EXILEの20周年を振り返る　第7回：松本利夫＆ÜSA＆MAKIDAIが勇退　Jr.EXILE世代の加入で第四章開幕へ

　かくして19人体制（HIROを含む）となった“第四章EXILE”は、2014年7月23日に新体制としては初の音源である44thシングル『NEW HORIZON』をリリースし、前作『No Limit』の約2倍の枚数を売り上げた（※3）。また、第四章の開幕に伴い、MATSUが松本利夫、KENCHIが橘ケンチ、KEIJIが黒木啓司、NAOKIが小林直己に改名したほか、HIROをはじめとするほとんどのメンバーが“EXILE”という苗字を自身の名前に付けることに。突然の改名に当時はファンからも困惑の声が挙がっていたが、今となっては、俳優活動を行っているメンバーの多くが漢字表記に改名しているなど、各メンバーが自分の未来やEXILEの一員としてやっていく覚悟を名前に反映したことが窺える。

　後輩を迎え入れる立場となったケンチも「19人になって、第三章からのメンバーは真ん中の世代。中間管理職じゃないけど、上の世代と下の世代をつないでいくというのは、重要な役割です。若い力とEXILEが築き上げてきた経験、すべてをミックスして、もっと強いEXILEを作っていけるように頑張りたいです」（※4）と語っている。彼が口にした“上の世代と下の世代をつないでいく役割”とは、EXILE TRIBE（EXILEをはじめとする関連グループの総称）においても言えることで、2012年以降EXILE TRIBEとしても3枚のシングルをリリースしてきた彼らは、2014年8月27日、EXILE TRIBEのアルバム『EXILE TRIBE REVOLUTION』をリリース。それを引っ提げたドームツアー『EXILE TRIBE PERFECT YEAR LIVE TOUR TOWER OF WISH 2014 ～THE REVOLUTION～』を開催し、6大ドーム全18公演で82万人を動員した。同ツアーにはEXILEやEXILE THE SECOND、三代目 J SOUL BROTHERSやGENERATIONSといったEXILE TRIBEが総出演し、グループの垣根を越えたコラボレーションが実現。オリジナルメンバーから後輩グループに脈々と受け継がれる“EXILE魂”を見せつけ、華やかに2014年を締め括った。

　しかし、出会いがあれば、別れもある。約3年ぶりのオリジナルアルバム『19 -Road to AMAZING WORLD-』をリリースした2015年。6月22日に、オリジナルメンバーの松本利夫、EXILE ÜSA、EXILE MAKIDAIが年内でのパフォーマー勇退を発表した。3人は「松本利夫は舞台を中心に演者としての活動の場を広げるべく、劇団EXILEで『松組』を立ち上げ、ÜSAはライフワークでもある『DANCEARTH』でダンスが持つ可能性やすばらしさを世の中に伝え、MAKIDAIは新たな『PKCZ®』という場で『DJ MAKIDAI』として、よりクリエイティブな活動も考えています」（※5）と今後の活動について表明し、パフォーマーとしてはラストライブとなるドームツアー『EXILE LIVE TOUR 2015 "AMAZING WORLD"』を通して、全国のファンに感謝を届けた。

　同ツアーは岩田、白濱、関口、世界、佐藤が加入してから初のツアーであり、松本、ÜSA、MAKIDAI にとってはラストのライブツアーである。12月27日に福岡ヤフオク!ドーム（当時）にて開催された最終公演では、リーダーのHIROもサプライズでステージに上がりオリジナルメンバー3人に花束を渡して労った。ライブでは大粒の涙をこぼしてパフォーマンスしながらも、ラストシングル曲がポップな打ち上げソング「Ki・mi・ni・mu・chu」であるのがなんとも彼ららしい。そして12月31日、EXILEは『CDTVスペシャル！年越しプレミアライブ2015→2016』（TBS系）に生出演。この出演を最後に、オリジナルメンバーとしてEXILE黎明期を支えた松本利夫、EXILE ÜSA、EXILE MAKIDAIは、新たな夢に向かって歩み出した。

※1：https://natalie.mu/music/news/109241
※2：https://mdpr.jp/news/detail/1357085
※3：https://www.oricon.co.jp/news/2040318/full/
※4：https://www.tokyoheadline.com/351305/
※5：https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1496114.html