宮本佳林、鞘師里保、和田彩花ら……活発化するハロプロOGたちの音楽活動

ファンの元へ帰ってきた鞘師里保

 冒頭でも触れた通り、ハロプロを卒業したメンバーのなかにはアップフロントを退所したのち、新天地で芸能活動を再開するケースもある。モーニング娘。'15を卒業し、2018年にアップフロントとの専属マネージメント契約が終了した鞘師里保もその1人。

 2020年には芸能事務所ジャパン・ミュージックエンターテインメントに所属することを発表。そして今年2021年8月にソロ初のミニアルバム『DAYBREAK』をリリース、および豊洲PITにてソロとして初ライブを開催し、ファンの元へ帰還した。ミニアルバムのリード曲「LAZER」は、EDM色あふれる力強いサウンドで新たな一歩を踏み出した、鞘師の決意が感じられるナンバーだ。

 そんな鞘師は歌手活動のほか、テレビドラマなどでの女優活動も行っている。2015年にモーニング娘。を卒業した当時は18歳で、現在もまだ23歳。ハロプロ時代から評価の高い歌唱力やダンスパフォーマンスを活かし、今後も明るい未来を切り開いていくだろう。

鞘師里保 - LAZER (Official Music Video)

アイドル時代とは一線を画したサウンドの和田彩花

 2019年のアンジュルム卒業後はYU-M Entertainment所属(アップフロントプロモーションとは業務提携)となった和田彩花。アンジュルム時代から関心のあった美術などの芸術方面への興味を活かしたトーク、またジェンダーなどの社会的なテーマについて話すタレント活動が多々見られる。

 音楽方面では、オリジナル曲をYouTubeにて公開しているほか、ライブ活動なども行っていたが、11月23日には初のオリジナルアルバム『私的礼讃』の配信リリースが控えている。谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』を連想させるようなアルバムタイトルがなんとも和田らしい。タイトル曲「私的礼賛」は先行配信されており、そのサウンドはエレクトロニカやポストロックを通過し、洗練された現代版シティポップといった趣きが感じられる。きわめて軽やかで、アイドル時代とは一線を画した楽曲だ。

和田彩花「私的礼賛」

 ここまで触れてきた以外にも、今年6月にM-lineへ加入した小片リサ(ex.つばきファクトリー)、アンジュルム卒業後、巫まろに改名しZOCへ加入した福田花音、同じくアンジュルムを卒業し、ソロ歌手となった室田瑞希、カントリー・ガールズに短期間在籍していた島村嬉唄がメンバーに加わっているアイドルグループ・きゅるりんってしてみて、中西香菜(ex.アンジュルム)や尾形春水(ex.モーニング娘。)がメンバーのカオスピピス(現在活動休止中、グループ名をYouplusに改名し仕切り直し)など多数。ハロプロ時代から音楽性を一新するものもいれば、王道アイドル路線を継続するものもおり、それぞれの活動には多様性が見られる。ファンとしては、ハロプロ卒業後もこうしてまた音楽で楽しませてくれることに感謝したい。

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