EXILEの20周年を振り返る 第7回:松本利夫&ÜSA&MAKIDAIが勇退 Jr.EXILE世代の加入で第四章開幕へ

EXILEの20周年を振り返る 第7回

 2001年9月のメジャーデビュー以降、メンバーの勇退や加入を繰り返しながら、音楽シーンの最先端を走り続けている、ダンス&ボーカルグループ EXILE。不動のリーダー EXILE HIROの魂を受け継ぎ、メンバー一人ひとりがボーカルやパフォーマーという枠を越えたマルチな活動を見せている彼らは、昨年11月、最後のオリジナルメンバーであるEXILE ATSUSHIを送り出したことを機に、新生EXILEとして新たな歴史を作り始めている。そして2021年、グループはデビュー20周年のメモリアルイヤーに突入。それを祝し、EXILEのヒストリーを辿りながら、改めてその魅力を紐解くのが本連載(全10回)である。第7回は『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』が開催された2014年頃から、松本利夫・EXILE ÜSA・EXILE MAKIDAIが勇退した2015年までの活動を振り返る。

 2001年9月27日に、シングル『Your eyes only ~曖昧なぼくの輪郭~』でデビューしたEXILE。EXILE HIRO、松本利夫、EXILE ÜSA、EXILE MAKIDAI、EXILE ATSUSHI、SHUNの6人から成る“第一章EXILE”が残した功績は大きく、20周年を迎えた現在も、EXILE AKIRA、EXILE TAKAHIRO、橘ケンチ、黒木啓司、EXILE TETSUYA、EXILE NESMITH、EXILE SHOKICHI、EXILE NAOTO、小林直己、岩田剛典、白濱亜嵐、関口メンディー、世界、佐藤大樹という後継者達によって、その輝きは更新され続けている。

 2008年の初回以降、6年に1度行われるLDH総合エンタテインメントの祭典『EXILE TRIBE PERFECT YEAR』。その第2回となる2014年には、2月からEXILEの新パフォーマーを選出する『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』が開催された。LDHが一般募集にて男性パフォーマーを募るのはこれが初めてである。

 そもそもオーディションといえば、例えば三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの今市隆二・登坂広臣を選出した『EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~』のように、新グループ結成を目的とする印象が強いが、TAKAHIROを選出した『EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 ~ASIAN DREAM~』のような“人気グループへの加入”を目的としたオーディションは滅多にないビッグチャンスと言えるだろう。『VOCAL BATTLE AUDITION 2』では数原龍友・片寄涼太もファイナリストとして頭角を現し、2012年11月21日、GENERATIONS from EXILE TRIBEとしてシングル『BRAVE IT OUT』でメジャーデビュー。メンバーと同世代で10代のEXILE TRIBEファンが増える中、2013年10月には『EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4 ~夢を持った若者達へ~』が開催され、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの川村壱馬・RIKU・吉野北人やDOBERMAN INFINITYのKAZUKIが選出された。さらに同時期には、世界基準の次世代アーティストを育成する『GLOBAL JAPAN CHALLENGE』のオーディションも開催され、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEの奥田力也・砂田将宏・深堀未来などが合格。彼らは2014年4月から3年間に渡りニューヨークに留学し、育成プログラムに参加することに。この頃から、EXILEを目標としてEXPG STUDIOでレッスンに励んでいたかつてのキッズダンサーたちが続々と表舞台に登場するようになる。そう、“Jr.EXILE時代”の幕開けといえるだろう。

 そんな状況下で開催された『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』には、すでにダンサーとして活躍する実力者や、後のJr.EXILEを背負う原石たちが集結。第一次審査の初日となった2月5日には、HIROを含む“第三章EXILE”のメンバー14人が審査員として参加し、2000名以上の挑戦者を出迎えた。HIROは「今のEXILEにいい意味で新しい風を吹かせてくれるようなエネルギーのある、志の高い、人間力のある人が来てくれるとうれしく思います」(※1)と、まだ見ぬ新メンバーに期待を寄せた。その結果、後輩グループからも挑戦者として参加した、三代目 J Soul Brothers(当時)の岩田剛典、GENERATIONSの白濱亜嵐・関口メンディーが合格。一般応募からは、2012年にニューヨークで行われたダンスバトルイベント『STEP YA GAME UP 2012』ヒップホップ部門で優勝した“ダンスの申し子”=山本世界と、俳優の顔を持ちながらもGENERATIONSのサポートダンサーを務めていた佐藤大樹が新メンバーに選ばれた。

 HIROは5人の選考理由について、岩田は「参加者の中では、一番EXILEのド真ん中。今のEXILEに一番違和感のないパフォーマー」、白濱は「人間性、エンターテイナーとしての才能に惚れました」、関口は「EXILEの新たな可能性を広げてくれる人。メンディーが入ってくれたら、夢が広がるねってメンバーと話して選びました」、世界は「ダンスが目立っていた。EXILE第一章を思い出す、原点回帰をさせてくれた」、佐藤は「夢を大切にするということを体現してくれている。将来性もある」(※2)とコメントしている。ちなみに、佐藤は当時19歳で、EXILEにとって初の10代メンバーの加入だった。これまで築いてきた歴史と新世代のミックスでEXILEを進化させていく想いや、EXILE TRIBEの広がりを視野に入れていることがわかる。

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