っていただいたように、これまでの表題にあまりない強い歌詞です。第二章が始まるってこういうことなのかなと思って、これからのナナニジが力強く明るい方向に進んでいけたらいいなと願いながら聴きました。
涼花萌(以下、涼花):すごく現実的に物事を見られているけど、それでも前向きに走り出そうと歌っている歌詞で、聴いて元気がもらえる曲やなと思います。
海乃るり(以下、海乃):これまでの表題曲は「僕なんか……」って言っているような人物が多かったんですけど、「覚醒」は今までにない強さがあって、本当にすごく響く歌詞です。
――海乃さんにとっては卒業前、22/7としてのキャリアのラストを飾るシングル制作でもありました。
海乃:今まで以上にしっかりと向き合おうと思っていたところ、これだったら私も前を向けて終えられるなって思えました。アルバムを経た上でのナナニジにふさわしい曲だと思うので、いろんな意味で勇気をもらえて、これからに向かえる強い楽曲になったんじゃないかなって。
――カップリングで言うと、全盤共通の収録曲「Just here and now」もまた、攻めた印象のラブソングですね。
天城:必死に誰かを愛して、抑えられなくなった恋心を歌った曲なのかなと思うんですけど、レコーディングのときにはその必死な息遣いも全部、音にして乗せてほしいというディレクションをいただきました。
涼花:曲を聴いたときに、「こんなに愛されてるなんて素敵」って思ったので、この曲をパフォーマンスするときは、歌詞の「僕」に愛されてるのは私のことなんだと思ってやろうと考えてます(笑)。
海乃:曲をいただいたときからめちゃくちゃ好きだったんですけど、それに素晴らしい振付もついてぴったりマッチしているので、目でも耳でも楽しんでいただける、今までにない大人なナナニジが見られる曲だと思います。
――「いつの間にSunrise」は対照的に暖かな印象の曲です。
天城:「覚醒」や「Just here and now」は、私たち自身ではない登場人物がいる感じなんですけど、これは22/7のメンバー個々人として表現をする曲だと思っています。卒業する3人にソロパートがあったり、周りのメンバーが3人に花道を作るような振付もあって、卒業メンバーを送り出すための曲ですね。
涼花:いただいたときから好きな曲調だったんですけど、みんなの声で完成されたのを聴いて、さらに好きやなって思いました。今言っていたみたいに、振付が入ってパフォーマンス込みで見るのが、一番素晴らしい曲なんやろなって思ってます。
――この曲に関しては、海乃さんはお二人とは少し立場が違いますね。
海乃:振付が付いて、みんなと目が合う場面になると、心にくるものがあって。最後にこんな素敵な曲を歌えて幸せだなと思います。ナナニジの曲なので特に私個人だけがどうということではないんですけど、今の状況が夜明けにたとえられていて、背中を押してもらっているなと思います。
――今回の新たな紅白ユニット曲では、3人とも紅組「今年 初めての雪」に参加しています。このシングル収録曲のなかで、一番平和なムードの曲ですね。
天城:やっとナナニジにクリスマスソングが来たかと思って、すっごく嬉しくて。みんな振り入れのときからルンルンでした。パフォーマンスするときには、会場を一気にほのぼのした雰囲気にしたいなと思います。
涼花:ダンスもすごく可愛いし、この曲をやるときは可愛さマシマシでハートとピンクだらけの会場になりそう(笑)。
海乃:かっわいい曲が来て、嬉しい! って思いました。台詞も振付も可愛いですし、歌えるのが本当に嬉しいです。冬と恋ってきっと、相性がとてもいいと思うので、「恋愛ソング!冬!来た!嬉しい!」って思いました。すみません、語彙力がなくて(笑)。
天城:白組のあいなっち(武田愛奈)が紅組の曲を見て、「ずっと見ていられると思った」「本当に可愛くて幸せな気持ちになる」って言ってくれたのがすごく嬉しかったです。私たちの方も、「永遠にやっていられる」という感じです(笑)。
新メンバーに期待するのは“ザ・パリピ”?
――グループとしては新メンバー加入のためのオーディションが行なわれ、大きな変化のタイミングを迎えます。オーディション開催と聞いたとき、初めにどんなことを考えたかは覚えていますか?
天城:新メンバー加入の話を初めて聞いた日、それ以外にも今後のナナニジの展開が一気に伝えられたんですよ。「まだ発表あるのか!」という感じで次々に来て、いろんな現実を受け止めきれていなかったので、一旦持ち帰りました(笑)。
――そこから一度時間を置いたのち、どのように受け止めていきましたか?
天城:もちろんメンバーおのおの、違う考えはあると思うんですけど。私は一周回って、新メンバーに、はちゃめちゃにしてほしいよねっていう気持ちが高まってきて(笑)。
涼花・海乃:(笑)。
天城:めっちゃ明るい、“ザ・パリピ”が入ってきてくれたら私は嬉しいなと。髪をブリーチしていたり、レインボーの髪色だったり(笑)。確かに、今のナナニジに新しい風を吹かせるのは新メンバーしかないなと思いました。
涼花:メンバーそれぞれが担当するキャラクターを大事にしているグループやと思うので、新メンバーがどういう形で入ってくるんやろうって驚いたのもあるんですけど、これから何かが変わっていくんやなっていう期待があります。私も、同じ時間を過ごすなら楽しいほうがいいやんっていう考えで生きてきたので、しんどいことも明るく乗り越えられるような子が来てほしいと思います。
――新メンバーが入ることで、22/7の空気が変わっていくきっかけにもなりますが、そのなかでも大事にしたいことや変えたくないところはあるのでしょうか?
天城:うーん、確かにグループのカラーはあるんですけど、そのイメージにすごく合っている子たちばかりというわけでもないんです。それこそ、暗い曲を歌っているときでも、私自身はどこかハッピーな気持ちで表現していたりもしますし(笑)。ファンの方々も、メンバー間の仲の良さが魅力的と言ってくださるんですけど、みんなタイプが違うのに仲良くなれている。だから、新しく入ってきてくれる子たちに関しては、メンバーの仲のことは心配しなくていいよって思います。
涼花:メンバーの自分らしさを大切にしてくれる、認めてくれるグループなんです。そういうところは、グループとして変わらないでいてほしいなって思います。
――2021年はリーダーだった帆風千春さんの卒業や初のアルバムリリースなど、多くの出来事がありました。振り返ってみて、どんな一年だったでしょう。
海乃:そっか、帆風が卒業したのも今年ですもんね。遠い昔かのように……。ライブツアーもやったね。音楽番組にも出させていただいたし、写真集も出るし。やっぱり、変化が多い一年だったんじゃないかなと思います。
天城:確かに。習字で大きく書くなら「変化」(笑)。初めてのリアルメンバーでのバラエティ番組だった『22/7 検算中』も今年だし。いろんなことができた年だったので、たぶんおのおのが何をやっていきたいのかをあらためて、じっくり考えさせていただける年だったんだな。って、今思いました(笑)。
涼花:私が参加できなかったこともあったんですけど、グループにとって初めての音楽番組やツアーが叶って。変化がある年やったけど、今の体制が変わる前にいろいろできたのが良かったと思います。
――2022年の22/7は、どんなグループにしていきたいと思いますか?
天城:声優アイドルグループなので、キャラクターたちにももっと活躍してほしいなってずっと思っていて。キャラクターライブもやりたいですし。キャラクターもリアルメンバーも、どちらも愛されるグループに、どんどんしていきたいなと思います。
涼花:みんな笑顔で、幸せ一杯の年になるといいね。
――海乃さんは卒業を目前にしていますが、22/7として過ごした期間はどんな日々でしたか?
海乃:もう、青春でした。こんなに濃い期間が過ごせると思ってなかった。友達とも家族とも違うけれど大切な存在に出会えて、本当に入ってよかったって心から言えます。応援してくださる方にもこんなに恵まれると思ってなかったので、大変なこともあったけれど総じて楽しい日々だったと思います。
――この先の展望として、お話しいただけることがあればぜひ聞かせてください。
海乃:芸能ごとがすごく好きで、そのなかでもやっぱり声のお仕事が好きだなと思えた5年間でした。舞台出演も経て、演じることが好きなんだなというのをより強く思いましたし。皆さんの前にまた姿を現わせる日が来るかはわからないですけども、もっともっと頑張ってまたお会いできるように、そしてナナニジともまた会えるようになりたいと思います!