EXILE History 第9回
EXILEの20周年を振り返る 第9回:ATSUSHI復帰で駆け抜けた平成ラストイヤー 『LDH PERFECT YEAR 2020』開幕発表へ
2001年9月のメジャーデビュー以降、メンバーの勇退や加入を繰り返しながら、音楽シーンの最先端を走り続けている、ダンス&ボーカルグループ EXILE。不動のリーダー EXILE HIROの魂を受け継ぎ、メンバー一人ひとりがボーカルやパフォーマーという枠を越えたマルチな活動を見せている彼らは、昨年11月、最後のオリジナルメンバーであるEXILE ATSUSHIを送り出したことを機に、新生EXILEとして新たな歴史を作り始めている。そして2021年、グループはデビュー20周年のメモリアルイヤーに突入。それを祝し、EXILEのヒストリーを辿りながら、改めてその魅力を紐解くのが本連載(全10回)である。9回は、15人体制のEXILEが再始動した2018年から、『LDH PERFECT YEAR 2020』の開催を発表した2019年頃までの活動を振り返る。
2001年9月27日に、シングル『Your eyes only ~曖昧なぼくの輪郭~』でデビューしたEXILE。EXILE HIRO、松本利夫、EXILE ÜSA、EXILE MAKIDAI、EXILE ATSUSHI、SHUNの6人から成る“第一章EXILE”が残した功績は大きく、20周年を迎えた現在も、EXILE AKIRA、EXILE TAKAHIRO、橘ケンチ、黒木啓司、EXILE TETSUYA、EXILE NESMITH、EXILE SHOKICHI、EXILE NAOTO、小林直己、岩田剛典、白濱亜嵐、関口メンディー、世界、佐藤大樹という後継者達によって、その輝きは更新され続けている。
EXILE ATSUSHIが約1年半の海外留学を終えて帰国し、平成が終わりを迎えようとしていた2018年。ATSUSHIは2月28日・3月1日の2days、京セラドームにて凱旋ソロライブ『EXILE ATSUSHI PREMIUM LIVE 2018』を開催した。2017年には「第一生命創立115周年記念式典」にサプライズ出演し歌唱したり、青柳翔(劇団EXILE)・EXILE AKIRA・小林直己などが出演した映画『たたら侍』(2017年5月20日公開)の主題歌「天音」を書き下ろしたりと、個人での活動は続けてきたATSUSHIだったが、ライブという形で表舞台に立つのは久しぶり。ダンスパフォーマンスあり、カバーあり、弾き語りありという唯一無二のステージを届けると、さまざまなフィールドでパワーアップした仲間達のもとに合流し、EXILEは再び動き始めた。
再始動に伴い、EXILEは6カ月連続で毎月第一金曜日に新曲を配信する企画「EXILE FRIDAY」をスタートさせた。「EXILE FRIDAY」で発表される楽曲のリリックビデオは、メンバーが自らプロデュースを手がけており、記念すべき第1弾「PARTY ALL NIGHT ~STAR OF WISH~」(2018年2月2日)はAKIRA・SHOKICHIが担当。ATSUSHIが作詞に参加したパーティチューンと、遊び心満載の映像で新年を祝う。第2弾の爽やかなポップチューン「Melody」(2018年3月2日)はNAOTO・白濱・関口が担当し、俳優としても活躍する彼らの演技が映える、ストーリー性のあるリリックビデオに。第3弾「My Star」(2018年4月6日)はロマンティックなラブソングと、啓司が手がける幻想的な映像が美しく融合。世界、佐藤が兼任するFANTASTICS from EXILE TRIBEとのコラボレーションが実現した第4弾「Turn Back Time」(2018年5月4日)は、作詞を手がけたTAKAHIROがプロデュースを担当し、当時闘病中だったFANTASTICSメンバー 中尾翔太に向けた手書きのエールを。続く第5弾「Awakening」(2018年6月1日)はATSUSHIが担当し、サッカーに打ち込む少年達へのエールを映像に落とし込んだ。企画のラストを飾る第6弾「STEP UP」(2018年7月6日)は、EXILEのルーツでもあるニュージャックスウィングをフィーチャーしたダンスチューンとなっており、SHOKICHIが作曲に参加したほか、リリックビデオのプロデュースをTETSUYA、世界、佐藤が担当。80~90年代を象徴するボックスヘア姿の関口がジャケット写真になっていることからも、EXILEのルーツを大事にしながら、新世代のメンバー達が生き生きと活動している“新生EXILE”の空気感が伝わってくる。
2018年7月25日には「EXILE FRIDAY」で見せたカラフルな楽曲達を収録した11thオリジナルアルバム『STAR OF WISH』をリリース。“15人体制のEXILE”の姿を今一度提示すると、9月15日の京セラドームから、3年ぶりの復活ドームツアー『EXILE LIVE TOUR 2018-2019 "STAR OF WISH"』が始まった。5カ所19公演で行われた同ツアーにはEXILE THE SECONDやFANTASTICSも出演し、ATSUSHIとSHOKICHIもソロ曲を披露。合計88万人の観客を前に、15人が歩んできた3年間を集約したステージが繰り広げられた。ツアー真っ最中の12月31日には、平成最後の紅白である『第69回NHK紅白歌合戦』に15人で出演。紅白のリハーサル会見でATSUSHIは「今年再始動だったので、一からグループを作り直している感じがありましたし、EXILEをみんなで模索しながら活動してきたので、その締めくくりに『紅白』に出させていただけるのは嬉しいことです」(※1)と語り、EXILEは「EXILE紅白スペシャル2018」と冠して「Rising Sun」「Heads or Tails」のメドレーで2018年を締め括った。