EXILE History 第9回
EXILEの20周年を振り返る 第9回:ATSUSHI復帰で駆け抜けた平成ラストイヤー 『LDH PERFECT YEAR 2020』開幕発表へ
とはいえ、『EXILE LIVE TOUR 2018-2019 "STAR OF WISH"』は翌年2月まで続く。そのファイナルに向けて加速するように、2019年1月3日には配信シングル「Love of History」をリリース。同曲はATSUSHIが“元号が変わり新たな時代へと向かう2019年に、これまでの歴史や先人達への敬意、宇宙をも包み込む大いなる愛を込めて書き下ろした”という壮大なナンバーであり(※2)、そのMVには形を変えながら輝き続けるEXILEの映像が収録された。“昭和”の時代にリーダー HIROの胸に灯ったダンスへの情熱が、EXILEという運命共同体に姿を変えて“平成”の芸能界を駆け抜ける。そんな黄金時代を経て、間もなく“令和”が訪れようとしていた。
2018年末にATSUSHIが「それぞれのプロジェクトがたくさんありますので、多岐に渡るエンターテインメントを楽しみにいただければと思います」(※3)と予告した通り、2019年は兼任グループの活動やソロ活動、EXILE TRIBEのプロジェクトが大いに賑わった。ATSUSHIは“日本の心”をテーマにした初のソロベストアルバム『TRADITIONAL BEST』(2019年4月30日)をリリースし、TAKAHIROは全国各地でファンクラブイベント『EXILE TRIBE FAMILY FAN CLUB EVENT "TAKAHIRO 道の駅 2019"』を開催。NAOTO・小林・岩田が兼任する三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEは、2年ぶりとなるドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2019 "RAISE THE FLAG"』を開催し、125万人を動員した。世界・佐藤は『EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 5 ~夢を持った若者達へ~』から選出したボーカル2名を迎えたFANTASTICSとして、シングル『OVER DRIVE』(2018年12月5日)でメジャーデビューを果たす。2019年に行われた初の単独ツアー『FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE』では、演劇を交えたライブ演出でオリジナリティを発揮した。
EXILEに加入したばかりの頃は若手という印象が強かったGENERATIONS from EXILE TRIBEの白濱・関口も、2018年に初のドームツアー『GENERATIONS LIVE TOUR 2018 "UNITED JOURNEY"』を開催すると、2年連続でドームツアーを行うように。2019年12月には『第70回NHK紅白歌合戦』で紅白初出場の夢を叶え、名実共に国民的グループとなった。また、日本酒をプロデュースする一方でLDH ASIAの取締役を務めるケンチや、教育分野に力を入れながらLDH kitchenの取締役も務めるTETSUYA、LDH music & publishingの取締役も務めるSHOKICHIなど、役職を任されるメンバーも。HIROが芸能界に足を踏み入れた頃は、ダンサーがパフォーマーとして脚光を浴びることさえ珍しかったが、令和の時代においては、AKIRAや啓司のように俳優として活躍したりNESMITHがミュージカルに挑戦することも、EXILEメンバーの王道の生き方となっている。
そして2019年9月、LDHは6年に一度開催する、総合エンタテインメントの祭典『LDH PERFECT YEAR 2020』の開幕を発表。「IGNITION」「IMAGINATION」「INFINITY」「BEYOND THE BORDER」という4つのシーズンでプロジェクトを展開していくことが明らかとなり、Season1ではEXILEによるベストライブ、三代目 J SOUL BROTHERSの今市隆二と登坂広臣によるショーケースライブ、E-girlsとTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのアリーナツアー、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEのホールツアー、劇団EXILEの舞台『勇者のために鐘は鳴る』を告知した。だが、“過去最大”を謳った祭りは、誰も予想しなかった形でスタートを切るのだった。
※1:https://realsound.jp/2018/12/post-300695.html
※2:https://m.ex-m.jp/q?i=Cts/discography/exile/2019/single/love_of_history/index
※3:https://realsound.jp/2018/12/post-300695.html