Snow Man、美しいハーモニーの秘密 「Secret Touch」Rec Ver.から9人の歌声の特徴を紐解く
その後は阿部亮平のソロパートが続く。阿部と言えばハモリを担当しているイメージが強いが、今回のソロパートではまっすぐに歌詞を伝えるような歌い方が印象的だ。あえて余分な味付けをしないことで、「歌詞を届ける」という気持ちが強く伝わってくる。阿部と同じくハモリパートが多い印象があるのは深澤辰哉。今回の動画でもハモリパートが多かったが、深澤のポジションとリンクしているように感じる。もともと柔らかさを持つ歌声であることも相まって、誰とでも溶け合うハーモニーを披露。グループを影から支えている深澤らしい歌ではないだろうか。宮舘涼太もキャラクターとブレない歌い方。もともと“イケボ”な宮舘だが、〈あの日の Secret Touch〉の「あ」の部分に彼らしい色気と哀愁を含ませることで、存在感をしっかり示している。
一方、岩本照は普段クールなラップを披露しているが、同曲では低音も中音域もピッチが安定した伸びやかな歌声を披露。癖が少ない分芯があるため、楽曲をギュッとまとめているような歌声だ。佐久間大介の歌声もいつもの元気な様子とはギャップを感じる、色気ある声。しかし、喉に一切の引っ掛かりがない状態で発声しているからだろうか。色気がありつつも、力強さも感じさせてくれる。さらに、見せ方もエンターテインメントに。MV用に収録した風景なのだろうと推測できるが、レコーディングもパフォーマンスの一つへ昇華していたのではないだろうか。
にぎやかにワチャワチャしている様子が多いYouTubeの企画動画とは違い、しっとり「Secret Touch」を歌い上げているSnow Man。しかも、切ないだけではなくあたたかさを感じられるのはこの9人の人柄があってこそだろう。新しい一面を見せ続けてくれる彼らは、次はどんな姿を見せてくれるのだろうか。ますます目が離せない。