でんぱ組.incが“幸せ”を届けられるのは成長の証 ちょうどいい距離感が深めるメンバー同士の絆

でんぱ組.inc、ちょうどいい距離感

一つの通過点として、10人で武道館に立ちたい

でんぱ組.inc 藤咲彩音
藤咲彩音

——そして、「Future Diver(10th anniversary ver.)」もパフォーマンスしました。それぞれにとってはどんな曲になっていますか。

愛川:新メンバーのお披露目の時に「プリでん」の次に歌わせてもらった曲なんですね。でんぱ組で昔から歌われているし、私自身にとっても、大事な曲というか、思い出深い曲になっています。今回、新体制バージョンで音源を出せたことも嬉しかったし、ライブでは8人で歌ってたんですけど、ねもちゃんの声が入っていて。サビを歌っていると自分自身にも勇気がもらえる曲だし、気持ちが引き締まる思いで歌ってました。

小鳩:私はもともとでんぱ組のファンで、「でんぱ組になりたい」ではなく、「でんぱ組みたいになれたらいいな」という憧れを持ってディアステージに入って。だから、「Future Diver」をでんぱ組のメンバーになって歌っているというのが、私からしたら夢のまた夢みたいな、夢にも思ったことがないようなことが起こっていて。本当に人生は何が起こるかわからないと思うんですよね。でんぱ組みたいになりたいと思っていたら、でんぱ組になっちゃったよっていう。私が〈夢で終わらんよ〉の生き証人だっていう気持ちで歌ってますね。

鹿目:私もアイドルを始めたきっかけがでんぱ組だったんですね。来年で8年目くらいになるんですけど、今もアイドルをやれているのも嬉しいし、アイドルを好きになるきっかけになったでんぱ組がまだ続いていて、そこに自分が加入しているという事実もすごい。いい意味で、責任を感じますね。

藤咲:私にとっては実家みたいな曲かな(笑)。「Future Diver」ではいろんな景色を見てきて。熱いライブハウス、30公演やったホールツアー、フェス……。いろんな「Future Diver」をやってきたけど、今、パッと思いつくのは10人体制を初お披露目した時なんですね。りあぴ(小鳩)がプリンセスみたいな衣装で、足元が見えないくらいのスカートを履いて一回転していて。センターの十字に何度も立っているなという印象が強いんですよ。そのこと以外覚えてないくらいで。

小鳩:絶対にそこに立つぞという強い気持ちでいました(笑)。

藤咲:その景色をすごく思い出すんですけど(笑)、どんどん新しい思い出が刻まれているんだなと思って。あと、自分にとっての“夢”ということでいうと、いつも「りんごになる」と言っていて。

愛川:……りんごになる???

藤咲:(笑)。これ、話すと長くなるんだけど、りんご、みんな大好きじゃん?

鹿目:歯も白くなるしね。

藤咲:そうだね。栄養もあるしね(苦笑)。誰にでも好かれる人になりたいっていう。……私も変な空気になる人なんですけど。

鹿目:「私も」って! 今、遠回しに私の方に来ましたけど!?

藤咲:まぁまぁ、自分で言ってたじゃん(笑)。自分にとっての夢はわからないし、いまだに模索中だけど、私も10周年なので、「Future Diver」とともに夢の先をずっと見ていたいなと思いましたね。

——模索中と聞いたばかりで申し訳ないですが、グループでの今の夢や目標についても聞かせてください。

藤咲:新体制になって、私的にはゼロからのスタートだと思ってるんですね。未鈴ちゃんが産休に入ったり、誰もやってないことをやり続けているんだから、後ろを振り向いては行けないなと思っていて。だから、もう1回、スタートだ、ここから始めようって自分の背中を自分で叩いて、未来に進もうと思っています。そして、もう1回、このメンツで武道館に立ちたいなと思いますね。また違う景色が見れて、また違う自分になってるだろうなって思うし、一つの通過点として、10人で武道館に立ちたいですね。

小鳩:私も、幕張や武道館にこのメンバーで立ってみたいなと思いました。でんぱ組のバックダンサーで立たせてもらってたことがあるので、今度はメンバーとして、もう1回、あの景色を見てみたいです。

でんぱ組.inc 愛川こずえ
愛川こずえ

愛川:正直、夢という言葉に恐怖心が強くて。活動13年目なんですけど、でんぱ組に入る前に、アイドルグループを2つやっていて。どっちも夢が叶わないまま解散しちゃったんですよ。だから、夢を語るのが正直、ちょっと怖いんですね。また叶わないんじゃないかなって、心のどこかで思っちゃう自分がいて。やりたいことはたくさんあるけど、そこまで気持ちが整理できていない、踏ん切りがついていなくて。でも、今回、ホールでライブしたいなと思っていた夢が叶ったのが自分的には大きい体験だったので、次はホールでツアーをしてみたいなと思ったし、いつか武道館に立てたらすごく楽しいんだろうなと思うようになって。ちょっとずつにはなっちゃうけど、勇気を出していって、一つずつアイドルとしての夢をもう1回叶えていきたい、目標を作っていきたいなと思っています。

鹿目:ピンちゃんが武道館の話をして思い出したんですけど、でんぱ組に加入したての時、大きい会場でライブをさせてもらって。たくさんの人の前で歌って踊らせてもらったけど、自分のたまご色のペンライトが数えるくらいしかなかったんですね。何万人のお客さんの前に立てて嬉しいけど、これは自分の力ではないなって痛感して。だから、もっともっと自分もでんぱ組の一員としての力をつけて、今、ここにいるファンの方々は自分たちに会いに来てくれているんだっていう実感を持てるように頑張りたいなと思います。

——サンプラではたまご色のペンライトがたくさん光ってましたよね。

鹿目:今までで一番多かったんです。頑張った分、少しずつ増えてきているから、もっともっと頑張りたいなと思います。

ゆっきゅんさんからの〈優勝〉をいただいているのかもしれない

でんぱ組.inc 鹿目凛
鹿目凛

——さらにもう1曲、新曲「好感Daybook♡」を初披露しました。

愛川:日記の曲ですね。

藤咲:突然のハワイってキーワードが印象的な。

——サウンドはリゾート感満載ですが、ゆっきゅんさんの歌詞からは自己肯定感を高めていこうというメッセージを感じます。

鹿目:私、勝手に思ってるんですけど、ゆっきゅんさんと考え方が似てる気がしていて。2年前くらいかな? ずっと自分に自信がなくて、結構、落ち込むことも多くて。ファンの方に心配をかけて、慰めてもらうことも多かったんですね。そんな自分を本当に変えたくて。言い聞かせたら本当になるんじゃないかと思って、ツイッターで「今日から自己肯定感を高めるために、自分のことを可愛いってめっちゃ言うから、よろしくね」って言い出して。最初は思い込みで言い聞かせていたのが、どんどん自分への自信につながっていって。だんだん自分のことが好きになれて、周りのことも好きだな、大切だなと思えるようになって。周りを大切にするなら、まず、自分を好きにならないといけないんだなって言うことを学んだんですよ。だから、今回、この歌詞を見た時に、純粋さが泣きそうになるくらい刺さって。

——どこが刺さりました。

鹿目:〈友達が 急に始めた 趣味のフラダンス 練習の動画 無言で送ってきた 何なの超見ちゃう 25回見てる〉のところですね。ここで泣くの? って思う人多いと思うんですけど、自分の中で素直になれない部分があって。なんというか、ほんとは気になるのに、謎のプライドで、無関心を装っちゃう自分が心の奥底にいて。素直なこと、純粋なことは一番成長できるし、一番好いてもらえるし。こういう自分になりたいなって思うんですよね。

藤咲:いい曲だよね。その後の〈どうしようもない日曜 どうにかしたい日曜 ぎゅっと勇気 君の本気 季節の変わり目 はぁ...〉もめっちゃ好きで。そこを歌ってるりあぴも大好き(笑)。そこで、フラっぽい腰を動かすダンスをしてるんですけど、“私から出てくるアドレナリンを皆さんにお届けします!”っていう気持ちで踊っていて。すごく気持ちよかったんですよね。でんぱ組は大体決まってる振り付けが多いけど、こんなに自由で幸福感がある、自分の幸せを分けるみたいなの初めて。こんなに自己肯定感を上げる曲も初めてだから、すごくいい曲だし、踊っていて楽しいですね。

鹿目:確かに今までのでんぱ組のイメージは「W.W.D」とか落ち込んじゃう系が多かったけど、この曲を歌えるって言うのは、でんぱ組がまたグループとして成長した証かなとも思います。

でんぱ組.inc 小鳩りあ
小鳩りあ

——小鳩さん褒められましたね。

小鳩:めっちゃ嬉しいです。アンコール1発目で、「でんぱ組にあなたのことを教えてね。どんなあなたでも笑わないからね」っていうちょっとエモ目なMCをした後に披露して。すごく明るいことを歌っているはずなのに、泣けてきちゃって。素敵だなと思って泣けちゃう感じで、本番は特にグッときましたね。

愛川:幸福感がめちゃめちゃ詰まってる曲で、ファンの方もライブで見て泣けたっていう方が多くて。コロナで思うように生活できない状態の中、私たちアイドルが、明るく笑顔でこの曲を歌っているからこそ、幸せに感じて泣けるんだろうなって思うんですよね。自分たちで笑顔で歌っていても、りあちゃんが言ったように、どこか泣けてくると。それは、幸福感が爆発しているからこそなのかなと思います。

藤咲:ゆっきゅんさん、でんぱ組のことを好きでいてくれて。一人で「W.W.D」を歌っている動画を見たことがあって。

——メンバーに〈ハワイから見ても可愛い〉って言わせたかったのかもしれないですね。

でんぱ組.inc『好感Daybook♡』Music Video

藤咲:そういうことなんだと思います。ファン目線で、「あなたたちは最高なんだよ!」って歌わせたいっていうメッセージなのかなって。ゆっきゅんさんからの〈優勝〉をいただいているのかもしれない。ぺろりんはもう自信を持って言えるよね。

鹿目:私はもう、最高としか思えない。

藤咲:各々が自分の嫌なところはあるし、認めたくないところもあるし、もっと変わりたいと思っているところもあって。でも、みんな違う分野で、それぞれが素敵なところがあるし、でんぱ組は今、メンバー同士で褒め合ったりしてるんですね。お互いがお互いを褒めるっていい関係だなと思っていて。「言いたいから言う!」っていう人たちの塊で、それによってどんどん幸せオーラを増していってるし、お互いの絆が深まってるなと思う。

鹿目:確かに私も、これまでもみんなの好きなところはあったけど、自分だけが知っているのはもったいないって思うようになって、イラストで発信するようになったかもしれない。

藤咲:これまでのでんぱ組は、ライバルだったり、ファミリーだったり、いろんな関係性があったんですよ。今は学校みたいな感じ。普通に生徒同士が褒め合うみたいな。お互いがいい距離感だからこそ、そういう空気があるのかなって。もちろんライバルやファミリーとしてもいい作品が作れてきたので、これからまた、今までとは違う関係性で、違う形のでんぱ組ができるのかなと思うと楽しみですね。

でんぱ組.inc『好感Daybook♡』
でんぱ組.inc『好感Daybook♡』

■リリース情報
Digital Single「好感Daybook♡」
配信中

1stアルバム『ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!』
配信中

「Future Diver(10th anniversary ver.)  」
配信中

でんぱ組.inc オフィシャルサイト
https://dempagumi.tokyo/

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